猫の毛玉 映画館

映画感想文を体内で丸めて吐き出す。

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ミスト 【運命は 切り拓いても アイロニー】

tag SF ホラー パニック サスペンス ヒューマン

『ミスト』 The Mist
2007年・アメリカ
スティーブン・キングの中篇を原作にフランク・ダラボンが脚本・監督したホラー映画。

 皮肉な映画が好きです。だから本作も好きです。ゾンビものやパニック・ホラーは、ソノモノよりもソレによって露になっていく人間性が面白いものですが、本作はその意味でピカイチと言えましょう。このジャンル定番の小物や設定をうまく使って、実はアンチな回答を示すという素晴らしい映画でしたよ。
ミスト [DVD]ミスト
(2008/09/17)
トーマス・ジェーン
マーシャ・ゲイ・ハーデン

コトノハ


"I wouldn't have done that if there had been any other way."
(他に方法があったなら、やらなかったさ)

 それぞれが信じる道を進む。これしかない!と生きるために。その道が生に続く道なのかは、誰にもわからない。でもこの台詞を言った射撃チャンピオンのオリー、カッコイイぜ!

どんな映画?
 もう本当酷い。良い意味で。たくさんの人物が出てくるけど、それぞれにごく普通の人たちで、突然の異常事態に戸惑うばかり。何が起こっているのか、この霧の中にはナニがいるのか、そのナニかに捕まれば殺されるということしかわからない。

 パニック・ホラーお定まりの、あの赤い斧、スーパーマーケット、閉じ込められた人々、その人々の対立、宗教的解釈、『エイリアン』みたいなシーンもある。『ザ・グリード』の深海生物みたいなモンスターも出てくる。過去のホラー映画へのオマージュたっぷり。で、ありながら、アンチ・定番ホラーな回答を提示しているのがスゴイよ。ゲームで言ったらmoon←伝わらない例え。

 生き残るために良かれと思うことをする主人公チーム。勿論他の人たちも生きるために正解だと思うことをしている。その行動の結果がどうなるか、これは誰にも予測できない。生死のラインはほんの偶然に左右されるだけで、行動が正しいとか間違っているとかそういう領域を超えたものだ。この映画はそれをまざまざと見せ付けてくれる。

 こんなときに宗教の果たす役割とは。何かに縋りたくなる、自分で考えることを放棄したくなる状況。そこに確信に満ちた、『キャリー』の母さんを思わせるユダヤ教信者が自分は預言者だと言い出す。結局、彼女に従っていればほとんどの人が生き残れたかもしれない。その為の大きな犠牲は避けられないにしろ。でも、醜く理不尽な行動に自分が耐えられるのかというと、それはまた別の問題だなぁと。そしてそれも結果論でしかないわけで。

 絶望が一番恐ろしい。どんなに生きるためにアレコレ切り抜けてきても、圧倒的な絶望というものは突然ふっとやってくる。絶望の果てには、不可解で非論理的な行動もすんなりやってのけてしまう。それもまた生死のラインの危うい綱渡り。

 ラストには、自分の守るべき者を守るために独りで行動した者と、守るべき者のためにその人には手を貸さず他の多数の人たちと団結し行動した者の、光と影が浮き彫りにされる。この鮮やかな皮肉。
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俳優は誰?
 主人公に『パニッシャー』トーマス・ジェーン。鮫パニック『ディープ・ブルー』でも、サバイバルな主人公を演じていたのでソレとダブります。なんか今しゃっくりが止まらないです。関係ないけど。

 自称・預言者にマーシャ・ゲイ・ハーデン。この人はこういう不安定な役が得意ですね。『イントゥ・ザ・ワイルド』の母さん、『ミスティック・リバー』の容疑者の妻でも印象深い不安定な女性を演じていました。

 全体的に暗く緊張感溢れる中、子役のネイサン・ギャンブルくんの可愛さに癒された!可愛いし、巧い!

関連作品のようなもの
スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)原作の中篇『霧』が収載された短編集。
スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)
スティーヴン・キング
ザ・フォッグ (ユニバーサル・ザ・ベスト2008年第1弾) [DVD]似て非なる映画。ジョン・カーペンター監督。
ザ・フォッグ (ユニバーサル・ザ・ベスト2008年第1弾) [DVD]
エイドリアン・バーボー.ジェイミー・リー・カーティス.ジャネット・リー
サイレントヒル [DVD]雰囲気が似てる映画。ゲームやったことないけどこの映画は好き。
サイレントヒル [DVD]
ラダ・ミッチェル;ローリー・ホールデン
ガシャポン  ミスタードーナツ ミスドふにゅふにゅマスコット 全6種セットガシャポン
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コメント


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シュタ | URL | 2009年01月14日(Wed)20:30 [EDIT]

この映画は私も大好きです。
が、細かいことなのですがラストがちょっと。
主人公の行動ではなくてそのあとのことです。
私の勘違いでしたら恥ずかしいのですが、主人公の前に現れるアレの音があんなに近くに来るまで聞こえない。ということです。あとあの道とアノ方々の主人公の対する対応が。

内容にはまったく関係ないので、おまえが細かいだけだと言われればそのとおりなのですが^^;

ねたバレ回避で書きましたのでうまく伝わらなかったらすみません。

>シュタさま。

P | URL | 2009年01月14日(Wed)22:09 [EDIT]

近くまで聞こえないというのは、音自体がモンスターと捉えていたのでは?実際、はっきり姿が確認できるまでモンスターだと思っていたようですし。私は不自然とは思いませんでした。

あの道?の文は仰りたいことがわかりませんでスミマセンなのです。あ、やってきた人たちが主人公に気づいていない様子のことですかね?視点が上なのと、忙しいので、気づかなかったり構ってられなかったりしたんでしょうね。あんな場所に生存者がいるとも思わないでしょうし。
だから気づいた人は首を傾げているのだと思います。意外すぎて。

人間が常に理性的に行動することはできないし、そうしたからってそれが良い方向に転がるわけでもない、みたいな。そんな無常さを感じるラストでしたね。

まる | URL | 2009年01月14日(Wed)22:55 [EDIT]

「moon」懐かしい!
好きで、昔よくやってました♪
(内容は忘れちゃったけど(^^;)

この映画はラストがすごいですよね
残酷・・・

>まるさま。

P | URL | 2009年01月14日(Wed)23:01 [EDIT]

まるさんのイメージにmoonは合いますね。w
最近懐かしくてやり直したんですが、やっぱり傑作ゲームでした。特に音楽が!

ラストの残酷さこそが映画のテーマをギュっと表していますよね。一本筋の通ったホラーでした。

シュタ | URL | 2009年01月15日(Thu)20:43 [EDIT]

どうも伝わりにくい文ですみませんです^^;

音は私としては違うやり方が、あったんじゃないかと思うのです。いままでのモンスターの声(?)とは違うものが近づいてくるとかで。

道のほうは逃げるとすれば幹線道路でしょうになぜあんな道なのかと思ってしまったわけです。
アメリカの田舎をつなぐ道はあんな物なのかもしれませんが^^;

>シュタさま。

P | URL | 2009年01月16日(Fri)00:05 [EDIT]

そうですかー。
私は別にどちらも映画のままで良いと思いますけども、人それぞれですね~。
田舎の道路を霧の中ひたすら南へ走っているのだから、あんな道でもおかしく感じませんでした。

umetraman | URL | 2009年01月18日(Sun)01:41 [EDIT]

こんばんは!

オリー、カッコいいです(笑)。男です。よくぞやってくれました。しかし、あのまま教祖らと一緒だったらひょっとして・・・。うん、でもあの脱出後の時間の経過がよくわからないので、スーパーもどうなっていたかはわかりませんね。
あの車で逃げる途中、ズシーン、ズシーン、とくるとこ。幻想的で大好きなシーンです。怖いとかそういう感じじゃないんですね。現場にいる人らにとっては絶望的なんでしょうけど(笑;)。

ガツンと応援~♪凸

>umetramanさま。

P | URL | 2009年01月18日(Sun)11:45 [EDIT]

もうあの銃を構える格好がね、カッコイイでしたね、オリー。行動のすべてが見た目に似合わずカッコイイ!

店長も結局スーパーに舞い戻っちゃったし、私はあのスーパーに残された人たちは無事だったんじゃないかなぁと。ガソリンなくなるまでってどのくらいの時間でしょうね?

最後のデカイやつが現れるところ、なんだか畏敬というか圧倒されるものがありました。恐怖とかを超えた何かが。

ケロぞう | URL | 2010年08月05日(Thu)15:37 [EDIT]

カミさんと観ました。まあまあ面白かった。
これは、ラストには賛否両論あると思う。
ただ、ラストを描くために2時間の映画を作ったんではなく、
むしろ、強烈なストレス下での行動心理を描来たかったのでは?
と思ったよ。
預言者の女優はいい演技してましたね。
思わず憎々しげに感じてしまうほど。
ああいう役者は好きだなあ。

>ケロさま。

P | URL | 2010年08月05日(Thu)17:12 [EDIT]

ラストに失望してクソ映画認定してる人も結構いるんですよね、この映画。
そこは好みの問題で、私は大好き。
もちろん、極限状況での人間心理・行動を描くのはこのジャンルではアタリマエ。
パニックの原因やモンスターはマクガフィンなんですよね。
そのあたりも素晴らしくよく描けていたと思います!

加えて、従来の“主人公の選択に間違いはない”風潮を皮肉ってみせたのかな、と私は思いました。

マーシャ・ゲイ・ハーデンは素晴らしいです!ケロさんには『イン・トゥ・ザ・ワイルド』おすすめ。

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