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オープン・ウォーター2 【登りたい 梯子ないから 登れない】

tag パニック サスペンス スポーツ 動画付き

『オープン・ウォーター2』 Open Water 2: Adrift
2006年・ドイツ
『オープン・ウォーター』の続編と銘打っている全くの別作品。

 制作されたのは『オープン・ウォーター』よりも先だったという、ドイツ映画。でも英語作品だよ。外洋を舞台にしたサバイバル・パニック・サスペンスってとこが共通要素。結論から言うと、前作の方が断然怖くて面白かったな。今作は怖いと言うより苛々させられる。

 原題は“漂流”。実際の出来事に基づいた話、と最初に書かれているけど、具体的にどの事故/事件をモデルにしたかは不明。っていうか、たぶん嘘。欺瞞。前作はハッキリとどの事件かわかってたからこその怖さもあった。今回のはフィクションなのに、ありそうな事故だからってことでトゥルー・ストーリーと謳っているだけな気がする。
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スーザン・メイ・プラット
リチャード・スパイト・ジュニア

コトノハ


"The easiest thing in the world. It means nothing!"
(簡単だわね。そんなこと言っても意味ないわ!)

 ヨットでクルージングする6人。皆をヨットに招待したダンが、愚かなことをして悲劇が。ごめんと呟くダンに堪りかねて怒る。怒るのも無理ないよ、ダンが酷すぎた。

どんな映画?
 小さい頃に父親を海で亡くしたエイミー。側にいたのに助けることができなかった、そのトラウマですっかり水恐怖症。エイミーは結婚して子供も生まれて、まだ赤ん坊の娘と夫を連れて昔の仲間の招待に応じて海に来た。昔の友達との楽しい再会のときは、悲惨なヨット事故へと展開していく。

 てことで、エイミーの魂の救済的側面が強調されてたよ。海への恐怖の克服。今そこにいる人を助けること。助けられなかった父親への悔恨の念を解放する。

 うん、本当、皆を呼び集めてヨットでヤッフー!(´∀`)とか企画したこのダンがね、ろくなことしない!まさに愚か者だよ。正直、全部こいつのせい。こいつの馬鹿げた虚栄心が諸悪の根源!もう観ててウッゼェェェェ!ってなること請け合い。

 ダンの馬鹿野郎は置いといても、海は怖いな~大きいな~♪梯子を下ろさずに全員が海に飛び込んじゃったことに気づいたときの恐怖!取り残された赤ちゃんは泣き叫ぶ。でも泣き叫びたいのは大人たちだお!せっかくのイルカちゃん浮き袋も無駄にしちゃうし、何をしてもうまくいかない。まさにパニック、恐慌状態。すぐそこなのに、届かない。

 せっかくロープを作ったのに、なぜ体重の軽い人を先に登らせない?とか、でもってそのロープをまた使って再チャレンジすべきところをやらない。とか、しかも海に流しちゃうってありえない。とか、携帯電話が通じるなら、かかってきた電話はさっさと切って警察に電話しろ、とか。もうかなり苛々しますのよ。パニクってるのはわかるけどさ、観てる方はそりゃあもう「バカ-!」と叫びたくなりますよ。

 ティーン向けのホラー映画的な面白さはあったけど、ラストで台無しだったぜ。もっと素直な終わり方で良かったのに。てことで、ラストについて詳しくは後述。いやぁ、予告編が面白かったよねぇ。若本っぽいけど若本じゃないナレーションが楽しい。

『オープン・ウォーター2』予告編

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ラストシーンの解釈 ―かなりネタバレ
 ラストが一瞬飲み込みにくい、ですよね?結論から言うと、二人は助かったと思います。以下、詳しく見ていきましょう。

 ダンが水中眼鏡を梯子収納部分の隙間に突き刺し、両手で固定。それを踏み台にしてサラがヨットに乗船!すぐさま梯子をおろす。このとき梯子は畳んだ状態のまま、ダンは船から離れて行く。それに気づき、叫びながら救命浮き輪を投げるも届かず。躊躇したものの助けるために海に飛び込む。

 晴天の空のカット。

 ボートがヨットの周りをぐるーっと廻って様子見てるオッサンが「アホーイ」って声かける。このとき、救命浮き輪がダランと浮かび、梯子は下りたままであり更にちゃんと梯子が伸びている。でもヨットの上には誰もいない。ただ赤ん坊の泣き声が響く。

 そして画面が真っ白になってヨットの上のアップ。サラの鳴き声とボートのエンジン音が聞こえる中、エイミーが立ち上がる。ダンの背中と海の向こうを哀しそうに見つめる。すべての音はエイミーの耳に入らなくなって静かになる。

 最初は、え?なに二人は死んだの?とも思ったけど、よく考えたら素直にあのまま助かったと考えた方が辻褄が合うよ。まず、ラスト直前のエイミーが海に飛び込むシーンでは、件の梯子は下りているけれど畳まれた状態であること。だから、オッサンが来たシーンで梯子が伸びているのは誰かが梯子を使った証拠。

 問題はオッサンがぐるーっと様子見てたとき、ヨットに誰もいなかったこと。でも二人がいるのは舵のすぐ側で、船室に下りるドアのすぐ前。そこはかなり窪んだ形態になっている。ダンは突っ伏し、エイミーも寝そべっていたかしてボートからは見えなかったのだろう。だから、ちょうど死角にいましたってことでOK。

 赤ん坊を放置し過ぎってのはあるけど、二人でヨットにあがって、疲労の為にその場で眠ったのかもしれんね。体を寄せ合っていれば温かいし。んで、オッサンが来た音で目覚めてエイミーは立ち上がったと。ダンは死体にも見えるけど、ダンがいなければ操舵できる人がいないわけだし、そうすると陸に帰れないわけなので、たぶん生きてる。それを知っているからエイミーはボートのオッサンを見送ったのだと思う。

 ここでお知らせ。どうもドイツで放送されたTVバージョンではラストにテロップが付けられたらしい。「エイミー、サラとダンは生き残った。その後互いに会うことはなかった」って。なんでドイツでだけこんな説明がされたの?また、監督によれば、元にした実際の事故では6人全員が死亡したという。その事故ってどの事故だよ?

 いずれにしろ、エイミーさんが逃げていくアホの為に娘を放って再度海に飛び込むとは何とも信じがたい。ダンは最後まで愚かっぷりを発揮して苛々させてくれたね。
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関連作品のようなもの
オープン・ウォーター [DVD]とんでもなく怖かった前作。2との関連性はない。
オープン・ウォーター [DVD]
ブランチャード・ライアン; ダニエル・トラヴィス
仄暗い水の底から (角川ホラー文庫)海外サイトでは、この短篇集の『漂流船』が原作と言われている。でも全然違うよね。
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冒険野郎マクガイバー シーズン1〈日本語完全版〉 [DVD]マクガイバーねたも出てきたよ。
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リチャード・ディーン・アンダーソン; ダナ・エルカー
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コメント


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lifeonmars | URL | 2009年08月11日(Tue)22:51 [EDIT]

公開当時トレーラーがテレ東の木曜洋画劇場の予告っぽくて、一部で話題になってましたよね。よっぽど予算が無かったので、おふざけで話題になるしかなかったのかと邪推してました。
そういえば、これを日本のお笑い番組(探偵ナイトスクープだったかも?)で実験してましたが、色々やっても船に上がれず全員ギブアップしてました。

>lifeonmarsさま。

P | URL | 2009年08月11日(Tue)23:06 [EDIT]

予告が面白いって、昨年、人に聞いて知りましたよ。
本当に面白くてズッコケました。
そして、泳げない私にはかなり怖い映画でした。

そんな実験してたんですかぁ!面白そうですね、それ。
やっぱり上に上がれないのかぁ。絶望しますね。映画ではロープを作ってましたが、あれがうまく引っかかるかどうかも運ですしね。
山でも海でも、軽率な行動が命トリになっちゃいますね。こわいこわい!

サイズ君 | URL | 2009年08月13日(Thu)09:50 [EDIT]

前作、すっごくでき良かった分、なんか駄作加減が過ごそうですね。
ここまで来ると、その駄作加減を見てみたいかも(^_^;)
泳げても、海って未知の部分があるから怖いよね。目の前に船があるのに、上がれないの。力尽きちゃう。
2006年ならレンタルあるかな?ゾンビと一緒に借りようかな、ちょうどお盆だし( ̄ー ̄)ニヤリ

>さいず君さま。

P | URL | 2009年08月13日(Thu)12:37 [EDIT]

前作が怖すぎた!
これも怖いけど、人の愚かさとか、虚栄心、協力しあわないこと、冷静になれないこと、といったほうの怖さかなぁ。
すぐそこで赤ちゃんの声が聞こえるのに、自分達はヨットにあがれない。怖いねー!
レンタルあるよ。GEOで借りてきた!

ロープ

TERRY | URL | 2009年08月24日(Mon)13:31 [EDIT]

興味深く拝読いたしました。
多々ある彼らの愚かな行為についてご指摘されていらっしゃいますが、概ね僕も同感です。一点、ロープのくだりですが、あのロープでは相当な腕力がなくては登れないと思いますので、ダンが先陣を切ったことについて僕はそれほど不自然に思いませんでした。しかし、ロープの端に輪を作り、そこに足をかければ、あの時点なら細腕のミッシェルでも登れた可能性はあると推測します。
また、船体の横に三角形の突起物がついていましたが、あそこに星条旗の切れ端輪を通して足場用の輪を作ることも可能だったかと。それらを一通りやって、ダメだったという設定なら、もっとリアリティが増したと思うのですが、おしかったですね。でもミッシェルの逝き方には説得力を感じました。体温の低下と疲労が極限に達すれば、もうロープはおろかはしごでさえ、一人で登るのは無理かもしれません。怖かったです。
最後に、ラストシーンの解釈、感服いたしました。ありがとうございました。

>TERRYさま。

P | URL | 2009年08月24日(Mon)20:22 [EDIT]

腕力ですかー。そうですね。下でみんなで下半身支えてもダメですかね?実際やってみないことにはアレですけど、もうちょっとイロイロ諦めずに試してみれば良いのに!って思いますよね。せっかくのロープ捨てんな!

ミッシェルは一番取り乱してましたね。パニックで疲れたのと痩せててすぐに体が冷えたのとあるんでしょうね。ちなみに私は水怖いので海には入りません。サラみたいに強制的に放り込まれたら、パニックだし泳げないしで役に立たないと思います。

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