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しあわせの隠れ場所 【すぐそこの 見えずにいたもの 見えた時】

tag ヒューマン スポーツ

『しあわせの隠れ場所』 THE BLIND SIDE
2009年・アメリカ
アメフトのスター選手マイケル・オアーの実話を映画化したヒューマン・ドラマ。

 原作はマイケル・ルイスの書いたノンフィクション『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』。アメフトとラグビーの違いは、怒り肩かそうでないか。で、いいですかね。

 オアーの後見人リー・アン・トゥーイーを演じた主役のサンドラ・ブロックがアカデミー&ゴールデン・グローヴ賞受賞。サンドラはコメディが得意分野ではあるけど、『完全犯罪クラブ』『シャッフル』などシリアス演技も素晴らしい演技派なので、今回の受賞は嬉しいです。作品に恵まれなかったものね、今まで。と思いつつも、キャメロン・ディアスもこの役に合いそうだなぁと妄想してたよ。

 原題は“死角、弱点、すき”の意。アメフトの花形であるクォーターバック(オフェンス)の死角を守ってチームを勝利に導く、縁の下の力持ちなポジション(レフト・タックル)をオアー選手は務めています。そんなアメフト的意味合いと共に、人々が互いに助け合って死角を守り合って生きている、って意味も感じます。社会の、家族の、生徒の、本人には見えてないものを気づかせたり助けたり。

 邦題は、日常に当然のように存在する幸せを自覚し感謝するって意味では合ってるかな。ただ、ちょっと年齢層高めの女性向けっぽ過ぎるような気もする。観る人の性別年代を問わない内容なのに勿体ないな、と思いましたよ。

しあわせの隠れ場所 Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)しあわせの隠れ場所
Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)
サンドラ・ブロック
ティム・マッグロウ

コトノハ


"Don't you dare lie to me."
(この私に嘘はおやめなさい。)

 リー・アンがオアーに言う言葉。なんとも強くパワフルなビッグ・ママ(肝っ玉母ちゃん)っぷり!後半、同じ言葉をオアーに言われるシーンがあります。こういう演出の巧さが映画のあちこちに見られました。

どんな映画?
 一種のノブレス・オブリージュ―持てる者の義務を描きながら家族の絆を魅せてくれる。血が繋がってなくても家族!って。個人の力ではドラスティックに貧困救済なんて出来ないけど、身近にいる誰か一人でも笑顔にできたら、それは素敵なことだと思います。

 映画はあくまで、裕福な白人家族がオアーの存在のお陰で気づくことが出来た“今ここにある幸せ”への感謝が中心。当然のように享受してきた暮らしを見つめ直す、精神の変容なのかな、と。とても個人的で、とてもささやかで、でもとても素晴らしい行動と結果。社会を変えることはできなくても、自分自身と周りの人は変えられる。個人が個人を、という映画。

こないだ観た『インビクタス/負けざる者たち』は似て非なるもの。あっちは社会の変容の為に組織を使って人心に影響を及ぼそうという、政治の話。精神の変容というテーマは同じだけども、対極と言っても良いお話かと思いましたよ。

 途中、一家の父ショーン(ティム・マッグロウ)がオアーに、アメフトに例えて説明した詩はアルフレッド・テニスン"Charge of the Light Brigade"。クリミア戦争時代1854年のバラクラヴァの戦いを謳ったもの。あの場面は素敵でしたね。その説明のお陰で、詩の本質を理解したオアーの小論文が良かった!

 しかし、末っ子可愛すぎ!素直で優しくて小生意気!天真爛漫でした。車の事故のときも、良い子で安心しました。あの時のリー・アンの態度も立派でした。後半でオアーに“理由”を問われたときも、自分の内面の無意識の部分まで省みるところが素敵でした。なかなかできないことですよ。

 キレイゴトな映画と言われるかもしれないけど、そうとばかりも言えない。これが大筋は現実にあったことだというのは、人間の善なる面の発露。そして責任を引き受ける覚悟は、相当なモノですよね!また、耐え難いことは敢えて死角に置き去りにし、目を瞑って逃げることも、そんなに悪いことじゃない。人生のすべてを全部受け止めるなんて、子供にはできないよね。人間の強さと弱さ、両方をちゃんと描いてるんだなぁ。

 エンドロールの手前、プロ指名の場面からは本物のオアー選手とその白い家族の映像とスチル。みんなの笑顔に、爽やかな「良かったなぁ」という感情が通り過ぎていく。コリンズ、本物とそっくりじゃないか。

 余談ですが、この映画のために金髪に染めたサンドラの小咄。彼女の夫がそれをすごく嫌がったんですって。実在のリー・アンに似せるためなんだから仕方ないよね。で、サンドラがバレンタインに夫の機嫌を取った方法が凄いんだ。なんと陰毛をピンクに染めてハート型に剃って、自分をプレゼント!でもうまくピンクに染まらず変な色になって失敗しちゃったんだって。可愛いね、サンドラ。
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関連作品のようなもの
ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟原作本。ノンフィクション。アメフト近代史も書かれているとのこと。
ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟
マイケル ルイス
はなのすきなうし (岩波の子どもの本 (11))リー・アンがオアーに読んできかせる本。
はなのすきなうし (岩波の子どもの本 (11))
マンロー・リーフ
かいじゅうたちのいるところリー・アンが子供達によく読んだ絵本。
かいじゅうたちのいるところ
モーリス・センダック
ドライビングMissデイジー デラックス版 [DVD]不良達がオアーにリー・アンのことをはやし立てたとき引き合いに出された映画。
ドライビングMissデイジー デラックス版 [DVD]
ジェシカ・タンディ;モーガン・フリーマン

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