猫の毛玉 映画館

映画感想文を体内で丸めて吐き出す。

運命のボタン 【行動の 全てに伴う 責任を】

tag サスペンス ミステリ ヒューマン SF

『運命のボタン』 THE BOX
2009年・アメリカ
リチャード・マシスンの短編小説『死を招くボタン・ゲーム』"Button, Button"映画化。

 これは面白かったですよ!好き嫌い別れると思うけど、私は好き。良い映画です。途中から予想もしなかった方向に話が転がり、ヒューマニズムと反復を示唆する哀しいラスト。前半で得た情報を元に、頭の中で出来事の背景を推理しつつ観たけど、かすりもしなかったわ。あれ、ソッチなんだあ!という驚き。

 1986年のTVシリーズ『新トワイライト・ゾーン』でも同じ原作が映像化されてまして45話『欲望のボタン』(原題"Button, Button")がソレ。日本ではDVD化されていないようで、VHSしかありませんな。どこぞの動画サイトで観られるとか何とか、いいますけど。

 原題は“箱”。直接的にはボタンが収められていた箱であり、抽象的には人間そのものを指す単語として使われています。今日も私達は箱に乗って、家という名の箱に帰り、TVやPCという箱を眺める。最後のは最近じゃあ箱じゃなくて板ですが。
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ウルフマン 【月の夜に 愛すればこそ 銀弾を】

tag ホラー サスペンス スプラッター コスチューム

『ウルフマン』 THE WOLFMAN
2010年・イギリス=アメリカ
古典モンスター・フリック『狼男』のリメイク。

 元祖『狼男』(1941年)をそのままリメイクした本作。約70年前の白黒映画を最新の特殊メイクと撮影技術とちょっとCGIを併せて作ってみたよ!という純粋な作品です。クラシックな怪物ホラーそのものよ。

 昨今流行の完全大型狼に変身するわけではなく、『怪物くん』の狼男みたいに人っぽい狼っぽい何かに変身します。完全狼だと気高く美しいけど、中途半端なこのタイプは怪物としか言いようがなくて一層哀しい。

 今回は話の筋にも触れるので、観る予定があって話を知りたくない人はハイこのページ閉じた閉じたー!オープニングからラストまで、見事にレトロ・クラシックでしたわ。堪能した!
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ウディ・アレンの夢と犯罪 【ここからは もう戻れない 後がない】

tag 犯罪 サスペンス ヒューマン

『ウディ・アレンの夢と犯罪』 CASSANDRA'S DREAM
2007年・イギリス=アメリカ=フランス
ウディ・アレンのロンドン三部作終章。現代のギリシャ悲劇。

 英国ロンドン郊外に住む二人の兄弟―頭の切れる兄イアン(ユアン・マクレガー)とギャンブラーの弟テリー(コリン・ファレル)の夢と犯罪。原題は兄弟が買った中古船につける名前。

 年に一度のウディ・アレンヽ(´ー`)ノとは言いつつも、日本公開されなかったりしてヤキモキしてました。本作は2007年の作品で、アレンがニューヨークを離れロンドンを舞台にした三部作の最終章です。つまり『マッチポイント』(2005年)『タロットカード殺人事件』(2006年)の次です。観たかったんだ、これ!日本公開ありがとう!

 この後、アレンはロンドンを飛び出して2008年『それでも恋するバルセロナ』(スペイン)を撮り、2009年は古巣ニューヨークに戻り"Whatever works"を撮りました。うん、'09年分は日本公開されてないね。せめてDVDで観たいのものですが。

2010年は再びロンドンに戻り、ナオミ・ワッツを始めスターのアンサンブル・キャストで"You Will Meet a Tall Dark Stranger"を撮り、公開待ちです。アレンの題名の付け方とキャストの豪華さから日本公開も期待できそうですが、どうなりますか。現在は2011年分の撮影準備中。今度の舞台はパリ!珍しく最初からタイトル決めたようで"Midnight in Paris"と題されています。フランス大統領夫人やらマリオン・コティヤールやらレイチェル・マクアダムスオーウェン・ウィルソンキャシー・ベイツなど出演者も凄い面々。今から楽しみです。
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アリス・イン・ワンダーランド(IMAX-3D/字幕版)【運命は 自らの手で 切り拓け】

tag ファンタジー コスチューム 動画付き

『アリス・イン・ワンダーランド』 ALICE IN WONDERLAND
2010年・アメリカ
ティム・バートン監督がディズニーで撮ったファンタジー。

 勿論、元ネタはルイス・キャロル(本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン)の『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』です。これらの小説の元となった『地下の国のアリス』("Alice's Adventures Under Ground")は、キャロルが知人リデルの娘三姉妹とボートに乗っていたときに話して聞かせた物語。次女のアリス・リデル(当時10歳)が気に入って「書いてちょうだい!」と頼んだので、2年後にキャロルはイラスト入りの手作り本をアリスにあげました。いい話!

 さて。観たのはIMAX-3D字幕版でした。わざわざ川崎まで出掛けたさ!川崎109は金曜17時前なのにもの凄く混雑してたよ。劇場もお客さんいっぱいだったし、さすが希少種IMAXだなぁと思いました。でも2,200円なんですよ、鑑賞料(子供1,500円)。IMAX-3D専用前売券なるものだと2,000円で200円お徳だったんですが、それだとネット予約できませんて言われたので買わなかったのよ。

 バートンらしいダーク・ファンタジーであり、ちゃんとアリスらしい要素を詰め込んであり、1本の映画としてのまとまりもある。でもストーリーがどうこうって言うよりもね、単純に映像と狂った雰囲気を楽しみましょう!
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アイガー北壁 【人と人 ザイルに繋ぐ 命の灯】

tag スポーツ ヒューマン 歴史 青春

『アイガー北壁』 NORDWAND
2008年・ドイツ=オーストリア=スイス
1920~30年代に次々と登攀された中でも唯一残された難所アイガー北壁に挑む登山家の実話を元にした映画。

アイガー炊飯ジャー♪たっきったてっ♪ヽ(´ー`)ノ

 はい。1936年、スイスの凍り付く夏。まだ誰も登攀したことのないアイガー北壁に挑む男達と、それを見学するキッチュな記者や金持ち観光客。そして起こる悲劇。

 原題はドイツ語で“北壁”のこと。英語では"north face"になります。

 北壁といえばThe North Face(ノースフェイス)という少々お高いアウトドアブランドがあります。その社名の由来はまさに北壁なのですな。アルプス3大北壁であるグランドジョラスのウォーカー側稜、マッターホルン北壁、そしてこのアイガー北壁が登攀困難のシンボルなので、そこから社名をThe North Faceとしたとのことですよ。困難にチャレンジすべし!ってことですかね。

 監督インタビューや登山用語解説、歴史的背景などは公式ページに詳しいので一度読むと良いと思います。ただ、実際に起こったことを元にしているのでネタバレ上等だから、ストーリーを知りたくない人は読んじゃダメ!一方、私の感想文はそんなにネタバレないのでどうぞ読んでいってくださいな。

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ベンノ・フュルマン ほか

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新しい人生のはじめかた 【秋深き この地を歩き 希望燃ゆ】

tag 恋愛映画 ヒューマン 動画付き

『新しい人生のはじめかた』 LAST CHANCE HARVEY
2008年・アメリカ
熟年ロマンス×英米文化。

 原題は“ハーヴェイ最後のチャンス”。人生なにもかも、あとがない感じのハーヴェイ(ダスティン・ホフマン)が、娘の結婚式に参加するために英国旅行。ロンドンで出会ったケイト(エマ・トンプソン)と話すうちに元気をもらう話。

 この二人の役者だからこそ、素敵な映画になったんだと思います。多くを語らずとも歴史が透けて見えるような演技だから。これ、へたな役者がやったら薄っぺらい恋愛映画にしかならないよ。
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インビクタス/負けざる者たち 【復讐は 何も産まぬが 赦しこそ】

tag ヒューマン スポーツ 政治 歴史 動画付き

『インビクタス/負けざる者たち』 INVICTUS
2009年・アメリカ
南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ元大統領伝記映画。

 マンデラさんといえば名高き反アパルトヘイト(人種隔離政策)の騎士。マンデラさんについて映画を作ろうとしたら、何時間あっても足りないような生ける伝説。それをクリント・イーストウッドはうまく纏めた!といっても原作本はあるんです。ジャーナリストのジョン・カーリンがマンデラさんの全面的協力を受けて書き上げたノンフィクション『インビクタス~負けざる者たち』(原題"Playing the Enemy: Nelson Mandela and the Game That Made a Nation")がソレ。

 映画は1995年のラグビー・ワールドカップを巡るマンデラさんの暗躍にフォーカスをあて、枝葉は思い切って削ぎ落としたシンプルなドラマとなっています。

 オラ、ラグビーとアメフトの違いわっかんねぇな!と悟空が言ったかどうかはわかりませんが、私は違いのわからない女。知らなくても映画は楽しめます。ニュージーランドに住んだことあるからオールブラックス(世界的に人気のあるニュージーランドの最強ラグビーチーム)はよく存じ上げておりますよ。カマテカマテ!(ka mate=死)カオラカオラ!(ka ora=生)

 タイトルは"invincible"(=無敵の、揺るぎない)のラテン語形。映画で描かれるとおり、19世紀英国の詩人ウィリアム・アーネスト・ヘンリーの短い詩の題。詩人ヘンリーは12歳の頃病魔に冒され左足の膝下を切断する悲劇にあいました。子供が片足を無くし、皆と遊べなくなるのはどれほどの孤独だったろう。

※詩"Invictus"原文はコチラ⇒Invictus (ポエムハンター)

 当ブログでも『チェンジリング』『グラン・トリノ』『ミリオンダラー・ベイビー』と書いてきたイーストウッド監督作。どこか冷徹なカメラワークと、語りすぎない演出と、言いたいこと以外には重きを置かないシンプルさが好きです。毎回違ったテーマ(信念、贖罪と救済、尊厳死など)をグサリと抉るように描くスタイルも好きです。次回作はマット・デイモン主演のスーパーナチュラル・スリラー"Hereafter"2010年12月に米国公開予定!何でも死者とコミュニケーションできる男の話らしいよ。
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アバター(3D・字幕版) 【失われた アメリカの過去 別の未来】

tag SF アクション ファンタジー 戦争

『アバター』 AVATAR
2009年・アメリカ=イギリス
ジェームズ・キャメロン監督12年ぶりの映画。3Dイノベーション的SFアクション。

 キャメロンが『タイタニック』以来12年間何してたかって言うと、3D技術を研究してた。まだ55歳なのに随分老け込んでしまった姿をこないだNHKのクローズアップ現代ってTV番組で観た。

 製作費はなんと史上最高値の$280m(約280億円)と言われてマッスル!全米公開週末興業(12/18夜~12/20まで)だけで世界興収$232mとのことで、これなら利益が確保できそうで安心です。あと$350mぐらい稼げばトントンぐらいでしょうか。まあ正直、思ったよりスタートに勢いがないなぁと。だって3D割増料金で単価高いはずなのにこのレベル?でもキャメロン的にはゲームだのキャラクター商品だので儲かるから充分ですよね。それにこのままじわじわ興収伸びそうだし。日本公開始まった今週は相当稼いでるはずだし。来年はDVDたくさん売れるだろうし。
※12/28追記:12/27までの世界興収 $617m(約600億円)
※1/4追記:1/3までの世界興収 $1,022.3m (10億2230万ドル! 約1千億円!)


 さて。有楽町界隈では日劇で3D上映してます。けどもね。なぜか字幕版オンリーなのよね(12/25現在)。だもんで日劇の迫力大画面で、字幕で観てきました。結論だけ言うと、これを3Dで観るなら吹替がオススメ。字幕翻訳はどうせ戸田さんですしね。

 でもって、3Dで観るならお得な鑑賞料金のときに行くべき!映画館によって違うから、最寄りの映画館の3D料金体系をしっかり調べとこう!私はtohoのポイントたまったので無料鑑賞+3D代300円。我が戸籍筆頭者さまは前売り券1300円+3D代300円。2人併せて1900円で観れちゃったよ。前売り券はロードショー始まってても昨今では街のチケット屋さんで普通に売っているので、超お勧めです。有楽町界隈なら交通会館の1階にあるチケット屋さんが便利ですよ。ただし前売り券の扱いは映画館(チェーン)ごとに異なるので、差額分全部払わされる映画館もあるから注意。

 気になるのは、3部作化したいとのキャメロンの意向ですが。今回の衛星パンドラから他の衛星に舞台を移して続けたい、と仰っています。今回の主人公2人組を中心に据えて。なんにせよ、作るにしてもあと3~4年かかっちゃうわけですから、当分はこの世界の新作映画は観れないでしょう。ゲームはでてるけどね。PS3で。

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ゾーイ・サルダナ

※今回はまず映画内容についての感想を書き、次のセクションで各種3D方式について、その次のセクションで今回観たXpanD方式の感想を書いていきます。読みたいとこだけ読んでいってくださいまし。

IMAX-3D版の感想⇒IMAX-3Dで『アバター』(吹替版)を観てきたのでアレコレ
青い人になれるサイト紹介⇒今日からあなたもナヴィ!Let's アバター!
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あなたは私の婿になる 【触れてみる 孤高の人の 心の裡】

tag コメディ ラブコメ 動画付き

『あなたは私の婿になる』 THE PROPOSAL
2009年・アメリカ
サンドラ・ブロック久しぶりのラブコメ。年の差パワハラ婚活。

 ブロック姐さん、ここんとこパっとしなかったので期待してたのよ。映画のストーリー自体はまったく平凡で特にコレといったものがなかったです。にもかかわらず、やっぱブロック姐さんはコメディですよ!あの表情はどうだ!と思わせてくれたのでOK。

 原題は“求婚”つまりプロポーズのこと。なおかつ、ビジネスライクに提案とか企画案とかって意味もある。だから、上司命令で結婚するというトンチキな設定を巧く言い表したタイトルなんですね。上司からの提案=プロポーズである、と。それがどうだ、この邦題。最近タイトルを文章っぽくするのがトレンドなのか、なんだか脱力しちゃう邦題。かといって『プロポーズ大作戦』じゃあアレだしな。

ちなみに公式サイトではこの映画のこと『あな婿』って略してる。(´Д`)てかURLがana-muko。

 んで、中年女性×若い男子の恋愛という構図の映画が増えてきた昨今。もうすぐ公開されるキャサリン・ゼタ=ジョーンズ主演の『理想の彼氏』もそんな映画の一つ。ゼタ姐さんは美しいから、それだけで説得力あるな。年をとってきたらダイアン・レインに似た風貌になってきて、これまた好ましい。
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(ソフト化の際、婿→ムコに改題)
サンドラ・ブロック
ライアン・レイノルズ

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男と女の不都合な真実 【ありきたり 下品さ全開 ラブコメディ】

tag コメディ 恋愛映画 ラブコメ 動画付き

『男と女の不都合な真実』 THE UGLY TRUTH
2009年・アメリカ
男は股間で、女は頭で恋愛をする。

 よくある男と女のすれ違いコメディで、そこには斬新さも新たな“真実”もない。ついこないだ上映してた『そんな彼なら捨てちゃえば?』の中のジジ&アレックスのエピソードと相似形。あちらの方がアンサンブル・コメディな分、人生模様を描けていたけれど。コチラは自信過剰なヒロインが頑張ってビッチぶる姿が痛い、白けるラブコメな残念感。

 原題は“醜い真実”で、映画中でも何度か台詞に出てきました。真実はいつだって醜いものさ、とうそぶくけれど、そんな大したこと言ってないのよね。登場人物がまだ20代前半とかなら良いけど、どう見ても30代でしょ。30代にしては物事を知らなすぎるだろ、と。
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ジェラルド・バトラー
キャサリン・ハイグル

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