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猟人日記 【償いも 愛することも 何一つ】

tag サスペンス 犯罪 ミステリ

『猟人日記』 Young Adam
2003年・イギリス=フランス
アレグザンダー・トロッキの小説『ヤング・アダム』を映画化。

 ポッケ村に住むハンターの日記ではない。舞台は1940年代のスコットランド、グラスゴー。川を往来して荷を運ぶ船のオーナー夫婦(ティルダ・スウィントンピーター・ミュラン)と、そこに住み込みで働く作家志望の青年ジョー・テイラー(ユアン・マクレガー)。そんなジョーのだめだめ日記だよ。

 原題はヤング・アダムで“未熟な男”。そんな内容なのでヤング・アダムのままで良かったと思う。この邦題だと猟奇的エロものかと勘違いしてしまうよね。ね?え…しない?…(´・ω・`)
あと、ツルゲーネフの『猟人日記』とは何の関係もないと思う。

 全編暗い映像と雰囲気で、文芸モノが好きなら良い映画だと思うだろう。刹那的に生きる人間の弱さが一貫して描かれているよ。
猟人日記 [DVD]猟人日記 [DVD]
ユアン・マクレガー
ティルダ・スウィントン

コトノハ


"It just happened."
(なりゆきでそうなった)

 他にも「仕方ないのさ、こうなる運命だったんだ」とか主人公は言っている。何もかもイヤになって自暴自棄な彼は、ただ漫然と状況を受け入れて過ごす。でも都合が悪くなると逃げ出す。その繰り返し。

どんな映画?
 ある日流れ着いた女の水死体。それをひきあげる男二人―ジョーと彼の雇い主。ジョーは死体にそっと触れ、何かを思う。その後、ジョーは雇い主の妻を誘惑して寝たりしながら過ごす。

 場面転換が時間軸の転換になっていることに最初は気づかず、曖昧な現在と過去を行ったり来たりする。見ながら頭の中で整理する必要はあるだろう。一度現在と過去の繋がりに気づけば、ジョーの過去の闇と、それに対するジョーの態度についての話なのだとわかる。

 このジョーは、もんのすごい自分勝手な男なわけで、カスタード・ファックのシーンは酷すぎて呆然とした。あれって、片付けは彼女がやるんだろうなぁって思ったら情けなくて泣ける。これは是非観て共感してほしいところ。

 ジョー演じるユアンて、いい男なのにじっとりしたキモい役が似合う。本作でも変態ぶりを大いに披露。なんだろうね、この負のオーラ。出演者は皆ピタリハマっていて素晴らしい。ティルダ・スウィントンの疲れた中年女性ぷりとか、エミリー・モーティマーの可愛さと素敵なおっぱいが印象深い。本当に!

 あんまり内容を知らずに観たほうが良いと思うので、仔細には書くまい。英国情緒たっぷりの映像、ばりばりのイギリス英語で特徴ある発音が楽しめます。

 川の底に沈めたものが彼の心の澱となっていく。成すべきコトを何も成せずに日々を送る人間の弱さ。ラストには自分の手の届かないところに行ってしまったものに、決別する。これも川の底に沈めてしまおう。
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関連作品のようなもの
ヤング・アダム (Modern&Classic)原作本。
ヤング・アダム (Modern&Classic)
アレグザンダー・トロッキ
マッチポイント [DVD]エミリー・モーティマー出演作。可愛い~。映画自体面白いよ。
マッチポイント [DVD]
ジョナサン・リース・マイヤーズ; スカーレット・ヨハンソン
普通じゃない [DVD]ユアン主演映画。いつもじっとりした役だね。
普通じゃない [DVD]
ユアン・マクレガー; キャメロン・ディアス
釣りバカ日誌 [DVD]釣りバカ日誌 [DVD]
西田敏行; 三國連太郎

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コメント


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こんばんは!

なるは | URL | 2009年05月28日(Thu)22:57 [EDIT]

>ユアン主演映画。いつもじっとりした役だね。
映画レビューとはちょっと外れたところですが、
ソコに注目してしまいました(笑)

思えば私はユアンの作品あまり観てないんですが、
じっとりというか、負のオーラというか、
なんだかそれがすごくよくわかります。
『猟人日記』も存在すら知らない映画でした。
いつか観てみたいです。

『天使と悪魔』のユアンの負のオーラは最高でした!!

>なるはさま。

P | URL | 2009年05月28日(Thu)23:56 [EDIT]

はい。私の中ではユアンはじっとり不気味な男です。
なんか陰にこもってて、ちょっと離れた物陰からじっとり対称を見ているストーカーのような。
そんなイメージです。いや、嫌いじゃないんですけど。
『彼が二度愛したS』もそうでした。こういうじっとり系やらせたら天下一品ですよね。
天使と悪魔、早くみたいな。その前に『ブッシュ』とか『グラン・トリノ』とか観なきゃ!

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