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ブラインドネス 【先入観 なしで見詰める この世界】

tag SF ヒューマン パニック サスペンス

『ブラインドネス』 Blindness
2008年・日本=ブラジル=カナダ
ジョゼ・サラマーゴの『白い闇』を原作とするパニック・サスペンス映画。

 漂う無国籍感。製作国には原作者の国ブラジルも参加。俳優陣も不必要なほどに国際色豊か。というのも、映画化にあたって原作者が出した条件に「どこの国が舞台とかわからないようにすること」というのがあったから。

 blindnessは名詞で失明・盲目・無知といった意味。人類総失明映画のタイトルとして直球ですね。
ブラインドネス (ジュリアン・ムーア 主演) [DVD]ブラインドネス [DVD]
(ジュリアン・ムーア 主演)

コトノハ


"I've got blind."
(失明しました)

突然視界に溢れる光の洪水。目の前がただ真っ白になり、何も見えなくなる。失明というと暗闇のイメージだが、そこを白くすることで特殊性と謎な不気味さが強調されている。

どんな映画?
 どこの国ともわからない、登場人物たちの名前もほとんど不明のままに進む映画。突然失明した一人の男、広がる感染。人々は白い闇に包まれていく。

 まず、日本語の台詞に日本語の字幕って意味わかんない!(´・ω・`)あまりに珍妙で笑ってしまった。英語字幕なら良かったのにな。映像はわざと暗くしたりソフトフォーカスにしたり露出オーバーにしてみたり、とても凝っていた。しかもそれがウザったくなくて、映画全体としてのまとまりを醸しだしている。素晴らしい。

 で、結構酷い場面(性的な意味で)がありますの。海外の掲示板読んでたらこんな書き込み発見。

「あのシーンはなんで映像がはっきりしてないの?なんで?見せろよ。でも他の書き込み読んでると、酷いとか耐え難いとか書いてあるな。おい、もしや俺の観た映画館の映写技師が加工したのか?!どうなんだよ。みんなはちゃんと見えた?」

それに対するレス⇒「お前、マジであのシーンをきっちり見たいわけ?だとしたらマジキチ確定。」

(´・ω・`)・・・レスした人に同意。
充分すぎるほどに辛かったよ、あのシーン。見るに耐えないよ。というような感じで、エグいシーンが意外にもたくさんあるのでご注意を。

 人間の醜いところテンコモリだけど、なんていうか、そんな中でもなんとか生きようとする人々に心動かされる。価値観の合うもの同士が一致団結して、道を切り拓いていく強さ。目が見えないからこそ見える、人の本質同士の繋がり。だからある意味、また見えるようになるなら、それは本質が見えなくなるってことになりそうで、いっそ失明状態のほうが幸せなんじゃないか。主人公グループの黒人の老人は言っていた。「今が一番幸せだ」と。

 全世界失明といえばジョン・ウィンダムの『トリフィド時代』(1951年)という小説。こちらでは、ある晩を境に世界中が失明し、失明を免れた少数の者たちが食人植物と戦いながら生きていく世界が描かれる。『トリフィド』と本作が決定的に違うのは、“徐々に感染していく”ところだと思う。当初は少数派だった患者がみるみる数を増やして、緩やかに社会が崩壊していく。それによって自分がいつ感染するかわからない恐怖、感染者に対する虐げが描かれていた。一頃のHIVなんかを思い出しましたなぁ。
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俳優は誰?
 たった一人なぜか感染しない女性にジュリアン・ムーア。およ?金髪になっておる。ジュリアン・ムーアといえば赤毛という等式が成り立っているので居心地の悪さがあったけど、まあ慣れた。彼女の顔を顰めた泣き顔が大好きです。この見える女性は、見える事実を隠しているために少々消極的に映ってしまいます。でもバレたら、利用され尽くすわけだから慎重にならざるを得ないよね。暴力的な一団に捕まって、手かせでも嵌められて脅されて利用されるのはイヤだ。

 その夫で医者にマーク・ラファロ。肩の力の抜けた実力派ですよね。どうしようもない悲哀が滲み出てましたよ。

 最初に失明する男に伊勢谷友介。髭が生えない。失明しても剃ってたのかしらね?髪型も崩れない。見えないとわかっていても身だしなみを整えちゃう人って設定だったのかなぁ。

 その妻に木村佳乃。そういえば彼女って帰国子女だったなぁって久々に思い出した。そこを売りにしてないのか謙虚なのか、もっと前面に出して良いと思うんだけど。いまいち地味な女優さんだよね、やっぱ控えめなのかなぁ、独自色がない。と言いつつ、本作ではアクの強いメンバーの中で健闘していた。ちょっと安心。

 あとはダニー・グローバーがアイパッチをした黒人の老人。切ない役。彼は失明する前も人の本質が見える人だったんじゃないかなぁ。その象徴としてのアイパッチ?

関連作品のようなもの
白の闇原作本。
白の闇
ジョゼ サラマーゴ
トリフィド時代―食人植物の恐怖 (創元SF文庫)全世界盲目といえば、この小説。本当に傑作なので一読お勧め!
トリフィド時代―食人植物の恐怖 (創元SF文庫)
ジョン・ウィンダム;井上 勇
ドーン・オブ・ザ・デッド ディレクターズ・カット プレミアム・エディション [DVD]一連のゾンビものと構造が同じ。突然の変異、感染、パニック、争い。
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サラ・ポーリー;ヴィング・レイムス
ブラインド・フューリー [DVD]ブラインド・フューリー [DVD]
ルトガー・ハウアー

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