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オーストラリア 【凛々と 引受ながら 手放して】

tag ヒューマン ファンタジー コスチューム 恋愛映画 戦争

『オーストラリア』 Australia
2008年・オーストラリア=アメリカ
第二次大戦直前のオーストラリアを舞台に繰り広げられる愛の物語。

 バズ・ラーマン監督xニコール・キッドマン主演xヒュー・ジャックマン相手役xデヴィッド・ウェンハム敵役とオーストラリア出身の方々がオーストラリアで繰り広げるメロドラマだよ。

 なんかファンタジー。監督は自国の歴史を丹念にリサーチしたんだそうですけど、あまり活かされていない様子。映画の背景にはアボリジニの児童隔離・白人同化政策(盗まれた世代)、食肉産業の覇権争い、日本軍のダーウィン空襲などが濃い影を落としています。

が、映画では1942年とされていた日本軍のダーウィン爆撃は実際には1941年です。そしてなぜか日本兵がダーウィンほど近くの島に上陸している描写がありました。うん、そんなとこ上陸してないよね。大分遠い島には居たけどさ。まあ、些細なことだからいいんだけど。
オーストラリア (ニコール・キッドマン 主演) [DVD]オーストラリア
ニコール・キッドマン

コトノハ


"Pride is not power."
(プライドは役に立たない)

 食肉業界を牛耳るフレッチャーが、英国の貴婦人レディ・アシュレー(ニコール・キッドマン)に何度も言う言葉。権力を持つ男はプライドしか武器のない女など怖くないのだ。でもプライドは大事よね。

どんな映画?
 前半はコメディタッチに、貴婦人アシュレーがワイルドな土地にやってきて一人浮いてるんだけど思いがけない事態からある仕事をやり遂げるまでを描いている。ぶっちゃけ牛追いだ。私、牛追い、少しだけやったことある。徒歩でステッキを使って数頭を隣の囲いまで追った。映画では遙かに雄大に1500頭を馬で追う。迫力あった!

 後半は戦争。そしてそれぞれの愛と責任の決着。各人が何かをしっかり受容する。ラストはアボリジニの少年が旅を終えたのだなぁというカタルシス。アシュレーが保護する少年ナラは可愛かったっす。そのお爺ちゃんのキング・ジョージもミステリアスで味があった。

 とにかく165分と尺が長いのと、折角のオーストラリアの雄大な自然が美しい映像となっていないことに残念感が募る。メロドラマであり、ファンタジーであり、歴史活劇であり、戦争ものであり、白豪主義への反省であり…なんだか様々な要素がない交ぜになっていて混乱する。いわゆる中途半端。とりわけファンタジー部分と歴史的事実が微妙な案配で、居心地の悪さを感じちゃった。

 愛を別にすればアボリジニ的テーマがメインなんだと思うけど、エグい描写は一切無く、かなりアッサリと表面的に描かれていた気がする。子供達を合法的に親元から引き離し白人教育を施した、そんな黒歴史。映画のラストに「豪政府は2008年、盗まれた世代に関してアボリジニに正式に謝罪した」と書かれている。白人同化政策は1910年代から1970年代まで続いたのだから、30年間知らんぷりしてたんだね。とても遅いけれど、ないよりは良い。新しい一歩だ。

 ところで、アボリジニの文化では作中に出てくるように“死んだ人の名を口に出してはいけない”のだそうだ。そして、死んだ人の姿を写真などで見ることもタブーなんだそうだ。だから、オーストラリアではアボリジニが出演している映画には「本作には故人の声や姿を含む場合がありますのでご注意ください」と最初にテロップが付くんだそうです。
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俳優は誰?
 凛とした貴婦人レディ・アシュレーにニコール・キッドマン。なんか2004年以降、パっとしない感じね。美貌は衰えないけど作品に恵まれない昨今。で、『記憶の棘』(2004年)あたりから唇がぽってりしましたね。科学の力を借りずとも、薄い唇がクールな美貌を醸してたのに。

 お相手の牛追い男にヒュー・ジャックマンね。ケツアゴ&胸毛なセクシーバイオレット。そしてウルヴァリン。アメリカでは5月に公開の『X-メン オリジンズ:ウルヴァリン』が楽しみです。日本公開はいつでしょうか?これも『アンダーワールド ビギンズ』みたいに上映劇場少ないんでしょうか?

関連作品のようなもの
裸足の1500マイル リミテッド・エディション (限定生産2枚組) [DVD]アボリジニ隔離政策をテーマにした映画。
裸足の1500マイル リミテッド・エディション (限定生産2枚組) [DVD]
エヴァーリン・サン ピ; ローラ・モナガン
トラ・トラ・トラ! [DVD]日本兵の爆撃シーンはこの映画の映像を使用。
トラ・トラ・トラ! [DVD]
マーチン・バルサム; ジョセフ・コットン
オズの魔法使い [DVD]作中で引用される映画。登場人物の設定がよく似ている。
オズの魔法使い [DVD]
レイ・ボルジャー/ジャック・ヘイリー/バート・ラー/ジュディ・ガーランド
オーストラリアの不思議100オーストラリアの不思議100
福田 達朗; 藤原 幸一

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コメント


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茶栗鼠 | URL | 2009年03月26日(Thu)01:23 [EDIT]

Pさん、こんばんはです。

二人とも好きな俳優さんで、もっと評判がよかったら観ようと思ったんですが、詰め込み過ぎてエンターテイメント作品としてできあがってるらしいので、旧作レンタルで我慢しちゃいそうです。


白人同化政策など、とても興味深いのですけど、どうも165分と尺も長いですから、それだけではないでしょうし。
ボトックス症候群になる前は、二コールさん綺麗だったんですけどねぇ。

サイズ君 | URL | 2009年03月26日(Thu)09:00 [EDIT]

Pさん、こんにちは~。
いっつも読み逃げで、すんまそん<(_ _)>
雑誌名は忘れちゃったけど、ニコール、「この作品は失敗した」と発言したそうで?!
ゴシップ系の記事だったので疑わしいですが、ほんとだとしたら、スタッフが慌ててそうで面白いかも?

>茶栗鼠さま。

P | URL | 2009年03月26日(Thu)14:51 [EDIT]

こにちはー今日は良い天気です。

詰め込みすぎて、エンタメにすらなっていないですよ!バズ・ラーマンはもっとやっぱりファンタジーバリバリの方が良いですね。
アボリジニに関しては非常に薄く、そう言う意味で観るなら『裸足の1500マイル』を観た方が全然良いと思います。

キッドマン、唇に注射するのやめればいいですのにね。お肌の方は仕方ないとして。でもトークショーで美容整形はしていない、完全にナチュラルよって言い切ってました。嘘つき!ま、美しければ問題なしですよね。
私もキッドマン好きなので、ここ数年キャリアがぱっとしないのが残念です。

>サイズ君さま。

P | URL | 2009年03月26日(Thu)14:58 [EDIT]

こにゃにゃちは~。
いやいや私もいつも大抵読み逃げです。そんなものです。

キッドマン、そんなこと言ったですか?もう大体劇場公開も終了したろうから、何言っても良いですけどね。大体、この話を持ちかけられて台本も読まずにOKしたというから軽率ですよね。監督への信頼と、母国への思いがあったとしても。巻き込まれたヒューも可哀想です。

でも前半は面白かったですよ。キッドマンが浮いていて。衣服的にも芝居的にも。最近のキッドマンの作品選びはどうもダメな感じですので、エージェントしっかりせぇよ!と言いたい。

kino | URL | 2009年03月28日(Sat)01:03 [EDIT]

雄大な大自然を楽しめるかと思ったんですが、内容が、てんこ盛りで、観てて、落ち着かなかったです。おじいさんと少年は良かったので、ファンタジー部分は好きでしたけど、シリアスやコミカル場面は、歯切れ悪いので、長過ぎる映画に感じました。
少なくとも、オーストラリアのアピールには、なってなくて、これを観たら、オーストラリア人て、雑な人たちって思われるんじゃないかなー。

>kinoさま。

P | URL | 2009年03月28日(Sat)13:18 [EDIT]

そうなんですよね、自然の景観を期待したのに、なんともお粗末なCG加工がワル目立ちしてしまって、残念でした。少年と爺さん、良かったですね!むしろあっちを主軸に・・・と思ったほど。
あと、カンガルーをみて可愛い!と言ってはしゃぐキッドマンのシーンは面白かったです。

オーストラリアのアピールというのはどうなんでしょうね。あんまりそういうことは考えてなさそうですが。歴史、と言う意味でも薄っぺらかったですし。せめてエンタメとして楽しめる作品なら良かったのですが。

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