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サンシャイン・クリーニング 【みじめだと 思われたくない みじめ気分】

tag ヒューマン コメディ

『サンシャイン・クリーニング』 SUNSHINE CLEANING
2008年・アメリカ
お金のために事件現場清掃を始めた姉妹のヒューマン・ドラマ。

 コメディってことになってるけど、コメディ分はほとんどなかったよ。大袈裟に感動させてやんよ!みたいな意気込みはなくて、じんわりくる系の家族ドラマです。こういう落ち着いた映画、良いね。派手な出来事はないけれど、徐々に変わっていく登場人物たちの心情にグっときた。
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エイミー・アダムス
エミリー・ブラント

コトノハ


"It was sorta a do-it-yourself thing?"
(なんつーか、セルフサービス系っての?)

 母親の死因を訊ねられての答え。忠実に訳すと“ドイト(DIY)系”だけど、ニュアンスを汲んでみたよ。自殺がなぜ罪深いのかっていうと、遺された人達が苦しむからだよね。なぜ気づいてあげられなかったのか、助けることができたんじゃなかろうかって。ましてや子供には、理解できないショックがあっただろう。

どんな映画?
 ローコウスキ一家は問題だらけ。父親(アラン・アーキン)は、ない商才を発揮して失敗ばかり。姉ローズ(エイミー・アダムス)は未婚の母で、絶賛不倫中。ハウス・キーパーの仕事をしながら不動産の資格をとろうとしている。妹ノラ(エミリー・ブラント)は父の家に住み、ウェイトレスのバイトとかやってるけどどうにもやる気なしでダメ。ちっとも続かない。おまけにローズの息子オスカーは学校で問題行動起こしてばかり。

 うまくいかない一家のみんなが自分と家族を見つめ直していく物語。心にぽっかり空いた穴には、過去の悲劇の亡霊が詰まってる。それぞれに今を生きているけれど、ひっかかりが消えないまま。そんな時、ローズは息子を私立学校に入れるため、お金を稼ぎたいと一念発起。妹ノラを強制的に巻き込んで、2人で事故現場の清掃事業を始める。

 この事業をうまくやっていく展開も素敵だし、ローズに協力的な道具屋の店主ウィンストンも味があって素敵。そして、それぞれの心の有りようの変化が、言葉ではなく表情や態度で伝わってくるのも良かった。自分に自信と尊厳を取り戻し、父親への不信感が払拭されたローズ。少し変な子オスカーはウィンストンの存在のお陰か情緒が安定してくる。虚無感に包まれたノラは、現場に遺された子猫の世話をすることで自分の存在感を感じられるようになった。

 ものすごくハッピーなわけじゃないけど希望に満ちたラストが爽やかで、じんわりしながら今後何が起こるのかを想像して楽しめる。全体的に深刻になりすぎず、大きな盛り上がりもなく、登場人物たちの心情が深く描写されることもない。このアッサリ感は、ともすると人物が薄っぺらくなりそうだ。そこを演技派の俳優陣が表情ひとつで魅せてくれるのが素晴らしい。

 ローズ、ノラ、父さん、オスカー、ウィンストンの5人の絶妙な距離感もリアル。終盤、ローズとノラがトイレで対峙するシーンが特に良かった。家族って、ごめんとか言わなくても、許してなくても、なんとなく大丈夫なんだよね。
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俳優は誰?
 主役のローズはエイミー・アダムス。くりくりと可愛らしい顔立ちを疲れでコーティングしたような感じが巧い。ベッドに仰向けになって自嘲の笑いをするシーンは泣いたじょ。『魔法にかけられて』のハイテンション・プリンセスが衝撃的だったアダムスさん。また、『ダウト ~あるカトリック学校で~』のイノセントで気弱な尼僧もハマリ役でした。今回は普通っぽいというか、強烈さはなかったな。

 妹のノラはエミリー・ブラント。いやあ、素晴らしかったですよ。ちょいとパンクな外見で口が悪くて、その割に優しいの。鉄道の線路のとこでワァーってやるシーンが最高でした!ああやって、自分がここに生きていることを実感してるんだろうな。次回作は『狼男』のリメイク"The Wolf man"ですよ。

関連作品のようなもの
リトル・ミス・サンシャイン [DVD]この映画とプロデューサー陣が同じ。監督・脚本は全然関係ない人たち。
リトル・ミス・サンシャイン [DVD]
アビゲイル・ブレスリン; グレッグ・キニア
サンシャイン2057 (特別編) [DVD]サンシャイン2057 (特別編) [DVD]
キリアン・マーフィ; 真田広之

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           魔法にかけられて
           ダウト ~あるカトリック学校で~ 【見えぬもの 多分に真は そこに棲む】
           ダージリン急行
           あの日、欲望の大地で 【受け容れよう 残る傷跡 消せないまでも】

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コメント


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こんばんは!

なるは | URL | 2010年09月22日(Wed)23:04 [EDIT]

楽しいシーンをちりばめながらも、
「死」というテーマに
じんわりしっかり触れていましたよね…!

>自殺がなぜ罪深いのかっていうと、
>遺された人達が苦しむからだよね。
この姉妹は普段は元気に過ごしているけれど、
傷は結構深いですよね。
姉妹で、知らず知らず支え合っている感じが良かったです。
姉妹にしかわかり得ない気持ち。
家族の温かみを感じます。

>家族って ~ なんとなく大丈夫なんだよね。
本当ですね!!
この無条件の信頼関係が
映画でもしっかり描けていました!

楽しい映画なのに、
後になって込み上げてきました!
最後の無線機を使ったシーンは
ぼたぼた涙が流れました。

>なるはさま。

P | URL | 2010年09月24日(Fri)23:47 [EDIT]

良い映画でしたあ。

妹が線路の下で叫ぶシーンが一番ぐっときましたわ。
あと、厄介者の父さんとも何となく仕方がないな~ってうまくやってくところも。

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