猫の毛玉 映画館

映画感想文を体内で丸めて吐き出す。

毛玉ウォーカー(ご挨拶)

毛玉の歩き方。

⇒ 映画タイトル(邦題)の五十音順 一覧表
    *長音(ー)は直前の文字の母音とする。
     *定冠詞(ザ)もそのまま文字として扱う。

※無断転載したらとりあえず呪い人形にURL貼って五寸釘打ち付けます。(`・ω・´)

《お知らせ》
ミラ・ジョボの"The 4th kind"は日本で劇場公開するんですね。タイトルは『フォース・カインド』で。
だがしかし、ミラ・ジョボの前作"A Perfect gateway"はやんないのー?あれ面白そうなんだけど。
ミラ・ジョボの新作スリラー"A Perfect getaway"予告編
と思ったら、1/23公開ですって!邦題未定、上映館も未定ですけど。
どうやら邦題『パーフェクト・ゲッタウェイ』みたいです。新宿ピカデリー他全国ロードショー!
公式っぽいwebチラシあり

twitterではブログに書くほどでもない海外サイトで知った映画情報も呟いてます。
呟き頻度に波があるけど、良かったらフォローしてください。
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ムーンウォーカー 【PVの すごく長いの これはそう】

tag 音楽映画 SF ファンタジー 動画付き

『ムーンウォーカー』 MOONWALKER
1988年・アメリカ
アルバムBADの記録的ヒットを背景に製作されたマイケル・ジャクソンの音楽映画。

 リバイバル上映されているので観に行った由。鑑賞料金は一般1000円ポッキリで良心的でした。デジタル上映デジタルサウンドというので、綺麗なのかクリアなのかと期待したら裏切られた。映像は昔のフッテージ部分("Rock with you"などなど)がざらざらだけど、ほとんどは綺麗。でも音が!音がペラペラなうえ、高音シャカシャカで音割れが酷かった!序盤で不快感すら感じた。この音質はどうにかならんかったのか?

 マイケル・ジャクソンが主役の映画であり、こども達の為の映画である。その内容は、ロボットダンスが得意な少年が練習を重ねるうちにホンモノのロボットに変態。最終的には巨大化し、叫声一発で敵を壊滅させられるまでに成長する姿を描く、ほろ苦青春ストーリー。なわけ、ない。その真相は奇妙奇天烈摩訶不思議な長大PVでした。
ムーンウォーカー [DVD]ムーンウォーカー [DVD]
マイケル・ジャクソン
ジョー・ペシ

どんな映画?
 前半パートと後半パートでまったく違ったものになっている。後半の方はストーリー仕立てになっているものの、全体的には長い音楽クリップ集の域を出ていない。映画としては残念な出来と言わざるを得ず、これはMJの奇天烈映像とPVを楽しむためのもの。それだけに音割れの不快度が半端無かったのが無念。

 “マン・イン・ザ・ミラー”で幕を開ける前半は主にイメージ映像で、ヒット曲のPVがちょこっとずつ流れたり、MJコレクションの品々が映されたり、ジャクソン5の映像が流れたり。そうこうしているうちに、BADのPVのキッズ・ヴァージョンが流れます。ここ前半の山場!小さな子供達がBADを忠実に再現するのは可愛いやら可笑しいやら。だって子供なのにヒゲ面だったりすんのよ。

 そこからはMJの大好きな追跡劇。ポップでサイケなアニメとの共演やらワケワカラな過ぎて面白い。ネバーランドの中を探検するイメージの"Leave me alone"のクリップでは、MJの「僕のことは放っといてくれ」感が痛烈に表現される。例えば、メスの刺さった鼻の映像が飛んでいく。自宅にエリザベス・テイラーの間(ま)を作ったという新聞記事のあとに、若いリズの映像がたくさんコラージュされる。MJがチンパンジーをペットにしたという新聞に、バブルス(ペット・チンパンジー)を抱き上げる映像。エレファントマンの骨を買うという新聞のすぐあとに象頭のスケルトンと一緒に踊るMJの映像がフィーチャーされる。などなど。

"Leave me alone"クリップ


 さて、後半。出し惜しんで一度しか披露しないゼロ・グラビティで名高い"Smooth criminal"を中心にした構成ですよ。というか、MJって大技の使いどころをわきまえているよね。そこが凄いと思う。して、あのベース音は頭に染みつく!アニー、アーユーオーキー?

"Smooth criminal"クリップ


 この後半の物語では、3人の子供達とマイケルの交流が描かれていて微笑ましい。そんなMJ達を付け狙う悪役は、『リーサル・ウェポン』シリーズのレオ・ゲッツことジョー・ペシ。そして終盤はメカMJ最強伝説です。目がピカーン!ってなったときは噴きだしたわ!超展開過ぎて。結局最初から最後まで奇天烈なこの映画は、良い意味で狂っていて面白い。だからそこに理屈とか筋立てを要求しちゃダメなんだ。破綻しているからこそ、MJの映画なんだろう。

 ラストの"Come together"は文句なくカッコイイので必見!オリジナルはもちろんビートルズの曲で、アレもカッコイイけれどコチラも違ったカッコ良さがあるですよ。ところで、MJは右腕に腕章を付けたり、右手指先にテーピングをしたりしますよね、時折。あれはファッションなのだろうか?何か意味があったのだろうか?腕章については世界の子供達を守る意思表示とかってどこかで読んだことがあるけれど、真実はわかんない。

"Come together"クリップ


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関連作品のようなもの
バッドこの大ヒットアルバムあってこその映画。
バッド
マイケル・ジャクソン; クインシー・ジョーンズ
ウィズ【ユニバーサル・セレクション1,500円キャンペーン2009WAVE.1】 [DVD]オズの魔法使い映画で案山子をやってたっけ、マイケル。
ウィズ [DVD]
マイケルジャクソン; ダイアナ・ロス
メン・イン・ブラック2 デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]こちらの映画ではエージェントMとして少し出演。
メン・イン・ブラック2 デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
ウィル・スミス; トミー・リー・ジョーンズ
雪道ウォーカー スニーカーやブーツや長靴の スタッドレスタイヤ のような存在 0度近くではスパイクタイヤのように氷を砕くほどの堅さになります 雪上歩行 簡単な登山靴にも変身 スノーシュー アイスウォーカー のように雪道ウォーカー

毛玉内関連記事:マイケル・ジャクソン THIS IS IT 【ラストショー 取り組む姿が 心打つ】
           マイケル・ジャクソン"This is it"映画の予告編
           テネイシャスD 運命のピックをさがせ!
           トランスフォーマー/リベンジ(通常版・字幕) 【笑いどこ 儚くなるね 字幕版】

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『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』予告編第3弾

tag 動画付き ファンタジー

 今まで2回、予告編を貼り付けてきたこの映画。新しいの出たから見てね!ウマ・サーマンのメデューサ映像がすごいぜ!

『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』予告編第3弾


 最初のプールでパーシーが潜るシーンでは、グロバーが「すげえ!7分も!どうやったんだよ!」と言ってます。次のシーンは今までも予告編で観た、博物館でキロン(ピアース・ブロスナン)が説明してるところ。ギリシャ神3兄弟の名前は、英語発音だとゼウス→ズース、ポセイドン→パサイドゥン、ハデス→ヘイディスみたいに聞こえますよ。

 でもって数学の女教師がモンスター化する場面が続きます。でもその舞台はヤンシー学園みたいですね。原作だと博物館なんですが。その次がグロバーとキロンのひそひそ話。キロン「見つかった」パーシー「誰に?」てな感じで。

 次になぜかペルセポネー(ロザリオ・ドーソン)がパーシーに「待ってたわ」とか言う場面。いろいろなシーンが挟まった後、キロンがパーシーに「これはすごい武器だよ」と言いながらペンを渡す。パーシーが"This is a pen."と言い返すのが可笑しい。英語の教科書かよ!オリンポスのイメージ映像のあと更に"This is a PEN."と繰り返すパーシー!w

 最後にウマ・サーマンの美しいメデューサ!パーシーがipodの背面ごしにメデューサを見ているのがいかにも現代っ子アメリカっ子って感じで面白いね。ウマが言ってるのは"Come on, sneak and peak."って聞こえるので「おいで、出歯亀ちゃん」みたいな感じか。

 ところで、邦題は正式に『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』に決まったのかしら。だって公式サイトができてたよ。
映画『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』公式サイト
(ここの日本版予告編は第一弾のティーザーと同じ映像ですな)

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毛玉内関連記事:『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃』予告編第一弾
           『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃』予告編第2弾
           『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 2 魔海の冒険』読んだ。
           ダレン・シャン映画化"The Vampire's Assistant"予告編
           『アリス・イン・ワンダーランド』ティーザー予告編

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スペル 【逆恨み 買ったら3日で 地獄行き】

tag ホラー コメディ

『スペル』 DRAG ME TO HELL
2009年・アメリカ
サム・ライミ監督の久々のオカルト・ホラー。

 とかくこの世は不条理、を地でいく。普通の女性が普通に仕事してたらなんか逆恨みされてすごい呪いを受けてしまった!という話。ジプシー恐い。その呪いを受けると3日間苦しんだ末に永劫地獄の炎で焼かれるという。ひでえ。ヒロインは品がなかったり嘘ついたりするけど、基本的に善良なのにな。

 さすがライミ!コメディのタグを付けたぐらい面白くて笑っちゃライミ!効果音も画ズラも可笑しくて堪らライミ!とにかく皆観てライミ!

 原題は“私を地獄に連れてって”になりますかね。なんでこんなタイトル付けたのかはライミのみぞ知る。 邦題はシンプルで良いですよね。まさにその呪い(スペル)のお話なのだから。
Drag Me To Hell [Original Motion Picture Soundtrack]Drag Me To Hell
[Original Motion Picture Soundtrack]
Christopher Young

コトノハ
"I beat you, you old bitch!"
(あたしの勝ちよ、くそ婆ぁ!)

 クリスティン(アリソン・ローマン)が駐車場で自分の車に乗り込むと、老婆が襲ってきた。驚きと笑いに彩られた激しいバトルのあと、クリスティンが笑いながらこんなこと言うので噴いた。とっても面白いシーンです。

どんな映画?
 オープニングからして'80年代オカルトホラーの雰囲気満点。ああ、こういうのをダークキャッスル(クラシックなホラー専門のはずだった製作会社)で作ってほしいのになと少し苦い気持ちになったことであるよ。ダークキャッスル、『ロックンローラ』とか作ってる場合じゃないよ、本当。

 さて。住宅ローンを延長してくれと申請に来たジプシーっぽい婆ちゃん。「近いうちにお金が入るから」と言う。でもこれで3度目の延長になるしなぁ、と困ったクリスは上司に相談。でも君に任せると言われ、昇進したいクリスはタフな決断を下せるところを見せようと否決する。

 まあ、いたって常識的な決断だと思うのよ。イイトコ見せたい気持ちがあったにしても、妥当でしょう。大体近々お金が入るなんて、一体何のことだよ、と。それに身寄りもきちんといるし、アドバイスもしたわけだし。公平に見て、クリスは悪くないと思うね。それでもこういう理不尽な攻撃に晒されることって、あるよね。人生ってそんなもの。っていうか、ジプシーまじ恐い(この映画の中でね)。オープニングのエピソードだって、よく考えると酷い話だ。
追記:
 日本的に考えると、老婆のローン延長申請には同情の余地なしだ。でも借金パラダイスのアメリカ的に考えると、あれはもしかして「なんで延長してやんねーんだよ!意地悪!」ってなるのだろうか。クリスが1万ドル(100万円)の貯蓄もなかったことを考え合わせるに付け、日米の借金感覚の違いを思い知ったような気がしてきた。それにあの1万ドル、女性霊媒師は受け取ってないように思うのだが。


 クリスもクリスの恋人クレイ(ジャスティン・ロング)も勤め先の銀行マネージャー(デヴィッド・ペイマー)も霊媒師も、いたって善良な人々でした。そんな中、あまりにもコスイ銀行の同僚スチュ(レジー・リー)や執念のジプシー婆ちゃんやジプシーの孫娘なんかが性格悪過ぎて酷い。でもこういう人、いるもんね実際。自分に非がなくても一方的に攻撃を受けることなんて普通にある。でもその攻撃が、地獄の業火に永劫焼かれ続ける呪いって、どんだけ性格悪いんだよ!と思うわけさ。

 そんな人生の理不尽を語る映画ですが、マジで笑いの壺を押されまくった!ホラー的には驚く怖さと人間の心の怖さがありました。しかしこいつは真面目なコメディといっても良いデキなので是非積極的に笑っていきたい。クリスの狂気や、婆ちゃんのエグさ。具体的には目玉がポムッ!とか鼻血ブーとか目玉ケーキとか、バケツみたいなアイスクリーム食べながら泣いてるとこ、恋人の家でドアに向かって罵倒するとこ、マジックみたいにハンカチーフを口から引きずり出すとこ、力強く半笑いで土掘るとこ。そりゃもうゲラゲラ笑いましたさ。

 クリスが飼っている小さなトラ猫は『こねこ』のチグラーシャみたいで超キュート!にゃーん!可愛い〜!この子猫が後にあんなことになるんて、誰が予想したろうか。最後まで可愛かったです、子猫ちゃん。「猫なんかいらねんだよ!」で泣くほど笑ったわよ。

 ところで、婆ちゃんがハンガリー語で呪いをかけて召還した悪魔はラミア。ん?ラミアってギリシャ神話のあのヒト?ゼウスとの間に子供がいたけど皆ヘラに殺されちゃった、リビアの女王様だった人。上半身は美女、下半身は蛇の姿。男の血を吸い、子供を喰らう。調べてみると、固有名詞Lamiaの場合はこのギリシャ神話のラミアを指し、一般名詞のa lamia(複数形lamiae)の場合は悪魔を指す言葉だそうですよ。通常は女性形だけども、この映画では黒山羊の姿を使ってます。ていうか、ラミアって語感が素敵だから使っただけっぽい気がする。
追記:
 婆ちゃんとラミアの二人がクリスを襲っているように見えるけれど、ラミアが婆ちゃんの姿をとっているだけだと文字色思う。あの駐車場のバトルシーンから最後までラミアの仕業。婆ちゃんがいつ呪ったのかは不明。

追記2:
 ギリシャ神話って、神々が些細なことにいちいち怒って人間を罰して死に追いやるじゃない?あの凄い理不尽感を出すためにラミアの名を使ったのかもしんない。ギリシャ神話の神は寛容な慈愛など持ち合わせてない。後悔したって、反省したって、容赦なく殺すよね。

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俳優は誰?
 恐怖に気も狂わんばかりのクリスティンにアリソン・ローマン。良かった!車中で老婆を打ち負かしたときに思わず笑っちゃうとことか最高!アリソン出演の映画と言えばニコラス・ケイジと共演したコン・ムービー『マッチスティック・メン』が一番記憶に残ってます。可愛らしい童顔で、笑顔が本当キュートなんだけど、本作では笑顔ほぼなし。んでも黄色いドレス、可愛かった!

 育ちも良ければ気立ても良い完璧な恋人クレイに『そんな彼なら捨てちゃえば?』でバーテンダーやってたジャスティン・ロング。顔が長いからジャスティン・ロング。彼の軽妙なコメディ体質が発揮されているのはほんのワンシーン。霊能力者の店に行ってフロイト=ユング論を始めちゃうシークエンス。他のシーンでは善良な恋人としての添え物的役割で残念。あ、でもラストシーンの彼は凄く良かった!クレイの後の人生を案じてしまうな。

 同僚のヤな男@アジア系には『プリズン・ブレイクseason2』のヤナ奴キムを演じていたレジー・リー。やぁ、本当にヤな奴が似合いますね。笑っちゃうほどヤな奴だったわ。

関連作品のようなもの
20周年アニバーサリー 死霊のはらわた [DVD]'83年ライミのデビュー作。もう25年も経ってるんだね!
20周年アニバーサリー 死霊のはらわた [DVD]
エレン・サンドワイズ; ベッツィ・ベイカー
エクソシスト ディレクターズカット版 [DVD]オカルト悪魔祓い系ではやっぱりこれが恐い!続編の2はそれなりに。
エクソシスト ディレクターズカット版 [DVD]
エレン・バースティン; リンダ・ブレア
マッチスティック・メン 特別版 [DVD]主演のアリソン・ローマンはこの映画が良いです。
マッチスティック・メン 特別版 [DVD]
ニコラス・ケイジ; サム・ロックウェル
私をスキーに連れてって [DVD]私をスキーに連れてって [DVD]
原田知世; 三上博史

毛玉内関連記事:スパイダーマン3
           B級ホラー大好き
           P2 【壊れてく ついさっきまでの 日常が】
           リトルショップ・オブ・ホラーズ 【貪欲な 怪奇植物 歌い踊る】
           コンスタンティン
           悪霊喰 【許すべき 許されざる者 許すため】

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スペースバンパイア 【流されて いのち集めて 永らえる】

tag SF ホラー パニック サスペンス ヴァンパイア

『スペースバンパイア』 LIFEFORCE
1985年・イギリス
コリン・ウィルソンの『宇宙ヴァンパイアー』を原作とするSFホラー。トビー・フーパー監督。

 英国産のすごいヤツ!トビー・フーパー監督にしては『ポルターガイスト』やら『マングラー』みたいなグロ恐さはほとんどない。美しいと言える映像の連続に、時折あの派手色のCGが挟まる感じ。これ、名作だから観てください本当。

 原題は“生命力”。原作小説の邦題が『宇宙ヴァンパイアー』。スペースバンパイアは妥当ですよね。ところで、何と言ってもDVDパッケージや、本編の音楽と映像から満ちあふれるB級感が愛おしい。B級感あふれるとはいえ、息苦しくなるほどのサスペンス感で冒頭から延々ずっと緊張感が持続するのが凄い。

 いわゆる吸血するバンパイアではなく、どっちかってーと吸魂鬼。人間の精力を吸い取って自分のエネルギーにしますよ。吸われた方は萎びて気絶するけど、一定時間で意識が戻りエネルギーをチャージしようとする。つまりトライ・トゥ・吸魂。そんなわけでロンドン中がパニックぅ!
スペース・バンパイア [DVD]スペース・バンパイア [DVD]
スティーブ・レイルズバック
ピーター・ファース

コトノハ
"I mean in a sense, we're all vampires. We drain energy from other life-forms."
(ある意味では我々は皆ヴァンパイアだ。他の生物のエネルギーを奪って生きている。)

 この映画が名作だと思うのは、こういう台詞に表れる人間を善としない雰囲気のため。人間にとって脅威となるバンパイアも、我々人間も、生きるために同じコトをしているに過ぎない。この感覚は大事だと思います。人類、奢る事なかれ。

どんな映画?
 ちょっと中華風な勇ましいマーチっぽい音楽で始まるよ。近づくハレー彗星の調査に向かった宇宙船チャーチル(スペースシャトルみたいの)は、彗星の尾に人工物らしき反応を確認した。詳しい調査のために乗り込むと、そこには美しい女性1体、男性2体の完璧な姿が保存されていた。

 一方、30日後の地球では。チャーチルと交信不能になったため、宇宙船コロンビアを向かわせる。コロンビアのクルーは焼き尽くされた船内を調べ、無事だったものを地球へ持ち帰る。その中にはあの美しい女性の体もあったとさ…。

 彗星から地上に降り立った地球外知的生命体(マチルダ・メイ)はあまりにもお美しい。大きなおっぱいも美しいです。全編通してスッポンポンのポン!なのがシュールな嬉しさ。

 裸体の美女は保管されていた宇宙センターから悠々と、堂々と、スッパダカで歩き去る。スッパマンだ!って、マチルダちゃんの話しかしてないけど、他の男性2体も一応お仲間バンパイアなんだおな。まあ、彼らは添え物ってことで活躍するのはやっぱりマチルダちゃん。

 タイトルはヴァンパイアを謳っているし、映画中でもヴァンパイアって呼んでるけれど、血を吸う夜の獣ではなくて精気を吸い取る美女だよー。人間どもを性的魅力で圧倒する。魅力が武器ってのはやっぱりヴァンパイアっぽいすな。あとなんか不思議な力を操る。念力?で人を倒したり、ガラスを割ったりとか。そして精気を吸い取られた犠牲者にも異変が…。

 後半、ヘリでロンドンに戻る大佐たち2人。勇ましいマーチ音楽をバックにロンドンの凄惨な光景が映し出される。まるでゾンビ映画みたいな地獄絵図。既にすっかり侵されたロンドンの町。もう後半は昨今のゾンビ映画そのものだ。

 ラスト近くの、超絶ハンサム青年がモンスター化するシーンはトラウマ。マジできんめー!結局のところやっぱりトビー・フーパーでした。映画に流れる虚無感とか無常観とかどうしようもない感じがとても好きです。変な明るさが全くないところが素敵。

 壮大なスケールで描かれる宇宙からの恐怖!なのに、終わってみれば地球上ではロンドンの街オンリーでの出来事でした。ってのが良いよね。宇宙って本当に恐いですね。さよなら、さよなら。
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俳優は誰?
 中盤、マチルダ・ヴァンパイアの行方を追う手がかりとなる病院の院長アームストロングにパトリック・スチュワート(X-MENシリーズのエグゼビア教授、またはスタートレックのピカード艦長)が出てますよ。エグゼビアみたいに車椅子に乗ってるシーンもありで可笑しい。彼の人外っぽさはすごいよね。

関連作品のようなもの
SPACE VAMPIRES原作の原書。映画の邦題はこちらを採用したのですね。
SPACE VAMPIRES
Colin wilson
宇宙ヴァンパイアー (新潮文庫 ウ 7-1)原作の邦訳版。古い。
宇宙ヴァンパイアー (新潮文庫 ウ 7-1)
C.ウィルソンColin Wilson
スペースインベーダー [DVD]スペースバンパイアのスタッフが次に作った映画。
スペースインベーダー [DVD]
カレン・ブラック; ハンター・カーソン
スペース暖シート「ぽかぽかコート」スペース暖シート「ぽかぽかコート」
スペース暖

毛玉内関連記事:SF/ボディ・スナッチャー 【漂いて 流れ着いたる 約束の地】
           ランド・オブ・ザ・デッド 【立ち上がれ 怒りを持って 反撃だ】
           ダイアリー・オブ・ザ・デッド 【問われるは メディアの欺瞞と リテラシー】
           アンデッド
           吸血鬼映画"Daybreakers"予告編

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ニーベルングの指輪 【北欧の 哀しい愛の 物語】

tag ファンタジー コスチューム

『ニーベルングの指輪』 RING OF THE NIBELUNGS
2004年・独=伊=英=アメリカ
幾度も戯曲化されている北欧神話を元にしたTV映画。俳優陣が地味に豪華。

 ニーベルングといえばワーグナーの戯曲ニーベルンゲン4部作(19世紀後期『ニーベルングの指輪』)がもっとも名の知れたものでしょう。トールキンの『指輪物語』とその前日譚『ホビット―ゆきてかえりし物語』はワーグナー作品にインスパイアされ、呪われた宝、指輪といった要素が共通しています。が、ワーグナー以前にもこのドラマチックな北欧神話は19世紀を通して幾度も戯曲化され、リライトされ、その後も数多の作家に影響を及ぼしてきました。

 元々は北欧に伝わる古い伝承の類で『エッダ』歌謡集をはじめとした神話・英雄譚的内容の詩です。伝説・伝承なのでそれまで断片的に散在していたものが13世紀に『散文エッダ』としてまとまってきます。同じ頃に『ヴォルスンガ・サガ』や『ニーベルングの歌』も成立しまして、ニーベルング的物語がまとまった形になってきます。

 ということで、本作。ワーグナーの『指輪』後半分を下敷きにしつつかなりのアレンジを加えています。ジークフリート(シグルト、シグルド)とブリュンヒルデ(ブリュンヒルト、ブリュンヒルド)の愛に焦点を絞ってすっきりさせてますお。ただ映画としては長く、184分あります。3時間超!DVD半分見たところで一回エンドロールきたー。TV映画ならでは。これ2回に分けて放送されたのだね。

 うん、これはワーグナー好きにも北欧神話好きにもオススメできるレベル!ゲド戦記のTV映画化ズッコケ『ゲド/戦いのはじまり』とは大違いさ。ひたすらブリュンが格好いいんだぜ!
ニーベルングの指環 [DVD]ニーベルングの指環 [DVD]
ウーリー・エデル
クリスタナ・ローケン

コトノハ
"Now you can be my husband."
(私の夫になっていいぞ)

 ブリュン格好いいなぁ。私の腰のベルトを奪えたなら、体を許しても良いぞ。こんな勇ましいこと、言ってみたいすねぇ。言われる王様のほうは堪ったもんじゃないだろうけどね。そんなブリュンヒルデを演じているのは『ターミネーター3』のターミ姉ちゃんの人、クリスタナ・ローケン。硬質な美貌と、逞しさ、威厳、少しの女らしさが混じり合ってカッコイイよ!本作の一番の見所は彼女です。

どんな映画?
 ライン川に沈む伝説の黄金を巡る物語(ラインの黄金)だけど、そこらへんはあまり触れられず。既に竜のファフニール(ファフナー)が宝の在処を巣にしておるよ。この宝は元々ニーベルング族のもの。ニーベルングをドイツ語起源として解釈し、“霧の子(滅び行く末裔)”という意味だとする説もあるらしい。映画ではニーベルングの一族もちらっと出てきます。彼らが霧っぽい姿なのがまた素敵です。

 人物の設定はかなり変わっていて、ブリュンヒルデがオーディンの娘ではなくアイスランドの女王だったり。でもブリュンの側にはいつもカラスがいる。カラスはオーディンの使いだから、ちゃんとオーディンの存在を匂わしているのが素敵。

 さて、本編。悲しいオープニングののち、爺ちゃんに救われる幼いジークフリート(3歳)。この爺ちゃん(マックス・フォン・シドー)は鍛冶屋なのだけど滅法腕が立つ!カッコイイぜ爺ちゃん!堂々と険を振り回してさー。まるで老師みたい。こうしてジークフリート(ベンノ・フユルマン)は鍛冶屋として育ちます。

 12年後のある夜、隕石が落ちたのを見てジークは現場に向かう。12年後ってことは15、6歳のはずなんだけど、妙に老けているのは大目に見てあげなきゃダメですか?どっちかってーとオッサンなんだけど。どう見てもおっさんな15歳のジーク。一方のブリュンヒルデは予言に従い隕石現場に馬を駆る。出会った2人。超積極的なブリュン。え?( ゚д゚ )ここでイタしますの?早いだろ。って感じに早速結ばれる2人。

 悪い顔したジュリアン・サンズ(ハーゲン/ハゲネ役)が出てきた!と思ったら場面転換して今度はロバート・パティンソンが出てきた!パティンソンは若きグンター王の弟、王子様役。むっさい感じが『トワイライト〜初恋〜』のヴァンパイア役とは違った趣。ていうか、元々パティンソンてむさいよね。むっさーもっさーした雰囲気が北欧神話にピッタリよ!

 グンター王側の人達はけっこう酷くて、みんなでブリュンヒルデを騙して嫁がせたり、クリエムヒルトは媚薬を盛るしで、なんかもう人としてダメな感じなのよね。まあジークも横柄なんだけどさ。神話とか古代の話はこういうロクデモナイ感じが魅力よね。クリエムの浅はかさが笑っちゃうくらい酷いのでいっそ清々しい。

 結婚初夜のブリュンはカコイイ。夫に酷いことするけども、まあそうされて当然とも言えるからね。でもって同じ結婚初夜のクリエムは性格悪くてむかつく。クリエムが殊更に愚かしく黄金と権力の虜のように描かれている映画すな。ブリュンとの対比でわかりやすいっちゃーわかりやすい作りではあるが。私、クリエムのこと結構好きなのにな。本作ではフォローの仕様がないほどのお馬鹿ちゃんです。

 ラグナロクだ、ヴァルハラだと北欧神話用語がたくさん出てくるのが嬉しい。竜のファフニール(ファフナー)、名剣バルムンクとかな。ファフニールの映像はなかなか素晴らしいデキ!TV映画とは思えないぜ。あと鎧や剣がきちんと古代チックで良かった。こういう系のお話はやけに鎧が中世っぽいしっかり洗練されたものだったりすることが多くて興ざめなんだけど。その点バッチリ合格!野性味溢れる!
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俳優は誰?
 主役ジークフリートにはベンノ・フユルマン。おっさん。目の綺麗なおっさん。ヒース・レジャー主演の『悪霊喰』でイーデンを演じた人でした。

その他は上に書いたので省略。

関連作品のようなもの
ニーベルングの指環〈上〉序夜・ラインの黄金、第一夜・ワルキューレ (中公文庫―マンガ名作オペラ)里中満智子が描くワーグナーの『指輪』上下巻。
ニーベルングの指環〈上〉序夜・ラインの黄金、第一夜・ワルキューレ (中公文庫―マンガ名作オペラ)
里中 満智子
ワーグナー 楽劇《ニーベルングの指環》全曲 [DVD]オペラ。DVD7枚組917分!
ワーグナー 楽劇《ニーベルングの指環》全曲 [DVD]
バレンボイム/バイロイト祝祭劇場管弦楽団トムリンソン(ジョン)
図解 北欧神話 (F-Files No.010)北欧神話の概要を掴むのに良い本。
図解 北欧神話 (F-Files No.010)
池上 良太
逃げる (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)逃げる (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
エド マクベイン

毛玉内関連記事:ゲド/戦いのはじまり 【ゲド戦記 映像化するの やっぱ無理】
           崖の上のポニョ
           スターダスト
           パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
           『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃』予告編第2弾

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REC/レック2 【また潜入 前作の謎 明かしつつ】

tag ホラー パニック サスペンス スプラッター 動画付き ゾンビ

『REC/レック2』 [REC]2
2009年・スペイン
ゾンビっぽいオカルト映画。スパニッシュ・ホラー『REC/レック』続編。

 前作は何もわからないままに飛び込んだホラー・マンション的な、ビックリハウス的な演出で非常に恐かったのです。観ている間中ビクンビクンする臨場感系ホラーとして面白かったのでした。ただ、見終わると何も残らないっていうか、アレはおかしくね?とか思い始めてしまう。

 でもって、続編の今作。やっぱりビックリハウス的臨場感系ホラーなんです。でもネタがばれてるというか、やり口を知っているから、前作ほどの怖さはなかったです。そこをうまく利用して、前作と似たようなシーンを作りつつ展開が違っていた箇所もあって、それは良かったよ。

 前作のカメラマン=パブロを担当したパブロ・ロッソさんが、今度は特殊部隊のカメラマン=ロッソとして登場。今回も姿は見えず。

 映画館のスクリーンが小さめで残念だったので、もしかしたら家でTVにかぶりついて観た方が恐いのかもしれないと思った。ちなみに新宿のシネマスクエアとうきゅうで観てきた。ミラノ座んとこ、アノ辺りの映画館行ったの超久しぶり!『スクリーム2』以来かなぁ…( ゚д゚ )10年以上経ってる?!
rec2
どんな映画?
 前作のアンヘラちゃんが闇に引きずり込まれるのを暗視カメラ視点で見た、まさにその後から始まります。故にオープニングはアンヘラちゃんの胸の谷間がたのしm(略。さて、カメラが切り替わり、特殊部隊4人チームが件のアパートメントに向かう車内に。むさい。そして“博士”と呼ばれる男と共にアパートに潜入するのであった。

 この博士はいろいろ知っている様子で、まず「空気感染はしない」と言ってガスマスクを外させる。そして、感染の原因となった何者かが潜む最上階に、かなり早い段階で辿り着く。そこで前作でハッキリしなかったアレコレがかなり明確に示されます。だから、前作でもやもやした人は観た方が良いですよ!

 私が不思議に思っていた、窓から飛び降りちゃえば良いのに的なアレは、今回見事な演出をしてくれたので満足です。なんかもう全体的に容赦ねぇさ。特殊部隊と博士のチームの他にも、悪ガキチームが出てくるのね。この子達のエピソードの方が面白かったのよ。とりわけ窓辺の一件、「頭を撃て」の一件は秀逸。ところで、映画終了後、もっとも気になったのがこの子たちのことだったわ。あの二人はどうなるのさ?

 かなりオカルト寄りな内容なので、これはもはやゾンビと言ってはいけないような気もするのだが。血液と唾液で感染するってのがゾンビ臭いからまあいいか。っていうか、ゾンビを無理矢理オカルト方面に持ってった感じなのかね。あまり深く考えず、驚いたり唖然としたり怖がったりして楽しむ映画だよ。楽しめ、楽しめ。

自分メモ:
・メディロスのパンツいっちょ姿に笑ってしまった。
・エアダクトのシーンが恐かった。子供は恐い。
・神父「虫に刺されたのが気になる」(録音テープより)
・ラストは、まあそう落ち着くよね的。
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関連作品のようなもの
REC/レック スペシャル・エディション [DVD]前作。驚かされ怖がらされる。アンヘラちゃんに癒される。
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マニュエラ・ヴァラスコ: フェラン・テラッツァ
レック/ザ・クアランティン [DVD]前作のハリウッド・リメイク版。ヒット作はなんでもリメイク!
レック/ザ・クアランティン [DVD]
ジェニファー・カーペンター; スティーヴ・ハリス
REC DVD-BOXREC DVD-BOX
酒井香奈子; 保村真

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きみがぼくを見つけた日 【消えてゆく もう待たないで 僕のこと】

tag SF 恋愛映画 動画付き

『きみがぼくを見つけた日』 THE TIME TRAVELER'S WIFE
2009年・アメリカ
オードリー・ニッフェネガーの2003年のベストセラー小説を映画化。タイムトラベル恋愛モノ。

 SFっぽい設定は使っているのだけど、バッチリ恋愛映画です。割と普通の恋愛映画。さすらいのタイム・トラベラー=ヘンリー(エリック・バナ)は6歳の頃からタイムトラベル病に罹ってしまった。いつ何時、違う時間帯に飛ぶかわからない。まるでコントロールのきかない困った病気。そんなヘンリーと、子供の頃から彼を知っていると言うクレア(レイチェル・マクアダムス)の、二人の切ない愛の物語。

 原作は読んでいないんだけど、主人公二人にスポットをあてるため、サブプロットは思いっきり削ったらしいです。原作では登場人物ももっといて、複雑な人間関係なのらしい。まあほら、映画はたった2時間弱だからそんなにアレコレ描ききれないからね。

 邦題はまたしても文章になってる系ですね。でも内容を考えたら妥当な邦題だと思います。うん、よく頑張った。原題は“時間旅行者の妻”って直球勝負。アメリカ映画のタイトルって、直球だったり具体的な名前だったりすることが多いですよね。
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コトノハ
"I'm the big bang!"
(私がビッグバンね!)

 コントロールはできない時間航行能力だけれど、幾度も同じ時代・場所に引かれることがあるという。ヘンリーが何度もクレアに会いに行っていることから、クレアは自分が引力の元みたいね、という意味でこんな台詞を。

どんな映画?
 基本、ハインラインの『夏への扉』路線。過去は変えられず、起こったことは未来の自分が過去に行って行動した結果だったりもする。だからタイム・パラドックスは起こっていない。

 ヘンリーが“現在”から消えて別時間に行くと、その別時間で過ごしたのと同じだけの時間が“現在”でも経過している。ヘンリーは消えた次の瞬間に戻ることができないのですね。別時間で3時間過ごしたら、ヘンリーは消えてから3時間後の“現在”に戻ってくる。その間、彼は“現在”からは消えてしまうのだ。故に、ヘンリーの妻は突然いなくなる彼を待ち続けなければならない。

 こういう恋愛モノは大抵ヒロインがビッチだったりするものだけど、この映画は違う!そこが好きだなぁ。クレアの一途さ、まっすぐさ、辛くても彼への愛を捨てられない葛藤が、とても素直に共感できる。最近のヒロインは他の優しい男に目移りしたり、男を試したり、なんだかズルいのが多くてゲンナリするのよね。私はやっぱりクレアみたいなタイプが好きです。

 オープニングで6歳のヘンリーが初時間旅行をする直前のシーン。オペラ歌手の母親が歌っているのはドイツのクリスマス・キャロル"Es ist ein Ros entsprungen"(若芽が萌えいで)。美しいメロディに温かい母の眼差し、そしてクリスマス。素敵なシーンです。

"Es ist ein Ros entsprungen"


 クリスマスと言えば、彼らの新居の居間に飾ってある絵に「クリスマス商戦」て書いてあったわね。このシーン、予告編にも出てきて笑ったけども。笑うシーンじゃないっす。アメリカ人にとっては、ああいう文字がカッコイイのかしらね。まあ日本でも変な英語をフィーチャーしたTシャツとかあるけどさ。

 歌うことで自分を“現在”につなぎ止められる、と言う人も出てくるこの映画。だけど、ヘンリーは子供の頃から歌うのが苦手。これを考え合わせると、ヘンリー母さんはもしかしたらタイムトラベラー?歌うことでコントロールしていたのかも?なんて考えましたよ。だって遺伝みたいだから。

 最後に、この映画のストーリーをまるっきり理解できなかったプロの映画評論家をご紹介して終わりにします。驚くほど全くストーリーを追えていません。観た人は読んでツッコミいれて楽しんでください。リンク先はネタバレ過ぎるので、未見の方は注意!

引用:
一方でクレアの現在の記憶も一貫していない。ヘンリーが過去にタイムトラベルするたびに、関わった人たちの記憶が少しずつ書き換えられ、何が真実なのかがまったくわからず不安定な気分にさせられる。

 ( ゚д゚ )え?そういう話じゃないでしょが。あ・ぜ・ん!この人の批評はいつもズレてたり理解できてなかったりするので、自分の観た映画をこの人がどう書いているか読むのがある意味楽しみなんです、いつも。いやぁ、今回は酷過ぎたので皆にも知ってもらいたくて!
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俳優は誰?
 哀愁のヘンリーを演じたエリック・バナは最近パッとしなかったのが本作で取り返した感。『スター・トレック』の悪役も冴えなかったよなぁ。むっさい男臭い役が似合うよね。

 可愛いヒロインのクレアを演じるレイチェルは、本当にイキイキしていてくりくりして可愛い過ぎる!ピュアな雰囲気があって良いですよな。『きみに読む物語』では少しビッチでしたが、基本一途な女の子でしたね。うん、透明感あるから、汚れ役はまだ似合わないかも。それにしてもベッドから起き上がって座った彼女の背中!背骨がボコボコに浮き出てましたね!痩せすぎ!すごく驚きましたよ。

関連作品のようなもの
きみがぼくを見つけた日 上巻 (ランダムハウス講談社文庫)原作小説、文庫本上下巻。
きみがぼくを見つけた日 上巻 (ランダムハウス講談社文庫)
きみがぼくを見つけた日 下巻
オードリー・ニッフェネガー
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