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ブーリン家の姉妹

tag コスチューム 歴史 政治

『ブーリン家の姉妹』 The Other Boleyn Girl
2008年・イギリス/アメリカ
イングランドの女王エリザベス一世を産んだ王妃アン・ブーリンとその妹メアリの愛憎劇。
原題は、もう一人のブーリンの娘。

まず、これは史実を基にした、大分脚色されたフィクションであることはお断りしておくよ。
だって、映画ではアンが姉でメアリが妹になってるけども、史実では逆。アンは妹さんにゃん。
それにアンがフランスで暮らした期間は映画では(追放的な意味で)たった2ヶ月だけど、史実では(教育的な意味で)13歳からの9年間と言われてるにゃん。
実際はキャサリン王妃との離婚に7年かかったのだけど、映画ではそんな年月は感じられないにゃん。 
というわけで、歴史的背景はスパイス程度に考えておいて、複雑な人間ドラマを楽しみましょう。
ブーリン家の姉妹 [DVD]ブーリン家の姉妹
ナタリー・ポートマン
スカーレット・ヨハンソン

コトノハ


"I have torn this country apart for YOU!"
(私はそなたの為にこの国を引き裂いてしまったのだぞ)

ときの王、ヘンリーⅧ世がアンに言う言葉。うん、人のせいにしちゃ、ダメだぞっ。
アンと結婚するためにはキャサリン王妃と離婚せねばならないが、カソリックでは離婚が認められていなかった。そこで、英国国教会を立ち上げるわけですね。ローマとの決別はフランスやスペインとの決別でもある。ヨーロッパで浮いた存在になってしまうイングランドはここから始まったのですにゃあ。

どんな映画?
 16世紀、イングランド。ヘンリーⅧ世は、兄の死によって、兄に嫁ぐはずだったスペイン王家の娘キャサリンと結婚。そして、18歳で即位。イングランドを治める王として生きた。だが、キャサリンとの間に跡継ぎは生まれず、夫婦の溝は深まるばかり。そこにつけこんで、王の愛人として娘アンを捧げようとする企みが水面下で進行。王との引き合わせはハプニングによって印象の悪いものとなってしまうが、代わりに王はアンの妹メアリ(既婚者)に惚れる。さあ、傷ついたアンのプライドと、メアリの困惑はどうなるのか・・・。

 女性は政治の道具として使われ、情欲の対象として貪られ、結婚してしまえば子産み育てマシンとして扱われる。そういう常識のもとで生まれた悲劇よな。姉妹で王の寵愛を争うなんてことは日本でも(王でなくて帝だけど)よくあった話。世界中どの時代でもありそうな話。そんな中、アンは自分の生きたいように生きたかっただけなんだろう。

とはいえ、男性も政略結婚がアタリマエだったので、アンの弟ジョージも意に染まぬ結婚を強いられている。すべては一族の繁栄のために。ある意味、ジョージが一番可哀想な気がするよ。

 姉妹の確執面ではアンもメアリもお互い様という感じでヤリあっているが、愛情はいつも根底にある。愛すればこそ憎らしくもなるんだな。結局、二人とも王にポイ捨てされるわけで、報われないったらない。王の女性関係の未熟さはなんかもう残念過ぎた。

 アンの娘、エリザベス一世は母と叔母が王に受けた仕打ちを教訓にしただろう。政治に利用されるだけの道具にはなりたくない。世継ぎを産めなければ価値のない人生など歩みたくない。父王のように、世継ぎが生まれない不安によって国を不安定にしてはならない。一体誰が王は世襲と決めたのか?と。
この映画を観終わると、『エリザベス』をまた観たくなる。最初と最後に出てくるあの幸せな草原は、『エリザベス』でも観た覚えがあるんだ。

 また、貴族の結婚には王の許しが必要な時代というエピソード(アンの極秘結婚騒動)もありましたな。エリザベス女王が結婚を取り仕切る様子を見ることが出来る映画『恋に落ちたシェイクスピア』も是非ご覧あれ。
恋におちたシェイクスピア恋におちたシェイクスピア
(2007/01/25)
グウィネス・パルトロウ,ジョセフ・ファインズ


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俳優は誰?
 アン・ブーリンをナタリー・ポートマン『宮廷画家ゴヤは見た』でのすごさも記憶に新しすぎる。コスチューム・プレイが似合うわよねぇ。現代モノでは『地上より何処かで』の繊細な女の子が印象的でした。あれは良い映画だ。

 もう一人のブーリンっ子、メアリにはスカーレット・ヨハンソン。一部ではスカヨハなんて呼ばれておるね。メアリの単純でありながら内に秘めた複雑さが素晴らしく良かったわぁ。次回作はまたもやウディ・アレン監督作。楽しみですねぇ。

 美女たちを手篭めにしては捨てていく王ヘンリーⅧ世にエリック・バナ。とりわけ素敵でもない権力者って感じで、うん。これを魅力タップリのジェラルド・バトラーあたりが演じてしまったら失敗だったろうから、超成功。え、ケナしてない、ケナしてない!『チョッパー・リード~史上最凶の殺人鬼~』とか『ブラックホーク・ダウン』とか良かったもの。

 他、アンの弟悲劇のジョージに『ラスベガスをぶっつぶせ』ジム・スタージェス。アンの冷静で分別のある母親に『モンタナの風に抱かれて』『イングリッシュ・ペイシェント』クリスティン・スコット・トーマス。キャサリン王妃には『血と砂』アナ・トレント

関連作品のようなもの
ブーリン家の姉妹 上 (1) (集英社文庫 ク 17-1)原作本。史実とは違うけど、いいじゃないか。2次創作みたいなものだよね。
ブーリン家の姉妹 上 (1) (集英社文庫 ク 17-1)
ブーリン家の姉妹 下 (3) (集英社文庫 ク 17-2)
フィリッパ・グレゴリー
Other Boleyn Girl (2003) (Ws Sub)英国テレビ版DVD。メアリをナターシャ・マケルホーンが演じているよ。
The Other Boleyn Girl (2003) (Ws Sub)
Ron CookPhilip Glenister
エリザベスよくできた映画。権力闘争に巻き込まれる女性が女王として生きる決意を固めるまでが描かれている。
エリザベス
クリストファー・エクルストン、ジェフリー・ラッシュ
王妃の闘い―ヘンリー八世と六人の妻たちスペインから嫁いだキャサリン、本作のアン、そしてその後の王妃たちを知ることができる。
王妃の闘い―ヘンリー八世と六人の妻たち
ダイクストラ 好子
とんでぶーりん ひみつ全百科 (コロタン文庫)とんでぶーりん ひみつ全百科 (コロタン文庫)
嵩瀬 ひろし


毛玉内関連記事:エリザベス ゴールデン・エイジ
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コメント


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こんにちは♪

ミチ | URL | 2008年11月04日(Tue)23:11 [EDIT]

はじめまして~。
TBありがとうございました!
まとめ方がとても個性的な映画感想ですね!
読みやすくて分かり易かったです♪
今頃「エリザベス」を見直している人が多いでしょうね~。
確かに草原を駆けてるシーンはありました!

>ミチさま。

P | URL | 2008年11月05日(Wed)13:07 [EDIT]

ありましたよねぇ、草原シーン。あれが思い浮かんでスーっとエリザベスの世界に頭が飛びました。
エリザベスを観たのがかれこれ9年前ですから記憶もあやふやなんですけど。また観たいですのぅ。

まる | URL | 2008年11月05日(Wed)23:48 [EDIT]

初コメント失礼します☆

早速見に行かれたんですね!
うらやましい~、私も早く見に行きたいです

ナタリー・ポートマンて言われてみれば
コスプレが多いですね(笑
でも「ダージリン急行」での
セクシーな役がお気に入りだったりします
「地上より何処かで」も見てみたいです

>まるさま。

P | URL | 2008年11月06日(Thu)17:58 [EDIT]

いつもは終映ギリギリのことが多いです。
割りに早く観に行けましたー。

ホテル・シュヴァリエのナタリーはかなり大胆でしたね!あんなナタリーを観られるなんて!うふふ…。でもセクシーとかはあまり思わなかったです。美しいけどイヤラシクナイ感じで。まだ私の中ではマチルダなのかなぁ。

白 | URL | 2008年11月06日(Thu)19:53 [EDIT]

新作連続3本の中では、これが観てみたいです。先に「ゴヤ」を観ないと、もうすぐ終わってしまいそうな… 世界史でやりましたが、この頃のイギリス史、すっかり忘れてます。今日UPしたメアリーさんとは違うメアリーさんなんですね。こっちはアンさんが首チョンパされるだ… 昔って、残酷ですね。

「スフィア」は小説の方が面白かったですが、小説もそれほどではなかったような… 「タイムライン」はメロメロのバトラーさんも出てましたね(笑)。イエスのビデオは「サイン・オブ・ゴッド」ってヤツですか?(未見ですが、面白そうな…) 「ジュラシック・パーク」は1作目ですよね。映画館でたまげました。けど、たくさん映画になってますよね。

>白さま。

P | URL | 2008年11月06日(Thu)20:07 [EDIT]

goya-mitaは本当にお勧めですお。あれは良い映画だ!
ヨーロッパの歴史はとことんグダグダですよねぇ。まあこの映画の舞台はまだ落ち着いてる頃か。英国国教会の設立!が目玉かしら。
こっちのメアリさんはあまり情報が残ってないそうですよ。アンが強烈だから。

スフィア、読まなくても良いかなーっと。w
タイムラインのバトラー氏は素敵でした…。むしろそれだけか。
サイン・オブ・ゴッドだ、そうだTV版。でも話がかなり違ってるので、私は原作のほうが好きです。後味爽やか!

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