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ココ・アヴァン・シャネル 【その時代 持たざる者の プライドは】

tag コスチューム 歴史 恋愛映画 動画付き

『ココ・アヴァン・シャネル』 COCO AVANT CHANEL
2009年・フランス
ファッション・ブランドの女王ココ・シャネルの若き日を描いた伝記映画。

 原題をそのままカタカナにした邦題ですけど、アヴァンはわかりにくいよね。アヴァンギャルドのアヴァンであって、前衛的の“前”のとこ。つまりフランス語で“~前の”の意味で英語で言ったらbeforeだから英語題名は"Coco before Chanel"となっています。ということはアヴァンギャルドって英語で言うとbefore guard?

 主演のオドレイ・トトゥは細身で大きな瞳とはっきりした眉の意志的な顔立ちなので、シャネルにぴったり!特別美人ではないけれど印象的で生き生きとした感じもとても良かったですよ。その姉アドリエンヌ役にマリー・ジランちゃんが出てたのに驚いた。昔ラックスのCMであどけない可愛さを振りまいていたマリーが、すっかり大人の女性で落ち着いた雰囲気で…。時の経つのは早いのぅ。
ココ・アヴァン・シャネル特別版 [DVD]ココ・アヴァン・シャネル特別版 [DVD]
オドレイ・トトゥ
ブノワ・ポールブールド

どんな映画?


 日本で劇場公開された英伊仏合作のTV映画『ココ・シャネル』(シャーリー・マクレーン主演)に続いて、今度は本場フランス産のシャネル伝記映画が公開されました。こちらはマクレーンのと違って、回想形式ではなく単純に若い時期のシャネルのお話。孤児院に送られてからファッション・ブランドとして成功するまでを描いています。

 とはいえ、マクレーン版の回想内容も孤児院から始まり成功を収めるまでが主軸なのだから、そこんとこは同じなんだな。何が違うかっていうと、こちらはシャネルのファッション界での成功という側面はあまり描かれず、どっぷり恋愛映画なところ。上流社会の人達に混ざって複雑な気持ちを抱えるココの、オンナとしての側面に強くスポットがあてられています。

 マクレーン版は挫折に負けない強さを持ったココの非凡さや、ファッション界に進出する際の自立心や葛藤を描いてヒューマン・ドラマとして成立していました。恋愛に関してはえらく甘く味付けしてあったのが難点ではあるけれど、後味爽やかな良い映画でした。

 それに比べて、このフランス版はアムールが過ぎるというか恋愛過多。だからロマンスとして観れば良い映画です。マクレーン版よりもずっとリアルな男女の関係、上流階級がココを珍しいおもちゃのように扱っていた様子が丁寧に描かれています。ココがちゃっかりエチエンヌの屋敷に居候し続けたエピソードは、女の狡さを遠慮なく前面に出していましたし、愛人関係の汚さもさらっと描いていました。さすがフランス!と言いたくなる明け透けさ!

 ココが歌手志望で、お針子で生活しながら夜な夜な酒場で歌っていたエピソードがきちんと描かれているのも良かった。それに運命の恋人ボーイ・カペルの野心的な部分が正直に描かれていたのも好印象!貴族の地位ほしさにした結婚と、ココへの愛は別物ってのがまたフランスっぽいよね。アムール!

 そのボーイ・カペルがピアノで弾いていた曲はスコット・ジョプリンの"Little Black Baby"でした。可愛らしい優しいリズムが素敵!また、そのタイトルからシャネルが1926年に発表したリトルブラック・ドレスを彷彿とさせるのが粋じゃないですか。

"Little Black Baby" / Scott Joplin


 同じものを見て、同じ景色を見て、同じ家で暮らしていても、人はそれぞれ違うことを感じている。ボーイはココの中に強い輝きと美を見いだし、エチエンヌはココの中に風変わりなおもちゃとしての楽しみを見ていた。究極の色は黒、シンプルこそ美しいとするココの美の捉え方は、その時代にはとても奇異な美的感覚だったろう。でも美は、人の心の中に宿るもの。ココの見ていた美が、現在では多くの女性たちに支持されている。何でもありの今日であっても、やっぱりココの築いた美の観念が古くなることはない。
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ココ・アヴァン・シャネル 上―愛とファッションの革命児 (ハヤカワ文庫 NF 350) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)原作本、文庫上下巻。
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コメント


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嬉しいです♪

直珍 | URL | 2009年10月19日(Mon)20:29 [EDIT]

同じように「ココ・シャネル」を
見比べたヒトに出逢えて…

何だか同じ気持ちが甦り
嬉しくなりました

>直珍さま。

P | URL | 2009年10月20日(Tue)14:04 [EDIT]

コメントありがとうございました!

ココ・アヴァン・シャネル

scarecrow1970 | URL | 2009年10月20日(Tue)22:33 [EDIT]

こんばんは♪

自分も二作とも観たのですが、先に観た&シャーリー・マクレーンの迫力の凄さで、個人的には「ココ・シャネル」の方が印象深かった…って感想です。

もちろんこちらもオドレイ・トトゥが魅力的だったし、エピソードによってはわかりやすかったり(エチエンヌの件とか)良かったんですけどね。ただ「いつになったら服を作りだすんだ???」とヤキモキしながら観ていたのも確かです(笑)。

Pさんの書かれていたように、フランスならではの明け透けさは凄い。気持ち良いぐらいの明け透けさでしたね。

>scarecrow1970さま。

P | URL | 2009年10月21日(Wed)12:22 [EDIT]

似たようでいて、テイストのまったく違う2作でしたね。
どちらが好きかでいったら、マクレーン版が気持ち良くテンポ良く見れて感動したのでアッチかしら私も。
こちらはまったり恋愛ものって感じ。そうそう服とか帽子とかお店出さないの??って。
それでも、キャリアの部分でなく、パーソナルな部分が繊細に描きこまれていたのが良かったです。

両方とも見るって方が多いんでしょうね、これ。同じ素材でどれだけ違うのか、見比べるのは面白いですものね。それぞれに良かったです!

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