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スペル 【逆恨み 買ったら3日で 地獄行き】

tag ホラー コメディ

『スペル』 DRAG ME TO HELL
2009年・アメリカ
サム・ライミ監督の久々のオカルト・ホラー。

 とかくこの世は不条理、を地でいく。普通の女性が普通に仕事してたらなんか逆恨みされてすごい呪いを受けてしまった!という話。ジプシー恐い。その呪いを受けると3日間苦しんだ末に永劫地獄の炎で焼かれるという。ひでえ。ヒロインは品がなかったり嘘ついたりするけど、基本的に善良なのにな。

 さすがライミ!コメディのタグを付けたぐらい面白くて笑っちゃライミ!効果音も画ズラも可笑しくて堪らライミ!とにかく皆観てライミ!

 原題は“私を地獄に連れてって”になりますかね。なんでこんなタイトル付けたのかはライミのみぞ知る。 邦題はシンプルで良いですよね。まさにその呪い(スペル)のお話なのだから。
スペル コレクターズ・エディション [DVD]スペル [DVD]
コレクターズ・エディション
アリソン・ローマン
ジャスティン・ロング

コトノハ


"I beat you, you old bitch!"
(あたしの勝ちよ、くそ婆ぁ!)

 クリスティン(アリソン・ローマン)が駐車場で自分の車に乗り込むと、老婆が襲ってきた。驚きと笑いに彩られた激しいバトルのあと、クリスティンが笑いながらこんなこと言うので噴いた。とっても面白いシーンです。

どんな映画?
 オープニングからして'80年代オカルトホラーの雰囲気満点。ああ、こういうのをダークキャッスル(クラシックなホラー専門のはずだった製作会社)で作ってほしいのになと少し苦い気持ちになったことであるよ。ダークキャッスル、『ロックンローラ』とか作ってる場合じゃないよ、本当。

 さて。住宅ローンを延長してくれと申請に来たジプシーっぽい婆ちゃん。「近いうちにお金が入るから」と言う。でもこれで3度目の延長になるしなぁ、と困ったクリスは上司に相談。でも君に任せると言われ、昇進したいクリスはタフな決断を下せるところを見せようと否決する。

 まあ、いたって常識的な決断だと思うのよ。イイトコ見せたい気持ちがあったにしても、妥当でしょう。大体近々お金が入るなんて、一体何のことだよ、と。それに身寄りもきちんといるし、アドバイスもしたわけだし。公平に見て、クリスは悪くないと思うね。それでもこういう理不尽な攻撃に晒されることって、あるよね。人生ってそんなもの。っていうか、ジプシーまじ恐い(この映画の中でね)。オープニングのエピソードだって、よく考えると酷い話だ。
追記:
 日本的に考えると、老婆のローン延長申請には同情の余地なしだ。でも借金パラダイスのアメリカ的に考えると、あれはもしかして「なんで延長してやんねーんだよ!意地悪!」ってなるのだろうか。クリスが1万ドル(100万円)の貯蓄もなかったことを考え合わせるに付け、日米の借金感覚の違いを思い知ったような気がしてきた。それにあの1万ドル、女性霊媒師は受け取ってないように思うのだが。

 ⇒『キャピタリズム マネーは踊る』を観て、アメリカの社会背景を理解したらわかってきた!ぜひセットで観てください。

 クリスもクリスの恋人クレイ(ジャスティン・ロング)も勤め先の銀行マネージャー(デヴィッド・ペイマー)も霊媒師も、いたって善良な人々でした。そんな中、あまりにもコスイ銀行の同僚スチュ(レジー・リー)や執念のジプシー婆ちゃんやジプシーの孫娘なんかが性格悪過ぎて酷い。でもこういう人、いるもんね実際。自分に非がなくても一方的に攻撃を受けることなんて普通にある。でもその攻撃が、地獄の業火に永劫焼かれ続ける呪いって、どんだけ性格悪いんだよ!と思うわけさ。

 そんな人生の理不尽を語る映画ですが、マジで笑いの壺を押されまくった!ホラー的には驚く怖さと人間の心の怖さがありました。しかしこいつは真面目なコメディといっても良いデキなので是非積極的に笑っていきたい。クリスの狂気や、婆ちゃんのエグさ。具体的には目玉がポムッ!とか鼻血ブーとか目玉ケーキとか、バケツみたいなアイスクリーム食べながら泣いてるとこ、恋人の家でドアに向かって罵倒するとこ、マジックみたいにハンカチーフを口から引きずり出すとこ、力強く半笑いで土掘るとこ。そりゃもうゲラゲラ笑いましたさ。

 クリスが飼っている小さなトラ猫は『こねこ』のチグラーシャみたいで超キュート!にゃーん!可愛い~!この子猫が後にあんなことになるんて、誰が予想したろうか。最後まで可愛かったです、子猫ちゃん。「猫なんかいらねんだよ!」で泣くほど笑ったわよ。

 ところで、婆ちゃんがハンガリー語で呪いをかけて召還した悪魔はラミア。ん?ラミアってギリシャ神話のあのヒト?ゼウスとの間に子供がいたけど皆ヘラに殺されちゃった、リビアの女王様だった人。上半身は美女、下半身は蛇の姿。男の血を吸い、子供を喰らう。調べてみると、固有名詞Lamiaの場合はこのギリシャ神話のラミアを指し、一般名詞のa lamia(複数形lamiae)の場合は悪魔を指す言葉だそうですよ。通常は女性形だけども、この映画では黒山羊の姿を使ってます。ていうか、ラミアって語感が素敵だから使っただけっぽい気がする。
追記:
 婆ちゃんとラミアの二人がクリスを襲っているように見えるけれど、ラミアが婆ちゃんの姿をとっているだけだと文字色思う。あの駐車場のバトルシーンから最後までラミアの仕業。婆ちゃんがいつ呪ったのかは不明。

追記2:
 ギリシャ神話って、神々が些細なことにいちいち怒って人間を罰して死に追いやるじゃない?あの凄い理不尽感を出すためにラミアの名を使ったのかもしんない。ギリシャ神話の神は寛容な慈愛など持ち合わせてない。後悔したって、反省したって、容赦なく殺すよね。

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俳優は誰?
 恐怖に気も狂わんばかりのクリスティンにアリソン・ローマン。良かった!車中で老婆を打ち負かしたときに思わず笑っちゃうとことか最高!アリソン出演の映画と言えばニコラス・ケイジと共演したコン・ムービー『マッチスティック・メン』が一番記憶に残ってます。可愛らしい童顔で、笑顔が本当キュートなんだけど、本作では笑顔ほぼなし。んでも黄色いドレス、可愛かった!

 育ちも良ければ気立ても良い完璧な恋人クレイに『そんな彼なら捨てちゃえば?』でバーテンダーやってたジャスティン・ロング。顔が長いからジャスティン・ロング。彼の軽妙なコメディ体質が発揮されているのはほんのワンシーン。霊能力者の店に行ってフロイト=ユング論を始めちゃうシークエンス。他のシーンでは善良な恋人としての添え物的役割で残念。あ、でもラストシーンの彼は凄く良かった!クレイの後の人生を案じてしまうな。

 同僚のヤな男@アジア系には『プリズン・ブレイクseason2』のヤナ奴キムを演じていたレジー・リー。やぁ、本当にヤな奴が似合いますね。笑っちゃうほどヤな奴だったわ。

関連作品のようなもの
20周年アニバーサリー 死霊のはらわた [DVD]'83年ライミのデビュー作。もう25年も経ってるんだね!
20周年アニバーサリー 死霊のはらわた [DVD]
エレン・サンドワイズ; ベッツィ・ベイカー
エクソシスト ディレクターズカット版 [DVD]オカルト悪魔祓い系ではやっぱりこれが恐い!続編の2はそれなりに。
エクソシスト ディレクターズカット版 [DVD]
エレン・バースティン; リンダ・ブレア
マッチスティック・メン 特別版 [DVD]主演のアリソン・ローマンはこの映画が良いです。
マッチスティック・メン 特別版 [DVD]
ニコラス・ケイジ; サム・ロックウェル
私をスキーに連れてって [DVD]私をスキーに連れてって [DVD]
原田知世; 三上博史

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           悪霊喰 【許すべき 許されざる者 許すため】

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コメント


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サイズ君 | URL | 2009年11月21日(Sat)20:22 [EDIT]

これ、評判ですね!
さすが、サム・ライミ監督!といったところでしょうか?
オイラもレンタル行きたくなったよ~。

>サイズ君さま。

P | URL | 2009年11月21日(Sat)22:58 [EDIT]

すごく面白いですよ!
でもライミのインタビュー読むと「これは道徳的な話。加害者はクリスで、お婆さんは被害者」と言い張っています。それならもっと、やりようがあったろうに…。言いたいことはわかるけど、やっぱりお婆さんの性格を醜悪に描きすぎたと思う。
ライミの意図は置いといて。人間の汚い部分をユーモラスに皮肉に描くことには成功していると思います。
オススメ!

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