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パブリック・エネミーズ 【雑な時代 銀行強盗 FBI】

tag 歴史 恋愛映画 犯罪 動画付き

『パブリック・エネミーズ』 PUBLIC ENEMIES
2009年・アメリカ
1930年代前半の銀行強盗ジョン・デリンジャーの実話を基に映画化。

 アメリカはなぜ銀行強盗が大好きなんだろうか。英雄視されるってのが私にはわからない。ブラッド・ピットの『ジェシー・ジェームズの暗殺』も列車強盗で庶民の英雄的扱いだった。あれも実話ベースだし、今回のこの映画も実話ベース。

 強盗ものといえば、『私が愛したギャングスター』『バンディッツ』などのコメディが好き。実話犯罪映画だとエリック・バナ主演『チョッパー・リード~史上最凶の殺人鬼~』の無茶っぷりが凄くて好き。そんで、本作やジェシー・ジェームズのような単に英雄視したものは正直言って苦手だ。

 それでも、男臭いドラマがあり、デリンジャーと恋人ビリーのロマンスがあり、何より硬質で臨場感溢れる映像は素晴らしかった!さすがマイケル・マン監督!デニーロ&パチーノの『ヒート』系なので、そういうの好きなら観て損はない。

 タイトルの意味は“社会の敵”複数形。勿論デリンジャーもFBIによって社会の敵とされたが、彼のような旧いタイプのギャングに取って代わる新手のギャング達も描かれているから複数形なのだろう。

 こういう映画って、東映の極道映画とか任侠モノって感じのジャンルなのだろうな。アメリカのこと言えないですね。日本も極道・任侠大好きですよね。私にとっては苦手ジャンル。
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ジョニー・デップ
クリスチャン・ベイル

コトノハ


"Bye bye, blackbird."

 1926年の曲で、ジャズのスタンダードとしてマイルス・デイヴィスなどなどあらゆるジャズ・シンガーの方々が歌ってらっしゃる。私はダイアナ・クラールバージョンが好きです。しっとり。映画の中でどう使われていたのかは、哀しいので言わない。ダイアナ・クラールはクラブのシーンで歌ってたので要チェックや!

 blackbirdはクロウタドリ。クチバシと目の周りが黄色い、黒い鳥のこと。黒人を指す隠語でもあるけど、映画では関係ない。歌詞はコチラ⇒Bye Bye Blackbird Lyrics

ダイアナ・クラールの歌う"Bye bye blackbird"


どんな映画?
 映画の舞台となるのは1934年の1月から7/24までの期間。日にちは短いけど、濃いよ。実話ベースとはいえ、かなりの部分がフィクションだし、時系列入れ替えてあるとこもある。そういうのはいつも通り、映画だから!って気持ちで大らかに構えましょう!

 デリンジャー(ジョニー・デップ)の暴力嫌いや情の篤さなどはうまく描き、魅力的なキャラクターに仕立てているよ。恋人ビリー(マリオン・コティヤール)にも尋問される見せ場を作って、芯の強い美女っぷりをアピール。この二人の存在感と演技は凄いぜ。

 一方、FBIチームの若きリーダー―メルヴィン・パーヴィス(クリスチャン・ベイル)がまたカッコイイ!デリンジャーを追う執念と、蔭のある男っぷりがベイルに似合ってて良い。ベイルは陰気な役やらせたら右に出るモノはないね!そして、部下の失態にぽかーん( ゚д゚ )とするパーヴィスの表情も良かった。

 映像はカメラの距離感が近い感じで、非常に臨場感がある。3Dじゃなくてもこれだけ映像の中に入り込んだ気分が味わえるって凄い。デリンジャーと一緒に逃げている感覚。あと、下から仰ぎ見る構図が折々出てきて、これがまた良い!印象的なのはパーヴィスが銃を構えている顔つきを銃の下から煽りで撮ったシーン、車を運転するデリンジャーの顔を足元から煽ったシーン。帽子をかぶることの多いこの時代の男達の、表情を完全に捉える構図。

 当時は弱小部署でしかなかったFBIが、その権威を確固たるモノとするために繰り広げた大捕物。その辺りの権謀術数渦巻くエピソードを散りばめつつ語られる。そしてデリンジャーのような資本家と権力に楯突く義賊のようなわかりやすいギャングはFBIによって滅ぼされ、代わりにのさばるのは新手の頭脳派ギャング達。簡単には犯罪が表に見えないタチの悪い方法で、庶民も資本家も関係なく相手にして資金集めをするギャング達が活躍することになる。そんな世代交代も描いていて、デリンジャーは言わば旧いギャング最後の大物って感じ。

 笑いどころもあったよ。デリンジャーがすいーっと警察署に入っちゃって中を見学し、自分を探している警官に話しかけちゃうあたりの大胆さが剛の者っぽくてつい笑っちゃった。俺たちにできないことをやってのける!そこに痺れる憧れるー!的な洒落た格好良さ。

 エンドロールが昔っぽい雰囲気で、これもまた余韻嫋々。ストーリーがどうのっていうより、男の世界とメロドラマな雰囲気を楽しめる。ジョニー・デップとクリスチャン・ベイルの格好良さを堪能できる。凝った映像表現に酔っぱらえる。そんな良い映画でした。
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事実はどうだったのか?
 蛇足ながら、興味がワイタンギ!実際のデリンジャーや仲間達はどうだったのかな?

 本物のデリンジャーは左利きだったようですが、映画ではデップに合わせて右利きになってますた。恋人ビリーはウェルトン・スパークと婚姻関係にあったのでデリンジャーとは不倫ってことになる。旦那は'33年に郵便強盗で捕まって服役中で、その年の11月にデリンジャーと出会ったらしい。旦那との離婚が成立しないまま自らも逮捕されてしまい、デリンジャーとは正式に結婚できなかった。短いながらも運命の恋だったのでしょうか。
《参考》
ジョン・デリンジャー (1934/7/24没)
ビリー・フレチェット (恋人)
アンナ・セイジ (デリンジャーの最期にまつわるキー・パーソン)

 銀行強盗仲間の凶暴なベビーフェイス・ネルソンの最期は、実際はデリンジャーよりも数ヶ月後の出来事。1934年11月、FBIとの狂気的な撃ち合いによって致命傷を負い亡くなったのだそうです。壮絶な逸話が残されているようですが、ホンマかいなー。

 プリティボーイ・フロイドも実際に射殺されたのはデリンジャーよりも後。1934年10月22日、パーヴィスに8回撃たれて死亡。パーヴィスが翌年FBIを辞めたのは、エドガー・フーヴァー長官に煙たがられたせい。有能で目立つから、嫌いだったのでしょうね。自分の方が目立ちたかったのに!

 そして、映画のラストを飾るあの劇場前でのアレ。あの死体はデリンジャー本人のものではない、との噂が流れている。どこかで生きている彼と話をした、という者まで出てくる始末。潜伏中に顔と手の整形手術を行ったとのことで、本人の顔と死体の顔が違うという指摘だけでは別人である証拠にもならず、ハッキリしたことは今もって不明のまま。
《参考》
ベビーフェイス・ネルソン (暴力的な仲間。その最期も気狂いじみてる!)
メルヴィン・パーヴィス (FBIの若き捜査官。それなりに汚く、不遇なお人。)
プリティボーイ・フロイド (パーヴィスに射殺された義賊的銀行強盗)

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俳優は誰?
 ジョニー・デップは久々に普通の人間らしい役で、良かった!静かな心の動きを繊細な表情で語る、こういう役こそデップに演じて欲しいもの。チョコレート工場とかアリスの帽子屋とかジャック・スパロウとかスウィーニーなんとかは忘れて貰いたい。デップの映画は『ネバーランド』『耳に残るは君の歌声』『妹の恋人』『ギルバート・グレイプ』がオススメ。

 他、プリティボーイ役に『G.I.ジョー』主演、全米No.1ヒットロマンス"Dear, John"でも主演のチャニング・テイタム。ラストに出てくる若いホステス役にリーリー・ソビエスキーちゃん。世界的ヒット『アバター』にカッコイイ軍人クオリッチ大佐役で出演していたスティーブン・ラングがFBI側の渋いオッサン役。同じく『アバター』で会社の責任者を演じていたジョバンニ・リビシが列車強盗を企画するギャング―アルヴィン・カーピスを演じている。

またしてもリビシの無駄使いと言えよう。

関連作品のようなもの
ブロマイド写真★『パブリック・エネミーズ』デリンジャー(ジョニー・デップ)1なんかブロマイドって言葉が懐かしかったから。
ブロマイド写真★『パブリック・エネミーズ』デリンジャー(ジョニー・デップ)1
デリンジャー物語 (レッド・アロー・ドキュメント)本。
デリンジャー物語 (レッド・アロー・ドキュメント)
オヴィッド デマリス
男の世界 [VHS]デリンジャーが最後に観に行く映画。
男の世界 [VHS]
クラーク・ゲーブル
パーフェクト・エネミーズ [DVD]パーフェクト・エネミーズ [DVD]
マイケル・パレ

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