猫の毛玉 映画館

映画感想文を体内で丸めて吐き出す。

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幸せの始まりは 【恋愛に 悪者なんて 必要ない】

tag コメディ ラブコメ

『幸せの始まりは』 HOW DO YOU KNOW
2010年・アメリカ
30代、人生に行き詰まった女性の前向きコメディ。

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監督:ジェームズ・L・ブルックス
出演:リース・ウィザースプーン、オーウェン・ウィルソン、ポール・ラッド、ジャック・ニコルソン

 ベタベタのロマコメかと思いきや、これが素直に楽しいアメリカン・コメディ!台詞で説明するよりも、表情・仕草・間で表現してくれる。『フレンズ』のようなシットコム(シチュエーション・コメディ)が好きなら、きっと楽しいよ。たくさんワロタ!



 リース・ウィザースプーンがソフトボール選手、オーウェン・ウィルソンがメジャーリーグ選手という役所!リース演じるリサは年齢を理由に戦力外通知、ウィルソン演じるマティはそんな彼女に「僕に限っては年齢で引退なんてないね」と無神経なことを飄々と言う。けれど、愛嬌があって憎めない。その無神経さも彼の魅力のうち!

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 落ち込みながらも人生を立て直そうとするリサ。この前向きさ、気丈さが凄い。アスリートだけあって、メンタル面強いわけだ。もちろん、その強さも彼女の努力の賜。だって、自宅の鏡にたくさん自己啓発メモが貼り付けてあるんだもん。普段から相当努力してるね、この人。(と思わせるディテールが素晴らしい)

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 このアスリート・カップルに絡んでくるのがラッド演じるジョージ。仕事で人生最悪の落ち込み期到来。ジョージの父をちょっとチャビーなジャック・ニコルソンが愛嬌たっぷりに演じている。この4人のコメディ演技が素晴らしく、妙な間や居心地の悪さに大笑いした!ロマコメ、というより、アメリカン・コメディ的な笑いのツボ。

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 さて、原題は"How do you know"。どうやってわかるの、という意味。恋に落ちたとき、どうしてそれが本物だってわかるの?この人だ!って、どうしてわかるの?マティのチームメイトは「本命が出来たら、彼女以外にはコンドームを使うようになる」なんて言ってますが。その人のことをつい考えてしまったり、もっと一緒にいたかったり、一緒にいて心地よかったり、いろいろですよね。

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 有り体に言えば三角関係、ドリカム編成なわけだけど。これは下手すればビッチ。けど、リサの誠実さのお陰で嫌みなくまとまっている。後味も爽やかな、楽しい映画に。

こういう三角関係ものって、誰かが悪者にされることが多いですよね。でも本作は、誰も悪くない。3人とも一生懸命に人を愛して、頑張って生きている。弱ったリサが二人の間で揺れる気持ちも理解できる。3人ともまっすぐ、なんだ。そして、その結末にも、恋の不思議さというか論理で割り切れない言葉に出来ない思いがきちんと描かれていた。誰かが悪いのではなく、嫌いなのでもなく、終わって始まる。彼が“その人”だって、どうしてわかるの?そんなことは明確に言い表せるものじゃ、ない。恋って、そういうもの。
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関連作品のようなもの
バンビ [Blu-ray]「バンビみたいな目で見ないでよ。」確かにつぶらな瞳です、ラッド。
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ディズニー
クレイマー、クレイマー [Blu-ray]「この映画を見て母さんは家を出た」って。その後リサがこれを観てます。
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ジェーン・アレキサンダー、ジャスティン・ヘンリー 他

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ソーシャル・ネットワーク 【やってやる! この世の仕組みに 挑戦だ】

tag ヒューマン 青春 法廷

『ソーシャル・ネットワーク』 THE SOCIAL NETWORK
2010年・アメリカ
SNS最大手、Facebook創設を題材にしたITオタクの青春・友情・訴訟もの。

 監督はデヴィッド・フィンチャー。実話を基にしたサクセスストーリーであり、青春物語。これは、Facebookが受精し着床し分裂し、巨大な有機生命体に育つさまを描いている。人生の皮肉、悲哀、人の性(さが)、夢の実現・・・そんなものが描かれた映画。Facebookに興味がなくても、この人間ドラマは面白いから観たら良いよ!

映画タイトルには皮肉が込められていると思う。"social network"=社会的繋がり・社会のネットワーク。創設者のマーク・ザッカーバーグは、ネット上で社会的繋がりをシステム化した。でも現実に彼が求めたもの、だけどうまく入っていけないもの、それが社会のネットワーク。作ったものとは裏腹に、彼は社会から浮いている。映画のラストシーンがそれを如実に物語っていて、ユーモアたっぷりでありながら哀しい。自分もネットワークの一員になりたいのだ、と淡々とキーを押すのだ。
(ひいては私たち自身のディスコミュニケーションを皮肉っているともいえる)

 ベン・メズリックのノンフィクション小説『facebook』が原作。この本は、Facebook創設者マーク・ザッカーバーグ本人には取材拒否されたため、関係者―特にエドゥアルド・サヴェリンと双子のリンクルボス兄弟―に取材して書かれたもの。ザッカーバーグはこの映画を観て「事実に忠実なのは服装だけだけだね」と感想を言った。

ソーシャル・ネットワーク (デビッド・フィンチャー 監督) [DVD]ソーシャル・ネットワーク[DVD]
監督:デビッド・フィンチャー
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、アーミー・ハマー、ルーニー・マーラ、ジャスティン・ティンバーレイク

友情、ビジネス、自己実現、孤独・・・。何かデカイことやって世の中変えてやる!そういう話です。キャストは若手実力派がそろい踏み。将来、幻の映画と言われるかもね。



 いやあ、良い映画だった!ヽ(´ー`)ノまず彼女(ルーニー・マーラ)と口論になるオープニング・シークエンスで、ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)の天才ぶりを見事に印象づける。天才の人は普通に会話できないからね。現実の彼がどうなのかは不明だけど、映画の中では天才型。凡人には理解できないし、ついていけない。

彼の天才ぶりは、訴訟沙汰になっても気にとめないあたりにも表れている。Facebookを成功させること、世界に広げること、それしか関心がないのだ。そして、天才の身近にいる人たちは傷つけられるのが宿命。天才に悪気はない。映画で描かれる彼は見事に典型的な天才!それはもう、仕方ないなって思うぐらい。

 主軸はザッカーバーグがFacebookを立ち上げ大きくしていくこと。そこにハンサムな双子兄弟や、彼女だったエリカのエピソードが深く関わる。でも何より、相棒として最初から一緒にやってきたエドゥアルド(アンドリュー・ガーフィールド)との関係のシフト、途中から参加したナップスター創設者ショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)への心酔。これが面白い。三角関係のようなハラハラ感がある。いや、ビジネスだけど。

特にショーン・パーカーへの心酔ぶりはわかりやすい。世界を変えられる、変えてみせる、と音楽業界に喧嘩をうって変革に成功していたショーン・パーカー。ザッカーバーグにしてみれば自分と同じ感覚を持ち、世の中の仕組みを変えてやりたい気持ちも一緒で、その上パーカーには実績があった。憧れるし、目標にもするし、崇拝すらするだろう。その気持ちは最終的にパーカーのヘマですーっと冷めるにしても。

 ところで本物のパーカーはこの映画を観て、自分とはまったく違う人物に感じたという。彼はシリコンバレーのITオタで、あんな派手な女性関係はありえないから。でもまあ、映画でのパーカーはカリスマ性があって魅力的で、そのくせどこか気弱なとこがあるリアルな人物だった。演じたジャスティンは元々歌い手さんで、それが音楽業界を凹ましてやったパーカーを演じているのも皮肉が効いている。ジャスティン、役者として評価されたので今後が楽しみですな。

 ザッカーバーグを金に汚いという人もいる。でもこの映画を観たら、そうは思えないはず。金よりも夢の実現に全力な姿が描かれているから。ヤフーやマイクロソフトに天文学的な値段でFacebookを売却することもできたのに、そうしなかった。それが、彼が単なる金の亡者ではない証拠(しかも稼ぎの半分を寄付にまわしているんだ、彼は)。社会を“見える化”すること、公正な世界を築くこと、ザッカーバーグはそんな理想を実現するために仕事をしている。

 ただ、映画の内容がすべて事実と思うのは間違っている。あくまでも実話を基に脚色した映画作品なのだから。現実との大きな違いの例をあげると。実際のザッカーバーグにはハーバード在学中から一緒の恋人プリシラ・チャンがいて、映画で描かれたようなエリカへの腹立ちやかすかな復讐心はあり得ないこと。映画がエリカに始まりエリカに終わるのは、まとまりがあってドラマ性があって素晴らしい。でもそれは事実ではない。
※追記:エリカは"自分を受け入れない社会"の象徴かな、と思います。冒頭で会話して拒絶され、中盤に和解しようと近づいて受け入れられず、最後には一方的に繋がりを求める。

 事実かどうかは置いといて、鶏のエピソードに大笑いしたよ!居心地の悪いユーモアがあちこちに散りばめられていて面白いんだ。ショーン・パーカーとの初会食シーンも、ザッカーバーグが1人だけ頷きまくってるのが妙に可笑しい。



 キャストについても言いたいことは多々あるものの、この2人にだけ触れておきたい。

 エドエゥアルド役のアンドリュー・ガーフィールドは新スパイダーマン・シリーズで主役を務める男!彼の繊細さ、翳りはとても魅力的。レッドフォード監督の『大いなる陰謀』でレッドフォードとサシで会話する学生役、『Dr.パルナサスの鏡』で道化役、3/26公開の『わたしを離さないで』と着々と良い俳優になってます。(『わたしを離さないで』の日本版予告編を観てはイケナイ!楽しみが減る!)

 エリカ役のルーニー・マーラは、フィンチャーの次作『ミレニアム』3部作のハリウッド・リメイク版で主人公の1人リスベットを演じます。パンクな天才ハッカーですよ。今度は彼女が天才だ!
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関連作品のようなもの
facebook映画の原作となった本。ザッカーバーグ本人に取材は出来なかった様子。
facebook
ベン・メズリック
フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)こちらの本はザッカーバーグに独占取材して書かれたもの。
フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
デビッド・カークパトリック
ラス・ヴェガスをブッつぶせ!原作者メズリックは実話ベース映画『ラスベガスをぶっつぶせ』の原作者でもある!
ラス・ヴェガスをブッつぶせ!
ベン・メズリック

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ザ・タウン 【脱けられない この地に根ざす 強盗団】

tag 犯罪 サスペンス アクション 恋愛映画 ヒューマン

『ザ・タウン』 THE TOWN
2010年・アメリカ
ベン・アフレック監督&主演。チャック・ホーガン著『強盗こそ、われらが宿命』映画化。

 これは凄く良い映画ですが、ラストがどうも好きじゃなかった。ユーモアあり、緊張感あり、迫力のカーチェイスと銃撃戦ありで完璧なんだけど!前半が少々退屈なのと、ラストのもやっと感が惜しい!この点は後ほど詳述。そんなアフレック監督長編映画2作目。本作が評価されて続々と大きな作品の監督をオファーされていますよ。アフラック、ニャフラック!

 キャストには先日(2011/1/2)癌で亡くなった名脇役ピート・ポスルスウェイトも。町の裏社会の顔役、花屋の役ですよ。あと、『ハート・ロッカー』のジェレミー・レナーが、強盗団のメンバー且つ主人公ダグ(ベン・アフレック)の親友ジェムを演じています。さすがに身のこなしがクール!見た目はとっつぁん坊やみたいだけど。

Ost: the Townthe Town オリジナル・サウンドトラック
監督:ベン・アフレック
出演:ベン・アフレック、ジェレミ-・レナ―、レベッカ・ホール、ジョン・ハム、ブレイク・ライヴリー、クリス・クーパー

強盗多発地帯ボストンはチャールズタウン。強盗を生業とする男たち。それは家業として、父から息子に受け継がれた。

コトノハ
"I will see you, this side or the other."
(また会えるさ、この世かあの世で)

 the other sideといえばあの世のこと。レッチリ(Red Hot Chili Peppers)の歌で"Otherside"っあるよな!アレ大好き!それはともかく、この台詞カッコイイな。最初ダグの父ちゃん(クリス・クーパー)が言う台詞で、のちにダグも使う。


 チャールズタウンのアイリッシュ系強盗団。そのリーダー、ダグ。町の犯罪を取り仕切る花屋のもと、今日もせっせと強盗を働く。無音警報機を使われて仕方なく銀行支配人の女性クレア(レベッカ・ホール)を人質にとり逃走。ソツなく彼女を解放し、無事に仕事を終える。

画像はコチラのダウンロード壁紙から。
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 アイリッシュ系だけあって、聖パトリックデーの象徴である緑のクローバー(シャムロック)がいたるところに見えます。そんな細部へのコダワリも楽しい。

 映画の前半1/3ぐらいはね、ちょっと退屈でした。銀行強盗シーンなんか臨場感あって良かったんだけど、ダグとクレア(レベッカ・ホール)が仲良くなっていくあたりは正直タルイ。といっても、ノンベンダラリと話が進むわけでなく、要所要所オモシロやハラハラが挟まってて飽きさせない。ジェムの首のタトゥーを気にするダグとか面白かったよ。

TT_WPs1600_NB_001[1]

 そして尼僧のコスプレ(↑画像)で次の強盗を終え、逃走するときのカーチェイスが大迫力!スピード感のあるブレ、車載カメラのようなアングルでキューっとカーブを曲がる緊張感!とにかく凄い!ここから話はノンストップで一気に面白く転がっていくよ!終盤の銃撃戦も凄い。

 私は強盗ものとかギャング、マフィアものの映画があまり好きではないのだけど。だってワルイじゃん。でもこの映画はワルイけれど、ワルを持ち上げていない感じが好き。抜けだせない犯罪世界のしがらみ、友情、そんな悲哀がきちんと描かれていた。特に危ないキレ・キャラのジェムが、途中で友達思いの結構良いヤツだと判るあたりは好き。ワルはワルだけどな!

 あと、ユーモア分がかなりツボ!逃走して車から降りた瞬間、尼僧姿のまま見つめ合ってしばらく固まってるシーンは爆笑!緊張感の続いた後にこうやって笑いが置かれていると、それがヌケになって疲れずに観られる。

 ちなみに最後にバッグを開けたときフルーツが出てくる、アレ。オレンジだかタンジェリンだかの柑橘はフロリダが名産地で、それにちなんでるワケですな。手掛かりを残しといた、と。

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 さて。原作があるわけですが。アフレックは原作に忠実に作りたかったようで、最初の完成試写ではなんと4時間の作品だったとか!長ぇぇよ!当然カットしてくれと言われますわな。次に出来たのが2時間50分版。それもまだ長いわな。で、2時間10分以内に収めてくれとスタジオに言われて、この2時間8分の映画が出来たと。完成品の人物描写の掘り下げが足りなく感じるのは、このカットにカットを重ねた結果みたいね。

DVD/BDのエクステンデッド版がリリースされて、そちらは約25分長い2時間半になっているとのこと。日本版もこの長いの、出るかしら?観たい!

 映画のラストは何か締まりがない感じでモヤっとしてたのだけど、原作のラストとは違うのだそうだ。原作は映画よりも哀しいラストとのこと。その哀しい展開のラストも撮影したけれど、試写で観客に不評だったので却下されてしまった。さすがアメリカン。あんまり鬱エンドは受け容れられないのよね。わしゃ、原作と同じラストで観たかったニャー。

原作ではクリスタ(ブレイク・ライヴリー)の幼い娘は誰の子なのか明らかにされているとのことなので、読んでみるのも良いかも。
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関連作品のようなもの
強盗こそ、われらが宿命(さだめ)〈上〉 (ヴィレッジブックス)原作本は上下巻。本の原題は"Prince of Thieves"で強盗団の王子!
強盗こそ、われらが宿命(さだめ)〈上〉 (ヴィレッジブックス)
チャック ホーガン
強盗こそ、われらが宿命(さだめ)〈下〉 (ヴィレッジブックス)映画とは違う結末!
強盗こそ、われらが宿命(さだめ)〈下〉 (ヴィレッジブックス)
チャック ホーガン
CSI:科学捜査班 シーズン1 コンプリートDVD BOX-1犯罪に詳しいのね、と言われたダグはCSI全部観てるから!と返す。
CSI:科学捜査班 シーズン1 コンプリートDVD BOX-1
エリック・スマンダ、ロバート・デヴィッド・ホール 他
フリントストーン/モダン石器時代 [DVD]仕事を尋ねられたダグは石工だという。フリントストーンみたいさって。
フリントストーン/モダン石器時代 [DVD]
ジョン・グッドマン、ハル・ベリー 他

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スプライス 【モンスター 人の心に 棲まうもの】

tag SF ホラー サスペンス

『スプライス』 SPLICE
2008年・カナダ=フランス=アメリカ
ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の遺伝子操作SFサスペンス!

 『CUBE』ヒット後、2000年に製作しようとして予算の都合で実現しなかった。それがやっと作られた。そしてようやくの日本公開!待ってたよ、ナタリ!製作総指揮にはギレルモ・デル・トロ、ドン・マーフィー、ジョエル・シルバー等大物が名を連ね、主演は素晴らしい演技者エイドリアン・ブロディサラ・ポーリー。凄いぜ。かなりエグイ場面もあるけど、だからこそ他にはない映画になっていると思う!

 タイトル"splice"は接合、つなぎ合わせること。ここではDNAやRNAを接合して、遺伝子操作を施した新生物の誕生を意味している。ヒトのDNAと動物のDNAを掛け合わせた生物を造りだし、そこからアルツハイマーや癌の治療薬の元となるタンパク質化合物をとれたら…。という科学的探求。もしくは私的欲求。

Ost: SpliceSplice オリジナルサウンドトラック

監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ
出演:エイドリアン・ブロディ、サラ・ポーリー、デルフィーヌ・シャネアック

モンスター・ホラーのフリをして、人間のモンスターっぷりを描いた映画



 まずオープニングがカッコイイよ。レントゲン写真がバシバシ出てくるのだけど、ワーナーブラザーズのロゴマークやダークキャッスルのロゴマークもレントゲン写真様なの。ワーナー映画は、大体映画に合わせてロゴの雰囲気を変えてくるのが素敵!と、いつも思う。

 ヒトのDNAと動物のDNAを接合して生まれてきた新種のドレン(デルフィーヌ・シャネアック)。彼女を作り上げた科学者夫妻クライブ(エイドリアン・ブロディ)&エルザ(サラ・ポーリー)。この夫婦の名前は『フランケンシュタインの花嫁』のフランケンシュタイン博士(コリン・クライブ)と怪物の花嫁(エルザ・ランチェスター)を演じた俳優からの引用。生命を造りだすことに憑かれ、哀しい怪物を産み出してしまった。この映画に相応しい名前。

 フランケンシュタインの怪物のように、新種ドレンは人の心を持ち、自我が確立していき、愛情に飢えていく。なぜ、私には髪の毛がないの?なぜ私はヒトと違うの?この世に独りぼっちなの?彼女はちっとも悪くない。ただただ可哀相で切なくなる。

今回の画像はココから!
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 エルザが自分の子を産みたがらず、そのくせドレンを我が子扱いする様子は異常だ。エルザの母親のエピソードはチラっとしか語られないけれど、自分が嫌悪していた母親と結局は同じようなことをしてしまっている。まあ、それはよくあること。でもドレンは実験体であり、人間ではないから。より支配的に、子供と言うよりはペット扱いしても誰にも責められない。

溺愛しているのかと思えば、彼女の欲するモノをわざと取りあげたり。自分のコントロール下において、権力を行使し、驚くほど冷酷にもなれる。彼女を傷つけても、実験動物だから構わないというように。母性を満足させながら、自分の好きなように相手の行動を制限できる。エルザこそモンスターだ。

 一方クライブは、最初からこの実験には反対だった。科学的好奇心はあるものの、やはり倫理的に問題があり、何が起こるのか恐ろしいから。早くこの実験を終わらせたいと願いつつ、ドレンを憐れみ、次第に人格を認めていく。でもクライブも、何て言うかちょっと衝動的で、決して人格者ではない。

splice_icon_03_96x96.gif ドレンの孤独と哀しみは、猫への態度によく表れていた。納屋に入ってきた猫に触れ、撫で、抱きしめる。愛すべき小さな存在。でも、エルザに「ペットは良いものよ」と言われたとき、猫と自分を同一視して猫を憐れむのだ。このシーンが一番好き。

 実際に医学的用途―臓器育成などの為にヒトと動物のハイブリッドは研究されている。そういう現実を考えると更に、難しい問題を提示されているように思う。そのイキモノは、あなたが好き勝手して良いのですか?と。映画のラストには、エルザがドレンの悲劇から何も学んでいない様子が見て取れる。エルザの中では、ドレンはあくまで実験動物であり、ドレンが辛かろうと知ったことではないのだ。そうでなければ、あんな選択はしない。モンスターはやっぱり彼女だ。

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 ちょっとエー!ありえねー!って思ったのが2点。一つ、未知の生物の体液が付着したナイフを口にくわえる科学者はいない!一つ、サンプルを扱うラボでピザ食べたり珈琲飲んだりもしない!私が働いていたラボでは飲食物持ち込み禁止でしたよ。自分の身を守るために必要な最低限のルールだと思うんだけど。

でも、それ以外はおよそ有りそうな話だった。新生物ジンジャーとフレッドに起きた雌雄転換も、魚やカエルや昆虫など動物界にはよくある話。環境や自らの体格に応じて性転換が起こったりする。魚ならブダイやカクレクマノミなんかが有名。まあ、ほ乳類では性転換起こらないのがセオリーだけども。(ほ乳類は最初は雌で、Y染色体があれば雄に変化し固定される)

splice_icon_02_96x96.gif 映画ネタもあるよ。ホルマリン漬け標本のラベルに“シド&ナンシー”、“ボニー&クライド”なんて書いてある。実験成功した新生物のツガイの名前“ジンジャー&フレッド”は、歌って踊れるあの二人、ジンジャー・ロジャースとフレッド・アステアから取ってるんですな。夫婦の寝室、ベッドの頭上に飾ってある絵が日本の漫画絵なのだけど、あれは何だかわからないや。ヤツらが来るぞ!って書いてあった。

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF) この映画を観て想起したのは、グレッグ・イーガンのSF短篇『キューティー』と中篇『祈りの海』。どちらも短篇集『祈りの海』に収録。

『キューティー』は遺伝子操作で作った赤ん坊の代替物の話で、キューティーの哀しい運命と、キューティーを溺愛した男の悲劇。『祈りの海』は雌雄転換のエピソードが出てきます。超オススメ。

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関連作品のようなもの
CUBE キューブ(買っ得THE1800) [DVD]ナタリ監督といえばシチュエーション・サスペンスの金字塔!
CUBE キューブ(買っ得THE1800) [DVD]
モーリス・ディーン・ウィント、ニコール・デボアー 他
フランケンシュタインの花嫁 [DVD] FRT-151主人公二人の名前、エルザとクライブはこの映画出演者からの引用。
フランケンシュタインの花嫁 [DVD] FRT-151
ドワイト・フライ/エルザ・ランチェスター/ボリス・カーロフ/コリン・クライブ
スイング・タイム<有頂天時代> [DVD]新生物フレッド&ジンジャーの名前は歌って踊れるこの二人から。
スイング・タイム<有頂天時代> [DVD]
フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース
俺たちに明日はない [DVD]ホルマリン漬けのビンのラベルには【ボニー&クライド】!
俺たちに明日はない [DVD]
ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウェイ 他

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蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH 【対話する キミも私も ここにいる】

tag アニメ SF アクション ヒューマン 青春 戦争

『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』
2010年・日本
2004年に放映されたTVアニメ『蒼穹のファフナー』の2年後を描く劇場版!

 2150年。平和の戻った竜宮島(たつみやじま)。そこに一隻の艦が突っ込んでくる。中で眠っていた存在とは…?TVシリーズが終わって、続きを待ち望んでいたファンにとって、この劇場版は素晴らしいプレゼント!観て良かった!逆にTV版を観たことない人が観てもさっぱり意味が分からないだろう。設定や今までのことの説明は一切ない。思い切って切り捨ててしまったのが、清々しいほどだ。

20110116_4147.jpg キャラデザは相変わらずですが、心なし頬の斜線が薄くなっているような気がします。主題歌は引き続きangelaさん。アキじゃない方。

映画館は東京ではシネマサンシャイン池袋オンリーです。略してシネサン。

 ファフナー・スタンプラリーやってたけど未完成。2カ所は無料、もう2カ所は店を有料利用/商品購入しないとスタンプ押せない。ズコー!



 脚本はTV版の後半を担当した冲方丁(うぶかたとう)さん。TVアニメ『ヒロイック・エイジ』や劇場アニメ『マルドゥック・スクランブル』の脚本書いてた方です。好きです。元々は作家さんですが、メディアによって書き分けるあたりが凄い。

 えー。TV版見てない方は容赦なく置いていきます。そういう映画です。っていうか、一本の映画、とはいえないのかもしれないね。だってファンへの贈り物だもん!ファフナーなんて知らないよ~って方にはまず前日譚である通称『右左』=『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』をどうぞ。コチラはTVスペシャルで1時間単発もの。鬱アニメだけどね。哀しくて切なくて胸が熱くなるんだ!

シネサン入口。大々的にフィーチャーされてます!デカイ!
IMG_0012.jpg

 さて本編。TV版終了時点の2年後を描いたものだけあって、各キャラクターが成長してる。各人の現在の状況をサラっと見せていく、その演出だけでニヤニヤもの!カノンだけが見た目大きく変わっているので、最初誰だかわからなかったわい。で、彼女たちが楽園で話し合ってる内容がU計画ってのが笑いどころ!

 竜宮島の外では人類軍がフェストゥムを核攻撃し、虐殺している。その炎の中、総士を守る一個のフェストゥム。焼き尽くされ、怒りに燃えるフェストゥム軍は人類軍の武器を真似して徹底抗戦。戦いは、終わらせる機会を失したまま憎しみが憎しみを呼ぶ泥沼になっていた。

 世界では戦争が続き、竜宮島には“客人”が現れる。人型のフェストゥム来主操(くるすみさお)はキリスト的存在。神の子であり神の遣いとしてやって来た。彼自身が痛みを覚え苦しみを背負って生きることで、フェストゥム軍にも人類軍にも竜宮島にも希望が生まれる。来主の目覚めのシーンは甲洋そっくり!そして乙姫を彷彿とさせる。

 カノンの機体がマーク・ドライツェン(13)と不吉な数字だったり、広登がゴウバインの仮面を付けて搭乗したり、L計画を持ち出したり、司令官の吐血とか、何かこう不穏なムードが漂いまくります。どうなるんだろう…と陰鬱な気持ちで観ていたよ。
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 初の第一世代同士による自然受胎で産まれた美羽。この子、時間経過を考えれば1歳半ぐらいだろうに、大きいしよく喋る。さすがフェストゥムの因子をナチュラルに持ってるだけのことはあるな!この子や甲洋や乙姫や紅音だった者、そして総士もちゃんと活躍を見せてくれる。胸熱!

 自分で選択すること、決めること。対話。母と娘。この世に生まれ、生きること。この星で生まれること。敵は自分の映し鏡でもあること。憎しみには憎しみしか返ってこないこと。相手を受容することの難しさと、それが出来たときに起きる変化。フェストゥムは生と死を受け入れ、母性を理解し始めた。私はここにいる、この星に生きる、そして死ぬ。新しい命に世界を託して。痛みに耐え、今を生きる歓びを知ることができた。未来は明るいはずだ。
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関連作品のようなもの
蒼穹のファフナーHEAVEN&EARTH イメージミニアルバム(DVD付)サントラはまた別にあるようですが。Shangri-La入り!
蒼穹のファフナーHEAVEN&EARTH イメージミニアルバム(DVD付)
angela
蒼穹主題歌はアンジェラさん!くっだっけ♪
蒼穹
angela
蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT 通常版 [DVD]こちらはTVアニメの前日譚です。ひたすら熱く哀しい。総士も出てくるよ。
蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT 通常版 [DVD]
宮野真守、甲斐田裕子 他
蒼穹のファフナー DVD-BOX【初回限定生産版】今やプレミア価格で20万近い高級品。TVアニメ全26話+右左+特典!
蒼穹のファフナー DVD-BOX【初回限定生産版】
真壁一騎:石井真、皆城総士:喜安浩平 他
【蒼穹のファフナーHEAVEN AND EARTH】蒼穹のファフナーHEAVEN AND EARTH 女子制服 サイズ:Ladies Mなんと!こんなのものまで売ってるのか!
蒼穹のファフナーHEAVEN AND EARTH 女子制服 サイズ:Ladies M

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人生万歳! 【拗れても ちょっと変でも 幸せです】

tag コメディ 恋愛映画 ラブコメ

『人生万歳!』 Whatever works
2009年・アメリカ=フランス
ウディ・アレン監督40作目、NY舞台の軽妙洒脱コメディ。

 東京では恵比寿ガーデンシネマ単館上映中。ウディ・アレン映画といえば恵比寿ガーデンシネマ!と頼りにしていたのですが、正式に休館が決まり2011/1/28をもってその小さな幕を閉じます。残念。実質的な閉館ですね。番組編成の独自さ、良質さでお客さんを掴んでいたと思ったのに。そんな恵比寿ガーデンシネマ、1/15~28はベストセレクションとして1000円均一、16作品をリバイバルします。私は最終日に『さよなら、さよならハリウッド』を観に行こうと思うよ。詳しくは公式サイトを参照ください。

 さて。本作、ウディ・アレン監督の40作目です。この脚本は'70年代に書き上げていたものを基にしたとのこと。舞台がニューヨークに戻ったこともあって、昔のアレンのシニカルで軽妙洒脱なコメディに立ち返った、という感じ。『アニー・ホール』系。

 主人公ボリス(ラリー・デヴィッド)は天才物理学者で専門は量子力学。かつてはノーベル賞候補にもなったという過去を持つ、人生に絶望した毒舌ペシミスト男。笑って笑ってちょっぴり痛くて、でも幸せならば何でもイイ!と明るさを漂わせてくれます。原題"Whatever works"は“うまくいくなら、何でもアリ”って意味。世間体だの、一般常識から外れてるだの、気にすることないさ!うまくいってるなら、それもアリでしょ!
Whatever WorksWhatever Works
Various Artists

コトノハ
"When you least expect it, fate has a way of knocking on your door."
(思いもよらない時に、運命はやって来て扉を叩く)

 文字通りに扉を叩きます。"運命は思いがけず徒に動いてく"んですね(浜田麻里の歌詞だコレ)。話は運命の導きのもと、ころころと転がっていきます。理屈や必然性などお構いなしで。そこが面白いんだけど。

どんな映画?
 もうオープニングからボリスの語りが面白くて!観客をおちょくってる系のアレですよ。主人公ボリスを演じるのはスタンダップコメディアン出身のラリー・デヴィッド。笑顔一つ見せずに毒づくのだけど、どうにも憎めないとこがある。

 よく喋る皮肉なユダヤ人てとこは監督アレン自身に似ているけれど、傲岸な見下し系の皮肉屋なのが違うところ。アレンだと弱気で神経質で吃音でボソボソ喋る感じ。ボリスの場合は流ちょうな毒舌マシンガントークで人を馬鹿にする。もうこのボリスの悪態だけで面白い!

 このボリス、60歳ぐらい。ひょんなことから21歳の若い女の子(しかも美人)と同居生活が始まる。このネーチャン、メロディちゃん(エヴァン・レイチェル・ウッド)。ブロンドをツインテールにしてキャピキャピ。もう本当にアホの子なわけですよ。でも心優しく純朴で人柄は良い。何から何まで正反対の2人、年齢差とIQ差がありながらも割とうまくやってるわけです。シニカルなボリスとノー天気なメロディは凸凹コンビ!

 この主人公二人の他にも、“普通でない”カップルが続々出来上がっていく。でも、それでも良いじゃないか。どうせこの世は虚しいばかり。せめて好きに人を愛することぐらい、自由にさせてくれって。幸せなら、それで良いじゃあないの。同性愛を突然自覚したり、芸術家っぽい人は3人での同棲生活をしてうまくいっている(『それでも恋するバルセロナ』の3人みたいに)。人生、自分に正直に、自分なりの幸せを掴めば良い。

 アメリカではウケが悪いと思われるこの映画。なぜって、キリスト教に対して冒涜的とも言える態度だからさ。同性愛に非キリスト教、家族の崩壊ときたら、まあ嫌われても仕方ないタイプの映画ではある。そこは我々日本人としては笑ってうんうん頷きながら観れてしまうので、より楽しめる土壌が整ってるわけだ。

 メロディちゃんは南部出身の田舎娘。南部と言えば、根強い人種差別とかキリスト教原理主義(保守的なプロテスタントで聖書の字義通りにこの世ができたと信じたい人々。科学に否定的で学校教育で進化論を教えるな、と主張するような人々)。なので、ボリスにしてみたら南部の非科学的な田舎者めってことになるわけだ、メロディとその家族は。ボリスが天才物理学者なだけにさ。不確定性原理がどうの、観測者がどうの言う量子力学者ですよ、彼は。その辺りもきちんと描かれていて面白かったよ!

 うまくいくなら、何でも良いじゃないか。と、常識や世間をものともしない態度を示すこの映画は、アレン監督の言い訳のようにも見えてしまいます。アレンは若い頃2度の結婚を経て、現在は3度目の結婚。'92年、当時の恋人ミア・ファローの養子であるスンイー(韓国系)とデキちゃったわけだし。そりゃあ非難囂々ってもんですよ。ロリコンめ!それでも'97年(スンイー24歳)に結婚して今も二人は仲良く暮らしているし、二人の養子もいる。ミアにしてみれば業腹だろうけどなあ!まさか自分の養子と!って。

 そんなこんなで、いろいろ併せてとっても面白いコメディ満喫!『アビス』『風と共に去りぬ』『地獄の黙示録』『素晴らしき哉、人生』など映画ネタが多いのも楽しいよ。
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俳優は誰?
 主演のラリー・デヴィッドはスタンダップ・コメディアン出身。'90年代はTVシリーズ『となりのサインフェルド』の企画・製作で名を売り、2000年代はケーブルTVシリーズ『ラリーのミッドライフ★クライシス』で企画・製作に加え主演もして大人気なお方。

 メロディ役のエヴァン・レイチェル・ウッドは若手実力派!『プラクティカル・マジック』でニコール・キッドマンの子ども時代を演じてた子役。最近では『ダイアナの選択』『レスラー』『アクロス・ザ・ユニバース』など、透明感のある繊細な存在感が印象的です。本作ではそんな彼女の持ち味に加えてスットボケたノー天気さがとってもキュート!天然な良い子って雰囲気になってます。そんなエヴァンちゃん、私生活では19歳年上のロッカー、マリリン・マンソンと付き合っては別れています。3度目の別離が2010年8月。その後どうなったのかな?

関連作品のようなもの
風と共に去りぬ [Blu-ray]スカーレットとメラニー、どちらがお好き?ボリスはスカーレット派だって。
風と共に去りぬ [Blu-ray]
ビビアン・リー、クラーク・ゲーブル 他
アビス <完全版> [DVD]悪夢をみて「深淵(アビス)を見た」と言うボリスに「その映画観てないわ~」と答えるメロディ。
アビス <完全版> [DVD]
エド・ハリス、メアリー・エリザベス・マストラントニオ 他
素晴らしき哉、人生!【淀川長治解説映像付き】 [DVD]クリスマスのハッピー・ムービーの代名詞。ボリスはお好きじゃないようです。
素晴らしき哉、人生!【淀川長治解説映像付き】 [DVD]
ジェームズ・スチュワート、ドナ・リード 他
[図解]量子論がみるみるわかる本(愛蔵版)天才ボリスは量子力学が専門。量子のゆらぎだの観測者だの。
[図解]量子論がみるみるわかる本(愛蔵版)
佐藤 勝彦
インタビュー・ウィズ・シリアルキラー [DVD]レクター博士のモデルとなった連続殺人犯テッド・バンディの映画。
インタビュー・ウィズ・シリアルキラー [DVD]
ケイリー・エルウィズ、ブルース・グリーンウッド 他

毛玉内関連記事:
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裁判長!ここは懲役4年でどうすか 【言ってみりゃ これが本気の ヒューマン映画】

tag コメディ 法廷 ヒューマン

『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』
2010年・日本
北尾トロのエッセイを映画化した裁判エンタテインメント。

 東京ではヒューマントラストシネマ渋谷1館のみの上映。HT渋谷は水曜日が映画サービスデー!男女関係なく誰でも1000円で鑑賞できますよ。他、全国の公開劇場はコチラを参照してくださいな。

 というわけで、観てきたよ。客席はいっぱい、観てる間は笑いがいっぱい溢れて良い映画体験ができた!見知らぬ他の観客と、くすくすワハハと笑い合うのはやっぱり良いものだ。家でDVD観るのも良いけど、これぞ映画の醍醐味じゃないか!暗い映画館、客席の一体感、日常に一番近い非日常。

 主演はお笑いの人バナナマンの設楽統さん。名前、おさむって読むんですね。最近バラエティ番組見ないから、よく知らないんですけど。役者さんだって言われてもわからないくらいの素晴らしいコメディ演技!相方の日村さんもチラっと顔を出して笑わせてくれます。

裁判がテーマだからって構えずに、ひょっとこな笑いを期待して観に行くべし!お堅いはずの裁判官や弁護士、検察官の人間臭さが面白いよ。
裁判長!ここは懲役4年でどうすか―100の空論より一度のナマ傍聴裁判長!ここは懲役4年でどうすか―100の空論より一度のナマ傍聴
北尾 トロ

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ジャーロ 【善悪は 表裏一体 人の闇】

tag ホラー サスペンス 犯罪 スプラッター ミステリ

『ジャーロ』 GIALLO
2009年・アメリカ=イタリア
鮮血の貴公子ダリオ・アルジェント監督新作!

 タイトルのジャーロは、ジャーロ(ジャッロ)ものって映画のジャンルがありまして'70年代に流行しとりました。イタリアの、オペラ風味犯罪ミステリ・サスペンス刑事ものエログロ付映画、って言ったら大体合ってるかな。GIALLOはイタリア語で“黄色”のこと。

なんでジャンル名が“黄色”かって?昔イタリアで人気を博した刑事・探偵もの推理小説が、黄色い表紙のペーパーバックで出版されていたことから。元々は、1929年から今日に続くI gialli Mondadori※1ってライン※2で黄表紙を使ってたのが始まりで、各出版社がその人気にあやかって同じジャンルの表紙は黄色くしたんだって。そしてジャーロは'60年代に小説から映画へと広がっていき、映画ジャンルとしては'70年代に最盛期を迎えた、と。
※1…単数形は"Il Giallo Mondadori"だけど、ライン名としては複数形表記を使用
※2ライン…例えば電撃文庫、角川スニーカー文庫、創元SF文庫みたいにあるジャンルに特化したサブレーベル

ハイ、お勉強終わり!ヽ(´ー`)ノ

 で、その“黄色”が映画の中でのキーワードにもなってます。ジャーロというジャンルへのオマージュの表れと思われます。実際、レトロな作りで斬新さはまったくない。猟奇連続殺人、それ追う一匹狼の刑事、被害者の美女、オペラ風味の大袈裟な色彩と音楽。映画館で隣の人がイビキかいてたけど、私はハードボイルドで哀しくて好きですよ。ラスト(一歩手前)が最高です!

 舞台はイタリア、トリノだよ。古い石造りの道や建物、鮮やかな色遣いのファッションがとっても素敵!
ジャーロ [DVD]ジャーロ [DVD]
エイドリアン・ブロディ
エルサ・パタキ 他

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終着駅―トルストイ最後の旅― 【愛の果て 辿り着くのも やはり愛】

tag ヒューマン コスチューム 歴史 恋愛映画

『終着駅―トルストイ最後の旅―』 THE LAST STATION
2009年・ドイツ=ロシア=イギリス
ロシアの文豪トルストイの最晩年、争いに満ちた愛のドラマを描く。

 トルストイ、というと堅苦しいイメージですよね。著作も堅苦しいですしね。でも、この映画は全然堅苦しくないので大丈夫!トルストイなんか読んだこともないって人でも素直に観ることのできる、愛と葛藤のドラマ。爺ちゃん萌えなら絶対観るべし!

 原作はジェイ・パリーニの『終着駅 トルストイの死の謎』改め『終着駅-トルストイ最後の旅-』。原作にかなりの程度脚色を施したようですが、原作者は真髄をきちんと描けていて素晴らしいと評したとのこと。舞台はロシアだけど使用言語は英語になってます。ロシアンティーが出てくるのでかろうじてロシアっぽい雰囲気。

 いやあ久々にラスト辺りで延々泣いた。観るときはハンカチ2枚とポケットティッシュが必要ですよ。主にトルストイ(クリストファー・プラマー)と、世界三大悪妻の1人と呼ばれた妻ソフィヤ(ヘレン・ミレン)との愛と確執を描いています。老夫婦の複雑な関係。そしてトルストイの信奉者、弟子達の思惑。それを新しく入った純粋な秘書ワレンチン(ジェームズ・マカヴォイ)の目を通して描きます。

 ちなみにロシア的な綴りはLev Tolstoy、英語圏ではなぜかLeo Tolstoyになります。日本語ではレフ・トルストイ。あれだね、日本でもカナ表記にする際、実際の発音とかけ離れることがあるけど、そういう感じかね。
終着駅 トルストイ最後の旅 [DVD]終着駅 トルストイ最後の旅 [DVD]
ヘレン・ミレン
クリストファー・プラマー 他

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十三人の刺客 【燃え尽くせ 熱き刀の 魂を】

tag 戦争 アクション コスチューム 歴史 スプラッター

『十三人の刺客』
2010年・日本
'63年の時代劇を三池崇史がリメイク。

 普段、時代劇を観ません。なんでだろ?って考えてみたら、時代劇独特の語句や言葉遣い、台詞回しが苦手なんだ。何言ってるかよくわからないんだよなぁ。で、この映画もその意味でちゃんと時代劇で。正直、苦手ではあった。前半は眠たかったけど、後半は言葉とか台詞とかどうでも良くなるので面白かったよ!

 映画本編は2時間20分と長めになっております。キャッチコピーが「ラスト50分の壮絶な死闘」ってあって、ラスト50分て言い方が斬新だなあと思った。それって後半で良いじゃんか。

 まあ、何と言ってもキャストが渋くて良かったです。私は山田孝之くん大好きなので、大喜び。良い俳優だ!身のこなしもキレイだったわよ。ということで見所は山田くんです(断言)

 三池監督の次回作はなんとまたまた侍もので、しかも3Dだそうですよ奥様。仲代達也主演『切腹』(1962年)を市川海老蔵主演でリメイクするんだってさ。10月から撮影開始して、来年公開予定だそうです。時代劇かー。

十三人の刺客 オリジナル・サウンドトラック十三人の刺客
オリジナル・サウンドトラック

サントラ

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