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しんぼる 【あれやこれ 命の起源も こんなもん】

tag コメディ

『しんぼる』
2009年・日本
ダウンタウン・松本人志監督作第2弾。

 人生そのもの、世界の成り立ちそのものを表現した変なコメディ。それが『しんぼる』でした。先に書いちゃうと『CUBE』×『2001年宇宙の旅』に少しモンティ・パイソン風味って感じの作品でしたよ。
?(´д`)?なんじゃそりゃ?

 万人受けはしないだろうけど、好きな人は好き。そんなまるでサブカル路線をいく松ちゃん監督、前作『大日本人』と同じパターンじゃん!今作は、コメディ部分はわかりやすい一人芝居ギャグで通し、シュール部分はとことんわかりにくい感じに仕上がっている。コメディとして面白いのか、と訊かれればアイロニーな笑いが面白いと答えたい。映画として面白いのか、と訊かれれば一瞬躊躇った後に「うん、面白かった」と答えたい。そんな映画。

 ただこれ、ラーメンズの二人のどっちかが主演してくれてたらもっと面白かったかも。ギリジンかな、やっぱ。いや、コバケンでもじんわりした笑いが面白そうだし。いやいや、ギリジンの身体能力は捨てがたい。なんつって、実現可能性のないことを検討したりしてな。バニーボーイ、良いよね。パン!
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松本人志

どんな映画?


 なぜかメキシコから始まる。車を乱暴に走らせる一人のシスター。メキシコはカソリック大国だから、やっぱシスターだよな。その車のキーにぶら下がってるのは、ルチャ・リブレのマスコット。メキシコだからな、ルチャ・リブレ(庶民的なプロレス)だよね、やっぱり。そのシスターが向かっているのは、父のところ。父は試合を控えたルチャドール(レスラー)だ。

 あらゆる事象に私達はレッテルを貼り、象徴化する。「医者」ときけば、私達は自動的に「忙しい仕事、金持ち、白衣」などと連想する(その連想は勿論人によって様々だけれど)。ルチャ・リブレの特徴である善玉・悪玉の役割というのもレッテルであって、ルチャドール達は自分の役割に合った行動を期待され、実行する。でも、あるべき姿からかけ離れた事象もあるわけだ。この映画でいったら、シスターなのにガラが悪いとか、レスラーなのに弱気だとか。物事は、周囲がその物事に期待するように振る舞うものだ。が、周囲が型に填めようとしても填らないケースもある。

 話を映画の筋に戻すと、このメキシコパートと白い部屋に閉じ込められた松ちゃんパートが交互に語られる。メキシコパートで描かれるルチャ・リブレは自由な闘いという意味で、何でもありな自由さを表している。対比するように松ちゃんの脱出パートには自由さがない。刺激・反応プロセスを記憶し組み合わせて、与えられたモノの範囲内でどうにか脱出方法を考える。

 メキシコパートと脱出パートがそれぞれ無関係に進んでいくものだから、観ているこちらはいつどうやって2つが繋がるのか?と首を傾げつつあらぬ憶測をしてみたりするわけ。そしてついに2つが関係し合っていることがわかるんだけどね、これが意表を突きすぎた。お茶噴くわ!この脱力感というか馬鹿馬鹿しさを面白いと思うかどうかは個人の好み。私は面白かったよ。

 脱出パートについて思うことを少し。目覚めたら唐突に白い奇妙な部屋に閉じ込められていて、壁や床には何かのシンボルが無数に付いている。そこに流れる法則を習得し、そのうち偶然に出口を発見したものの出方がわからない。トライ&エラーを繰り返し、あれこれ組み合わせて工夫して、絶望の淵に立ったときに常にそこにあった救いが見えるようになる。これは人生そのものじゃないか!ひいては遺伝子の進化みたいでもある。

 また、些細なことや無関係に見える小さな動きでも、何か他の事象に繋がり変化を起こしたりもする。そんな世界の仕組みも表現しているんだと思った。大事なのは諦めずに何度もトライして、小さなコトを積み重ねて、大きな変化にもっていくこと。一人一人は微力だけれど、それぞれが微力を尽くして良い方向に持って行こうとする心意気だ。小さくても行動していれば、何か大きな動きになる。そんな希望を感じたのでした。

 とりわけラストに向かうイメージ映像は、呆気にとられつつも心に響いた。グっときた。説明の出来ない感情の迸りが、何も言えなくさせる。面白いとか、難しいとか、そういうの全部超越しちゃってるような、なんとも不思議な映画体験となった。
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