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地上5センチの恋心 【ありのままを 受け容れることが ハッピネス】

tag コメディ 恋愛映画

『地上5センチの恋心』 ODETTE TOULEMONDE
2006年・フランス=ベルギー
明るくハッピーで少し哀しい、中年の恋愛物語。

 恵比寿の野外映画で観てきたよ。あそこ、ちょうど風の通り道になっていて少し寒かったので、これから行く人は上着とか薄手のショールとか持って行くと良いです。今回は席には座らず、観覧席ロープのすぐ真横に山用座布団で陣取って観てきた。ちょっとお尻が痛くなったよ。

 原題はヒロインの名前、オデット・トゥールモンド。ゲイの息子と、求職中の娘と、娘のロクデナシ彼氏と4人で暮らすオデット(カトリーヌ・フロ)。愛する夫に先立たれ、一人で二人の子供を育てるためにデパートで働き、夜は羽根飾りを作る内職。辛いこともあるけれど、なんとか楽しく毎日を過ごす。そんなオデットの心の支えはバルタザール・バルザンの書く小説。

 いやあ。面白かったよ。アメリカのコメディみたいなドタバタではなくて、もっと静かな笑い。台詞も面白くて、マザー・テレサについて「顔は酷いけど心の美しい人よ」なんて言う。
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カトリーヌ・フロ
アルベール・デュポンテル

どんな映画?


 ミュージカルではないけれど、音楽がかかりオデットが歌って踊る。その可愛らしさったらないよ。明るく前向きな母親の姿は、自分の母の姿も思い起こさせてちょっぴり切ない気分になります。

 映画はオデットが観る世界、心の中をも映像化してるんですね。だから、夢見心地な気分のときはふわりと体が宙に浮く。楽しいときは周りのものまで踊っているように感じ、心に音楽がかかり盛大に歌を歌っている。わかるわかる!自分にとってはそう感じられるのだよね!

 オデットは、息子にしても娘にしてもその彼氏にしても、ありのままを受け容れて振る舞う。それが幸せのコツなんだろうな。だから絶望した小説家が突然訪ねてきたときも、憧れの素敵な小説家像を押しつけたりしない。鬱状態の彼が「俺はカラッポだ」と言うと、「無理もないわよ。あなたは与えてばかりだから」と返す。オデットがこんな風に懐の深い女性なのは、もちろん過去に辛いことがあったからだろうし、それを乗り越えてきて人の辛さも理解できるからだろう。

 アムールの国フランスの映画だけあって、恋愛模様も非常にオープン。ゲイの息子は家に彼氏を連れてきてラヴラヴだったり、娘の彼氏は家に転がり込んできて2年だし、小説家は浮気してたり。オデットは、男は浮気をするものよとデンと構えてるし。ねちっこい恋愛なんか無縁の、あっさりアッケラカーンな恋愛描写が軽妙で良い。

 笑いどころもたくさんあった。特に小説家バルタザールのパジャマ姿かわゆすw観客が笑うべきところで一緒になって笑う気持ちよさを味わえました。素敵な映画だったなぁ。自分をありのまま受け容れることが幸せを感じるための第一歩。ソレが出来れば、他人を受容することもできるはず。
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イエスについて ―ちょっとだけネタバレ
 あの時折登場するイエスはどうなったのだ?と疑問に思うことなかれ。イエスの行動とオデットの行動がシンクロしているので、イエスの存在そのものがオデットの心象風景。初登場時はアパートの入口を箒で掃除しているあの彼のことですよ。

 で、イエスの行動ってキリストの生涯をなぞってるのね。掃除をし、人々に説教し、人々の足を洗い、水の上を歩き、手から血を流し、重い木(十字架)を背負って(ゴルゴタの)丘を登り、死ぬ。手から血のとこはキリストの場合と前後してるけども、人々から嘲弄され頭を棒で散々殴られたキリストとイメージがかぶる。このときオデットはまさに職場で孤立無援の状態にあり、友人にまでユダかペテロのように振る舞われるのだ。こうしてイエスは死んでオデットの中に統合され、キリストの道を歩む(復活、昇天)。
関連作品のようなもの
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地上50センチの世界地上50センチの世界
松平 みな

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コメント


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とら次郎 | URL | 2009年08月02日(Sun)18:11 [EDIT]

おもしろいタイトルの映画ですね。
でも、感想を見ていると、よかったみたいですね。
考えさせられる映画という感じでしょうか?

ところで、野外映画ってのは一度も体験無いので興味有りますね。外で見る映画ってどんな感じですか?
よく、車でみる映画館ってのもありますが、それも体験してみたいなぁ~っと思います。

>とら次郎さま。

P | URL | 2009年08月03日(Mon)16:42 [EDIT]

なかなか小洒落た邦題ですよね。良い映画でした。映画の良さがいっぱい詰まってて。
私の場合は、考えさせられる、とは違いますが。単純にハッピーな映画ですよ。つらいことも乗り越えて、前向きに!と楽しい気分になります。

野外は気持ち良い解放感があります。風が気持ち良いし。みんなで集まって観てる楽しさもあって。まあ時折子供の泣き声とか聞こえますけどね。音響的な迫力はなくても、それなりに大きい音がかかってますので充分。
ただ、オバカコメディとかアクションなんかを観たいですね。恵比寿では土地柄そういう系統の映画は上映しないですが。

車で観る映画館、私も行ったことないです!行ってみたいけど車がない。免許もない。ホラー映画とか青春映画でよく車の映画館出てきますね。

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