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それでも恋するバルセロナ 【本当は 無いものねだりな 女達】

tag 恋愛映画 コメディ

『それでも恋するバルセロナ』 VICKY CRISTINA BARCELONA
2008年・アメリカ=スペイン
ウディ・アレン監督のアイロニックな恋愛映画。

 年に一度のヽ(´ー`)ノウディ・アレン!2007年分の前作"Cassandra's dream"(ユアン・マクレガーコリン・ファレル主演)が日本で公開されなかった為、久々のアレンなわけです。てゆーか、なんでDVDすら出てないわけだよ?ロンドン三部作の〆ですのに!んーで、ロンドンが終わったので今回はバルセロナが舞台でしてよ。でも次回作(2009年分)"Whatever works"は久々ニューヨークで撮ったらしいよ。日本公開、決まってないけど。たぶんやらないね。またか!またか!その次の2010年分はまたロンドンに戻る様子ですよ。アレンのNY離れは止まらないのかね。

 さて、原題はヴィッキーちゃんとクリスティーナちゃんがバルセロナで。淡々とした映画の内容に合っていて、主役の二人とバルセロナというシチュエーションが主題に合っていて良いよね。邦題は頑張って雰囲気出したけど、なんか軽いラブコメなイメージが醸されて、内容とまったく合ってないでした。“それでも”って何?残念。笑えるラブコメを期待して観た方はガッカリするでしょう。淡々として軽妙な、皮肉のこもった、毒のある恋愛映画。
それでも恋するバルセロナ [DVD]それでも恋するバルセロナ [DVD]
スカーレット・ヨハンソン
ハビエル・バルデム

コトノハ


"That was passing rain. Now it's over."
(一時的なものよ。もう終わったわ。)

 ヴィッキーの言葉。passing painかもしれない。正しく聞き取れてないかもー。なんにしろ、二人の女の子の中をバルセロナという経験が通り過ぎていった。それ以上でも、それ以下でもない。

どんな映画?
 オープニング&エンディングのスタッフロールが昔っぽい感じで、お?と思ったよ。『ゴーストシップ』もこんな感じだったわね。関係ないけど。

 割と平板に淡々と進む、ひと夏のバルセロナでの出来事。堅実派で婚約中のヴィッキー(レベッカ・ホール)と大胆で進歩的なクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)は親友で、芸術好き。性格は違う二人だけど、お互いを尊重している。バルセロナ滞在は恋の予感?

 二人は画家ホアン(ハビエル・バルデム)に誘われ、一緒にオビエド旅行に出かける。クリスティーナは彼にその気があるけど、ヴィッキーはまったく相手にしない厳しい態度。おかしな3人の旅行もひょんなところに落ち着いてバルセロナに帰る。その後ホアンはクリスティーナを誘い、二人は恋仲になるも、ホアンの元妻で天才画家のマリア・エレナ(ぺネロペ・クルス)が割って入ってくる。

 あれこれ入り乱れる恋のてんやわんや。複雑な気持ちを抱える登場人物たち。決して深入りした描写はしないので軽快だけれど、空しさや羨望、葛藤がしっかりと感じ取れる。とりわけクリスティーナとマリア・エレナの奇妙な関係、マリア・エレナとホアンの難しい関係、ヴィッキーの婚約者ダグに対する複雑な思いは人生の変てこさ・ままならなさをリアルに描いていると思った。

 ヴィッキーの婚約者ダグは良い人だけど、なんていうかレッテルを貼りたがる。愛にも名前が必要だと真剣に思っているタイプの男。よく言えば真面目、悪く言えばツマラン奴。そんなダグがクリスティーナの変わった愛の在り方を聞いて、テンから馬鹿にした感じなのが可笑しかった。哀れな奴よのぅ。

 マリア・エレナの本物っぷりにドン引きしたのはヴィッキーですが、クリスティーナもたぶんドン引きしていた。でもきっとクリスティーナはマリア・エレナみたいな本物になりたかったに違いないので、引いた素振りは見せない。そして、本物の天才マリア・エレナを知ってしまった今後のクリスティーナは、もうどんな自分にも満足できないんじゃないか、と思った。

 いつまでも無いものを追い求めるクリスティーナ、現実的に安定した生活を選びながら欠落を感じるヴィッキー、完璧なアーティストであるからこそ普通には生きられないマリア・エレナ。誰もが同じくらい、人生に欠けた何かを満たしたがっている。私たちも、誰かを羨望しながら、欠けた何かを探しながら、なんとなく不満を抱えて生きている。違って見えるけど、みんな同じ。
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俳優は誰?
 クリスティーナ役のスカーレット・ヨハンソンを知ったのは、『モンタナの風に抱かれて』の主人公の娘役、乗馬中の事故で足を切断しちゃう少女が最初だった。馬の映画は好きでよく観てるのですが、この映画は熟年不倫愛がメインではあるけど良い映画でした。

で、ウディ・アレン作品に出始めたのが『マッチポイント』で、これが面白かった。アレンがそれまでのニューヨークを出て、英国で映画を撮るようになったのもこの映画から。ヨハンソンはセクシーでミステリアスな雰囲気が素晴らしかった。続くアレン監督作『タロットカード殺人事件』では丸めがねをかけてマシンガン・トークという新境地を見せてくれた。ヨハンソンの美女ぶりが印象に残る映画と言えばオスカー・ワイルド原作の『理想の女(ひと)』!そしてちょっとお茶目な『アイランド』も良かったなぁ。非常に多作なので全部の作品は見てないけど、魅力のある女優さんですよね。

 そして本作でアカデミー助演女優賞をとったぺネロペ・クルスちゃん。正直、賞をとるのは『レスラー』のマリサ・トメイが妥当だと思うけど。アメリカ映画でこれだけハッチャケた役をやったのは初めてだったかな。アメリカでは可愛い小悪魔扱いされてたもんね。本国スペインでは汚れ上等なのに。ぺネロペがやっとハリウッドでも本領を発揮できたので良し、ですかね。私はヨハンソンよりもぺネロペの方が好きです。

 ラテン系の画家ホアンを演じたハビエル・バルデムは、やっぱりスペインの名優。こんな色気たっぷりな彼は初めて観たお。『宮廷画家ゴヤは見た』でのロレンソ神父が印象深い。白目剥いてるあれです、あれ。

関連作品のようなもの
カトリーヌ・Mの正直な告白 (ハヤカワ文庫NF)クリスティーナが読んでいた本。原題は"The Sexual Life of Catherine M."。
カトリーヌ・Mの正直な告白 (ハヤカワ文庫NF)
カトリーヌ ミエ
疑惑の影 [DVD] FRT-102ヴィッキーが観に行った映画はヒッチコック。
疑惑の影 [DVD] FRT-102
パトリシア・コリンジ/ヘンリー・トラヴァース/テレサ・ライト/ジョセフ・コットン
Cassandra's Dream観たいのになぁ。DVD出してください。
Cassandra's Dream
Original Soundtrack
クリスティーナの好きなコト コレクターズ・エディション [DVD]クリスティーナの好きなコト コレクターズ・エディション [DVD]
キャメロン・ディアス; クリスティーナ・アップルゲイト

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