猫の毛玉 映画館

映画感想文を体内で丸めて吐き出す。

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ノルウェイの森 【死と生と 光と闇と 愛と性】

tag ヒューマン 恋愛映画 青春

『ノルウェイの森』 NORWEGIAN WOOD
2010年・日本
村上春樹の1987年のベストセラーをトラン・アン・ユン監督が映画化。

 ノルウェイの森…と聞いて初めに思い浮かぶのはノルウェイジャン・フォレスト・キャット!村上春樹と角川春樹と村上龍の中で誰が好きかといえば角川春樹!この、時代を作った小説に、私は何の思い入れもない。

 私が中学生の頃にこの本が出版され、ベストセラーになった。本屋に行けば平積みで、クリスマスみたいな赤と緑の表紙が並んでいた。周りは熱狂していた。その頃の私は、シドニィ・シェルダンや氷室冴子にハマっていて村上春樹は読まなかった。大体、『ノルウェイの森』は官能小説だって言われてて、まだエロを受け付けてなかった純真な私には穢れた書物だったのだ。寝転がって炭酸を飲みながら、そんな穢れた本は読めない。

 というわけで、原作未読のまま今日に至り、そのまま映画を観てきましたよ!12/11からの公開なので、文芸映画好き、原作好き、雰囲気映画好き、マツケン好き、玉山鉄二好きは観に行くべし!ただし、エンタテインメントではないので注意。これは、生と死と性を描いた2時間超の詩の一篇。

 タイトルはビートルズの曲"NORWEGIAN WOOD"から。映画全体に流れる雰囲気が、雪に閉ざされた寒々とした常緑樹の森って感じだったので、そんな意味もあるのかな。迷い込んだけど森から出て春を迎える人もいれば、そのまま凍り付いて戻れなくなる人もいる。
ノルウェイの森 (松山ケンイチ 出演) [DVD]ノルウェイの森[DVD]
松山ケンイチ

どんな映画?
 高校時代に親友キズキ(高良健吾)が自殺し、心に傷を負ったワタナベ(松山ケンイチ)。彼は東京の大学に進む。キズキの幼馴染み兼恋人だった直子(菊地凛子)もまた深く傷つき。二人は偶然、東京で再会する。

バイバイ、ママ [DVD] キズキとの3人の高校時代の描写から映画は始まる。仲の良いカップルと、その親友。キズキがなぜ自殺したのかもわからない。17歳で、何を思ったのか。または、理由なんてなかったのか。置いていかれる恋人・直子のことを少しでも考えたのだろうか。この自殺シーンは、ケヴィン・ベーコン監督作『バイバイ、ママ』(左画像)を思い起こした。

 そして東京。1969年。大学内では学生運動が盛んで、ワタナベのルームメイトもまたのめり込んでいた(ここにも死の影が散りばめてある)。ワタナベはそれを横目でチラと観るだけで、そこに何の意味も見いだせない。一人読書に耽る。それはたぶん、答えを探していたんだろう。キズキの死を受け止めるための答えを。

 ワタナベと直子の恋は痛々しく、彼らを繋ぐのは死んだキズキの存在。キズキの話はしなくても、二人の間にはいつも横たわっていただろう。直子は20歳の誕生日にワタナベと寝たことをキッカケに、どんどん精神のバランスを欠いていく。ワタナベの前から姿を消し、療養に行ってしまう。ワタナベにとって、直子はとんだ地雷女じゃないか!

 直子への思いを抱えつつ、大学で出会った生命力に溢れた女性・緑(水原希子)にも惹かれるワタナベ。直子とは、あらゆる意味で対照的な緑。直子は死、病、過去、闇、哀しみ、愛への疑問、不安、内向き、ミステリアスといった言葉で語られるとしたら。緑は生、健康、未来、光、喜び、愛を肯定、安らぎ、外向き、明け透けといったところ。直子は死に取り憑かれているが、緑は命そのもの。そう、ちょうど5月の新緑のようにね。

 直子も緑も、大事な人を亡くしたという点は共通してる。直子はそれを受け容れられず、緑は受け容れた。もちろん、17歳で自殺されてしまったのを受け容れるのは相当にキツいことで、比べるのはフェアじゃないけど。自殺が罪なのは、遺された者が苦しむからだよ。

 全編死の影に包まれ、でもそこでもがくワタナベを通して生きる希望、生き続けることを選んだ人間の強さが感じられる。大したストーリーでもないのに、ミニマルな世界なのに、この映画には感情の振り切れるサマがありありと描かれている。言っちゃなんだが“雰囲気映画”なのに、心の奥を揺すぶるものがある。映画は総合芸術。本作は、映像や音使いや俳優の演技すべて合わせたときに最大限強い力が発揮される、そんな映画だった。AKB48が一人一人でで見ると大したことないのに集団で動いてると可愛く見えるのと一緒か。あ、誰か敵に回した?

 明るくイキイキした緑色の映像、一面の雪、ふわりと舐める山脈、草原をわたる風の音、降りしきる雨音。すべてが美しい(撮影はリー・ピンビン!)。ライティングもとても美しく、暗がりでの青みを帯びた映像は艶めかしい。光り輝く木々、陰のかかる表情。室内の暗さ。この陰影は素晴らしい!流れる弦楽器の音もまた哀しい。

 ワタナベの先輩永沢(高貴な魂を持った俗物)役に玉山鉄二。その恋人ハツミ役に初音映莉子。サイドストーリー的に語られるこの二人の関係もまた哀しい。ハツミがワタナベを詰問するシーンは凄かった!ワタナベに向けて永沢への疑問を口にしているのだ。愛は人を生かし、愛は人を殺す。愛のために生きるのか、愛のために死ぬのか。

ベロニカは死ぬことにした [DVD] 直子の心の病や、療養所の描写を観ると、どこかパウロ・コエーリョの『ベロニカは死ぬことにした』を思い起こした。あれも、生と死、愛と性を描いていたな。映画版(左画像)はなぜか日本映画で、主演は真木よう子!おっぱい!映画版の雰囲気はこの『ノルウェイの森』に似て“雰囲気映画”になってたよ。

 ところで、2回出てくる、部屋でチープなプラスチックのミニテーブルに食べ物を置いて床に座って食べるシーンはベトナムっぽかった。これは監督がベトナム系だからなのかな。特に緑の家で食べるシーンは、家屋や景色の雰囲気も含めてベトナムっぽかったぞ。

 小説の台詞をそのまま台本にしたような台詞はちょっと上滑りしてたけど、それもこの映画の味なのかもしれない。で、官能小説って言われてたのは、あながち間違っちゃないな、と納得したりもした。すぐに「やった、やらない」とか言い出すし。やたらに性が人生問題に絡んでくるのが、私にはしっくりこなかった。愛と性は切り離せないとはいえ、そこまで?って思いでいっぱい。

 いやあ、それにしても松山ケンイチ凄いな。感情抑制から終盤にバツンと弾けて、そこからまた空虚に戻り、愛の渇望へと走るあたり。直子の存在のお陰で、ワタナベはキズキの死を乗り越え。緑の存在のお陰で、生きることを選べた。緑の強さって、一体どこからくるんだろう?自らが強くあることで、他人をも強くする。それは素晴らしいことだ。
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関連作品のようなもの
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)官能小説と言われて、手に取ることもなかった原作。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)
村上 春樹
ノルウェイの森 下 (講談社文庫)表紙は赤と緑で、正反対の色を表す。危険な赤、安らぎの緑。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫)
村上 春樹
ノルウェイの森 公式ガイドブック (1週間MOOK)ガイドブックまで出たぞ!
ノルウェイの森 公式ガイドブック (1週間MOOK)
アミューズメント出版部
ノルウェイの森 オリジナル・サウンドトラックレディオヘッドのギタリスト、グリーンウッドが音楽担当!
ノルウェイの森 オリジナル・サウンドトラック
サントラ、カン 他
The Beatles 1962-1966映画にも出てくる「ノルウェイの森」"NORWEGIAN WOOD"を収録。
The Beatles 1962-1966
ザ・ビートルズ

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ナイト&デイ 【出会って 惹かれて 大混乱】

tag ラブコメ コメディ アクション 犯罪 動画付き

『ナイト&デイ』 KNIGHT AND DAY
2010年・アメリカ
トム・クルーズ×キャメロン・ディアス主演のロマコメ・アクション!

 トム様!ヽ(´ー`)ノトム様!面白かったよ!監督はアンジェリーナ・ジョリーを有名にした『17歳のカルテ』のジェームズ・マンゴールド。メグ・ライアン×ヒュー・ジャックマンのロマコメ『ニューヨークの恋人』も面白かったし、俳優をうまく使いこなせる良い監督ってイメージ。他、監督作に『3時10分、決断のとき』『アイデンティティー』『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』『コップランド』など。
 
 原題は"Wichita"ウィチタ(二人が出会う都市)改め"KNIGHT AND DAY"。騎士の方のナイトで、トム様のナイトっぷりとキーアイテムと或る名前を表す。じゃあキャメロン・ディアスの役に、何か対になる“デイ”なネタが仕込まれてるのかっていうと、それはない。本来は"night & day"(夜と昼)で正反対の人達を表す成句を使った洒落なので、住む世界の違う2人のことを表しているものと思われます。

 そんなディアスの役名はジューン・ヘイヴンス。6月・避難所。6月と言えば夏!日本は梅雨だけど。真夏の太陽のような存在感のジューンは、まさにdayかもしれない。ビューティフル・デイ!

『ザ・ツーリスト』を断ってコチラを選んだトム様に拍手したい。おかしなトムのミッション・インポッシブル。
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ネコを探して 【観ていこう 猫と人との 変遷を】

tag ドキュメンタリー アニメ 動画付き

『ネコを探して』 LA VOIE DU CHAT /英題: THE CAT WAY
2009年・フランス
2009年4月にフランスで放送されたTV映画。猫と人とのドキュメンタリ-。

 またしても本国でTV放送用に作られた映画が日本劇場公開の不思議。やっぱりなあ!見終わったあと、これはTVで良いタイプのドキュメンタリーだなあって思ったもの。お茶の間で誰かと一緒に話しながら観たい。

 原題は"猫の道"または"猫の足跡"。猫的方法、という意味での猫道(ねこどう)と、映画の軸となる黒猫の足跡を辿る意味が合わさってる。基本的にドキュメンタリーだけども、いくつものエピソードがある。そこで、小さな黒猫がいなくなったのを時空を越えて探す旅というフィクション部分を繋ぎに使っている。

 アニメがほんわか可愛くて、猫にまつわるアレコレを数珠つなぎにしたような構成はまあまあ面白かった。猫猫!って感じではなくて、猫と社会問題を絡めてきたり、今日的な猫の扱いを疑問視したり、思ったより堅い内容ですよ。

20100809_2516.jpg 画像がないので、
うちの黒猫がセミを仕留めたショットを。
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ねこタクシー 【共にいる ただいるだけで それだけで】

tag ヒューマン

『ねこタクシー』
2010年・日本
原作本、地方TV局でのドラマ全12話ときて、映画版だ!

 久々に会った友達から伝言を承りました。もっと邦画も観てってことだったので今日は邦画です!ていうか知らないとこで細く繋がった知らない人が読んでくれてる、ブログって面白いなあと嬉しい気持ち。邦画不足はごめんなさい!昨今の邦画はTV延長もの、ベストセラーの原作ものばかりでどうにも。

と言いつつ、この映画はその両方です。原作ものであり、TVドラマとのクロスメディア!あっはっはー!猫と山に関する映画だと何でも良くなるのが私です。

 ドラマ版はほんわかした雰囲気と曲も相まって、妙にファンタジックだったんですよ。口べたなタクシー運転手の間瀬垣(ませがき)さん(カンニング竹山)が猫を通して人と交流する姿がほろりとさせて良かったもの。猫で家族も再生するし!でもね、ラストが気に入らなかったの。猫を利用しただけじゃん、と感じて。映画版ではどんな話になっているのだろう?という興味から観に行ったよ。

 雄の三毛猫みーすけが御子神(みこがみ)さん役。三毛猫は遺伝子の構造上、雌しか発生しないんですよ、本来は。でもたまに遺伝子異常で雄が生まれることがあって、大抵生殖能力はないのだけども。そんなレア・ビースト、雄の三毛猫は珍重されてますの。船乗りのお守りとか福猫とか言われて。で、その福猫・御子神さんと出会ったことで変わっていく間瀬垣さんとその周り。

 TV版との違いは、そりゃあもう全然違う。一番の違いは御子神さん以外の猫もたくさん出てくること!主人公の間瀬垣さん家にやってくる猫も、もう一匹コムギ(本名もコムギ)ってマンチカン・ロングヘアーの仔猫が!えっらいキュート!私の前のアパートのベランダに遊びに来てた房の介(長毛茶虎オス1才ぐらい)と似ていて個人的なツボに。今一緒に暮らしている猫のなつめさんは房の介とクロの子供で、でもクロに似て真っ黒猫で残念。
映画版 ねこタクシー DVD映画版 ねこタクシー DVD
カンニング竹山
鶴田真由

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9<ナイン>~9番目の奇妙な人形~ 【生命は 何処より来て 何故に】

tag アニメ ファンタジー SF

『9<ナイン>~9番目の奇妙な人形~』 9
2009年・アメリカ
シェーン・アッカーの短編アニメを長編映画化。

 ティム・バートンやティムール・ベクマンベトフが製作に名を連ねる、バックアップしっかりの安心感。しかしタイトルに『ティム・バートンの~』って付けられなくて良かったね!『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』はそのせいで監督の名前が知れ渡らず、というか、え?アレってバートン監督でしょ?なんて言われる始末の可哀想さ!ふびん。

 元々は10分ほどの短編アニメーションだったものをバートンが痛くお気に召して、長編アニメーション製作に至ったのです。短編では一切台詞がなく、説明的なこともありません。それを80分の物語に引き延ばすのは、どうかなぁという思いもありましたが。短編は短編の良さが、長編には長編の良さがあるってことでまあ納得。私はやっぱり短編の方が好きだけどね。
9<ナイン>~9番目の奇妙な人形~ コレクターズ・エディション [Blu-ray]9<ナイン>~9番目の奇妙な人形~ [Blu-ray]
コレクターズ・エディション
ジェニファー・コネリー
イライジャ・ウッド

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NINE 【監督と スターが織りなす 夢世界】

tag ミュージカル ヒューマン

『NINE』 NINE
2009年・アメリカ=イタリア
フェデリコ・フェリーニの『8 1/2』を下敷きにしたミュージカルの映画化。

 アーサー・コピットがフェリーニの映画『8 1/2』(はっかにぶんのいち)(1963年)を舞台脚本化し、1982年にブロードウェイ・ミュージカル『NINE』が上演された。それを更にアンソニー・ミンゲラが映画脚本化し、『シカゴ』のロブ・マーシャル監督が撮ったのがこの映画『NINE』。この経緯は『リトルショップ・オブ・ホラーズ』みたいなことになってますな。

 主人公グイド・コンティーンニ監督の9作目の映画製作を描いた映画、という意味でタイトルはNINE(9)となってます。あと、元ネタであるフェリーニのセルフ・パロディなコメディ(ミュージカル映画ではない)『8 1/2』がフェリーニ監督の8と1/2本目の映画だから、それにミュージカル要素を加えたことによって+1/2とみなしてのNINEでもある。なぜフェリーニにとって8と1/2本目だったかというと、長編6本(『白い酋長』『甘い生活』『カビリアの夜』『崖』『道』『青春群像』)に加えて、短編2本(『ボッカチオ'70』収録、『街の恋』収録)+共同1本(『寄席の脚光』)を各1/2本とし6+1 1/2本=7 1/2本を監督とした実績があったから。

 フェリーニ版もマーシャル版も主要登場人物は大体一緒。本作は大筋ではフェリーニ版と同じ内容・テーマでありつつ、ミュージカル版の煌びやかさを付加、フェリーニのカリスマと芸術性を差し引いたエンタテイメントとなってます。

 好き嫌いは分かれると思うけど、私はこれ大好き!曲も、豪華出演陣も、美術も、映像も、幻想的な語り口も、スランプに陥る男の悲哀と可笑しみも、ラストの一体感とカタルシスも。ザッツ・エンタテインメント!私はフェリーニ版よりもコチラの方が断然好みですよ(比べること自体間違ってるぞ、自分)。DVD発売が待ち遠しいのでありますよ。あ、BDにしようかな。BDソフトってまだ高いイメージ。
NINE Blu-rayNINE Blu-ray
ダニエル・デイ=ルイス
マリオン・コティヤール

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ニューヨーク、アイラブユー 【この街の 日々の日常 繋げたら】

tag 恋愛映画

『ニューヨーク、アイラブユー』 NEW YORK, I LOVE YOU
2008年・フランス=アメリカ
ニューヨークを舞台に、愛をテーマにした10人の監督のオムニバス映画。

 エマニュエル・ベンビイがプロデュースする、都市をテーマに描くオムニバス映画第2弾。前作の舞台はパリでしたが(『パリ、ジュテーム』)、今作は人種のるつぼニューヨーク。

 10人の監督が撮った10編のショート・ショート。それを11人目の監督ランディ・バルスマイヤーがつなぎ合わせ、それぞれを繋ぐ幕間のようなシーンをいれてある。なので、キッパリとオムニバス映画にはなっていなくて、なんとなく全体で1つの映画になっている。でもまとまりがなさ過ぎて、群像劇スタイルともちょっと違う。敢えて言えば、コラージュ映画?
ニューヨーク, アイラブユー [DVD]ニューヨーク, アイラブユー [DVD]

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2012 【金と運 生き残れるのは 持てる者】

tag パニック

『2012』 2012
2009年・アメリカ
ローランド・エメリッヒ監督のディザスター・ムービー。コメディ風味。

 『インデペンデンス・デイ』で宇宙人を殴る蹴る、大統領を戦闘機で突っ込ませるなど、散々笑えるディザスター・ムービーを披露してくれたエメリッヒ。監督はこれが最後のディザスター・ムービーと言っていますよ。マジで?

 さて、そんなわけで今回もかなり笑える仕様となっております。リアリティの薄い災害描写は「映画だから」と心に言い聞かせて、鷹揚な気持ちで鑑賞しましょう。

 タイトルの2012は西暦2012年のこと。古代マヤ人の暦が、西暦に換算するとこの時で終わっていることから、世界の終末が来るのだ!というオカルトな言い伝えからきてます。映画の中ではその“マヤ人の予言”エピソードはほんの少し会話で触れられるだけ。冒頭の古代文字はどうもアステカ文字っぽいし。節子、それマヤ文字ちゃう。
2012  スタンダード版 [DVD]2012 スタンダード版 [DVD]
キウェテル・イジョフォー
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ニュームーン/トワイライト・サーガ 【お互いを 失うことに 耐えきれず】

tag ファンタジー 恋愛映画 青春 ヴァンパイア

『ニュームーン/トワイライト・サーガ』 THE TWILIGHT SAGA: NEW MOON
2009年・アメリカ
青春ヴァンパイア・ロマンス『トワイライト』2作目。

1作目はコチラ⇒トワイライト~初恋~ 【冷えた肌 霧と雨とに 包まれて】

 タイトルのニュームーンは勿論新月のことで、月明かりのない暗い夜を指す。ヒロインのベラ(クリステン・スチュワート)にとって暗闇にいるような気分だから。だって、最愛のエドワード(ロバート・パティンソン)から別れを切り出されたから!また、月のイメージから、今回から本格的に参入する狼男一族の話でもあることを示唆する絶妙タイトル。っていうか原作のタイトルなのだからステファニー・メイヤーぐっじょぶ。

 アメリカでは、『ダークナイト』が打ち立てた公開当日興収の最高記録$67.2mを塗り替え、$72.7mという凄まじいヒット!アメリカのヤングアダルト、パワフルだなぁ。そんな盛り上がりを尻目に、日本ではメディア側が一生懸命盛り上げようとするも公開週の興収ランキングは6位。それでも前作よりは興収増えたようで、3作目以降もこれなら安泰でしょう。低め安定。

 やっぱり『ときめきトゥナイト』なこのシリーズ。今回は狼男も大活躍だよ。鈴世、いいよね。ヒロインのベラは相変わらず真壁君のようにアウトサイダー的で暗い。こういう根暗のヒロインは好きよ、あたい。映画全体としては、悪からず、良からず。ふーん、て感じ。
ニュームーン/トワイライト・サーガ スタンダード・エディション [DVD]ニュームーン/トワイライト・サーガ[DVD]
スタンダード・エディション
ロバート・パティンソン
マイケル・シーン

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ニーベルングの指環 【北欧の 哀しい愛の 物語】

tag ファンタジー コスチューム

『ニーベルングの指環』 RING OF THE NIBELUNGS
2004年・独=伊=英=アメリカ
幾度も戯曲化されている北欧神話を元にしたTV映画。俳優陣が地味に豪華。

 ニーベルングといえばワーグナーの戯曲ニーベルンゲン4部作(19世紀後期『ニーベルングの指輪』)がもっとも名の知れたものでしょう。トールキンの『指輪物語』とその前日譚『ホビット―ゆきてかえりし物語』はワーグナー作品にインスパイアされ、呪われた宝、指輪といった要素が共通しています。が、ワーグナー以前にもこのドラマチックな北欧神話は19世紀を通して幾度も戯曲化され、リライトされ、その後も数多の作家に影響を及ぼしてきました。

 元々は北欧に伝わる古い伝承の類で『エッダ』歌謡集をはじめとした神話・英雄譚的内容の詩です。伝説・伝承なのでそれまで断片的に散在していたものが13世紀に『散文エッダ』としてまとまってきます。同じ頃に『ヴォルスンガ・サガ』や『ニーベルングの歌』も成立しまして、ニーベルング的物語がまとまった形になってきます。

 ということで、本作。ワーグナーの『指輪』後半分を下敷きにしつつかなりのアレンジを加えています。ジークフリート(シグルト、シグルド)とブリュンヒルデ(ブリュンヒルト、ブリュンヒルド)の愛に焦点を絞ってすっきりさせてますお。ただ映画としては長く、184分あります。3時間超!DVD半分見たところで一回エンドロールきたー。TV映画ならでは。これ2回に分けて放送されたのだね。

 うん、これはワーグナー好きにも北欧神話好きにもオススメできるレベル!ゲド戦記のTV映画化ズッコケ『ゲド/戦いのはじまり』とは大違いさ。ひたすらブリュンが格好いいんだぜ!
ニーベルングの指環 [DVD]ニーベルングの指環 [DVD]
ウーリー・エデル
クリスタナ・ローケン

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