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サロゲート 【清潔な 美よりも尊い 人間性】

tag SF サスペンス ミステリ 動画付き

『サロゲート』 SURROGATES
2009年・アメリカ
ロバート・ヴェンディティ&ブレット・ウェルデルのアメコミを映画化。

 って言っても、松田聖子が主演したハリウッドとの合作映画『サロゲート・マザー』ではない。既にソフト売ってなくて驚いた!VHSで出てたけど廃盤、当然DVD化やBD化はされずにいるよ。でも案外面白かったけどな。←ココまでサロゲート・マザーの話。

 タイトルのサロゲートは代理人・代行人の意味で、この映画では生活の全てを代行ロボ(サロゲートと呼称される)にお任せしちゃえ♪というお茶目なアイデアがベースになっている。義体を遠隔操作する少佐みたいな感じすな。ちなみに聖子ちゃんの映画の方は代理母の意味ね。

 結論から言うと、この映画は粗すぎた。ちょっと脚本家を呼びなさい。まあ、あらゆる無理があったけども、そういうのは置いとけば良い。見所は結構あるんだから!それに描かれたテーマも私は好きでした。ブルース・ウィリス演じる主人公トムの葛藤が人類全体の葛藤だね。概ねB級の面白さを楽しむ映画。これって、原作のアメコミはどうだったのだろうか?読んでみたいや。
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ブルース・ウィリス
ラダ・ミッチェル

コトノハ


"It's an addiction. And you have to kill the addict to kill the addiction."
(中毒だよ。中毒を断つには元を断たねばならない)

 黒幕さんの台詞。うん、でも、アルコールや煙草をこの世からなくせば確かにその中毒はなくなるけど。なんかエクストリーム過ぎだよ。存在するものを節度を守って使う、そこに尊ぶべき人間の理性が見えるんじゃないのかなぁ。今の私達が携帯電話やインターネット依存になっているとしても、それらをなくすのではなくて使い方を考えれば良いと思う。難しいけれど。

どんな映画?
 89分のミニマムさが長所です。あとエンディング曲が良かったよ。なるべく映画の良いところを見つけていきたい私としましては、穴だらけの設定については目をつぶりたい。けど少しは書くさ。

 もう何て言うか、そもそもの設定としてさあー。舞台は2017年なんですよ。冒頭でサロゲートが使われるようになった経緯をまとめてお伝えしてくれるんだけどさ。ほんの10数年で全人類の98%が代行ロボット使用するわけないじゃん!アフリカとか中国の農村部とかどうなってんだよぅ!中高年がそう簡単に生活習慣を変えるとお思いか!

 それにだ。ロボを脳波で遠隔操作できるほどの科学技術レベルにありながら、私達が現在生きる世界と同じ生活をしているのがオカシイよね。車を運転する必要はないだろう!脳波で機械を操作できるなら車も自動操縦が可能なはずだよね。携帯電話もいらないだろう!ロボなんだからネットに繋がれば直接会話できるはずだからね。…いろいろ予算がなかったんだなぁと切なくなります。

 と、キメの粗い設定に関してはココまで。完成された世界観ってやっぱり大事よねぇ~。マトリックスや攻殻機動隊なんかの、世界観だけでメシ3杯食える!って作品は他が多少オカシクても気にならんのよね。私、『RD 潜脳調査室』大好きよ!

 ビジュアル面の見所。ロボは徹底的に美しく滑らかな肌に作られ不自然に明るい。生身の人間は徹底して醜く肌の衰えが強調され、暗い陰を帯びた描写。このコントラストが絶妙!いくら美しくても、そこに負を抱えた生身の魅力はない。そこにネガティブが透けて見えるからこそ人生は強く美しい。

映画のテーマは人間性回帰なわけで、過剰に清潔さや美しさや安全さを希求する社会への批判とも言えましょう。まあ安全に越したことないけど。小学生にマッチを擦らせないとか、少しでも危険な公園遊具の撤去とか、そんなのは行き過ぎだと私は思うもの。

 元々善なる志で作られたサロゲートの技術なのに、行き過ぎた使われ方の為に人間性を失わせていく哀しさ。これは古今東西、科学の進歩には付き物の葛藤ですよね。人の役に立つ発明が、使い方次第で逆に人をゴミみたいに殺してしまう。それと同じものを感じました。サロゲートは人と人との生身の繋がりを破壊し、老いを否定する。本来的な使われ方をされていれば素敵な道具だったのに。

 全世界がサロゲート社会な設定なので、日本もこんな生活をしている設定なんですよね。日本のサロゲート達はきっとコスプレとかアニメキャラとかいるよね~。猫型美少女とかもいるかも~。なんて妄想してみたら楽しい。

 字幕に関しては文句アリアリ。例の如く戸田奈津子氏でした。あのね、終盤の中の人交代劇んとこのシーン、中の人に合わせた口調にしてよね!そんな喋り方しないだろうが!っと怒り沸いた。他にも、どうも翻訳者本人がきちんと話を理解してないように感じました。こんなんで別の映画の超吹替版の監修も担当するって、本当にやめて頂きたい。

 役者的見所はトムの相棒捜査官ピータース役のラダ・ミッチェル!カッコ良いアクションを見せてくれるよ。『サイレントヒル』の母親役でお馴染みですね。次回作は『ザ・クレイジーズ』のリメイク版が公開待ちだよ。もう1人の女優さんはボンドガールもやった美女。ロザムンド・パイクがトムの妻マギー役。人工的な美しさがとても似合っていました。

 最後に、エンディングテーマ曲はとても良いです!'90年代正当派ロックのスメルがぷんぷんで。ドラム'nベースもギターも素直なボーカルも高音域の微かなハスキーさも超好みのタイプでしたわ。下のPVは映画サロゲートがふんだんに使われたなかなかカッコ良い動画です。本編よりもy…(略。

"I will not bow" / Breaking Benjamin


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こんばんは!

なるは | URL | 2010年03月06日(Sat)23:23 [EDIT]

…それもそうですね。
もうちょっと先の未来の話なら、
まだ少しはリアリティがあったかもしれないけれど…。
携帯電話の普及が早かったので、
なんとなくそれくらいかなと思ってしまったけれど、
実際使っていない人だってまだ世界にはたくさんいますもんね。

>主人公トムの葛藤が人類全体の葛藤
とってもわかりやすいテーマでしたが、
とっても重く、考えさせられました。

もともとアメコミだったんですね!
日本のマンガも凄いけど、
アメコミの観点も最近気になってます。
全体的に絵がちょっと苦手ですが、読んでみたいです。

>なるはさま。

P | URL | 2010年03月08日(Mon)01:59 [EDIT]

設定の無茶っぷりは、原作ではどうだったのか知りたいですね。

アメコミ、なんかBoooooM!!!!みたいな擬音のイメージ強いです。
読みたいけど、今は予約してて届いたロスト・シンボル読むのに夢中!
予約特典でバッヂ付いてきました。
限定版てあって、何が特別なのかと思ったら表紙裏面に地図が!天井画が!
地図と照らし合わせて読み進めているのでなかなか進みません。
やっと下巻に入ったとこです。

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