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ネコを探して 【観ていこう 猫と人との 変遷を】

tag ドキュメンタリー アニメ 動画付き

『ネコを探して』 LA VOIE DU CHAT /英題: THE CAT WAY
2009年・フランス
2009年4月にフランスで放送されたTV映画。猫と人とのドキュメンタリ-。

 またしても本国でTV放送用に作られた映画が日本劇場公開の不思議。やっぱりなあ!見終わったあと、これはTVで良いタイプのドキュメンタリーだなあって思ったもの。お茶の間で誰かと一緒に話しながら観たい。

 原題は"猫の道"または"猫の足跡"。猫的方法、という意味での猫道(ねこどう)と、映画の軸となる黒猫の足跡を辿る意味が合わさってる。基本的にドキュメンタリーだけども、いくつものエピソードがある。そこで、小さな黒猫がいなくなったのを時空を越えて探す旅というフィクション部分を繋ぎに使っている。

 アニメがほんわか可愛くて、猫にまつわるアレコレを数珠つなぎにしたような構成はまあまあ面白かった。猫猫!って感じではなくて、猫と社会問題を絡めてきたり、今日的な猫の扱いを疑問視したり、思ったより堅い内容ですよ。

20100809_2516.jpg 画像がないので、
うちの黒猫がセミを仕留めたショットを。

どんな映画?


 洒落たアニメーションで映画は始まるよ。このあとも繋ぎとして度々登場するアニメーション・シークエンスは可愛くて楽しい。猫好きのアールヌーボー画家スタンランや、文学者夏目漱石、マーク・トウェインなどがアニメで登場しています。ヘミングウェイもいたかしら?音楽もほんわか系で良いです。

『ネコを探して』 - Intro


 フランス映画だけれど、日本のことが多く語られています。ていうか日本がかなりのウェイトを占めていました。アメリカ、イギリスの話題もあったけど。で、まず最初が水俣病に猫がどう関わったか。戦後日本の高度経済成長を支えたモノヅクリの闇、そこに関わる猫たちの姿。

 魚介類をたくさん食べる、小さな体の猫たち。最初に水俣病の症状が現れたのが、この猫たちだったのですね。っていうエピソードなんですが、ひとつ気になったことがあります。映画のナレーション字幕では「今でも毎年、水俣病患者は増え続けています」と書かれていました。話の流れ的には、この日本の水俣の地で今でも水俣病患者が新たに発生しているよってふうに聞こえた。これが誤訳のせいなのか、元からそういう意味のナレーションなのかはわかりませんが、それは違うでしょう

現在、日本で新たな水俣病患者は出ていないと思う。行政が認定する患者数(補償を受けられる人達)の数が増えているって意味なら、それは“新たな患者”ではなく元々患者だけれど新たに補償を認められた“認定患者数”なのだから意味が違う。それか、中国やアマゾンで同じ病気が発生しているって話ならわかるけれど、どう観ても日本の話!って描き方だった気がする。

 もちろん、水俣病は治らないので存命の患者さんが苦しんでいること、補償問題など今でも続いている社会問題ではあります。でも罹患した人の数が毎年新たに増えている、というのは間違いではないか。映画における文脈の、私の捉え方が間違ってたらごめんなさい、ですが。

『ネコを探して』 - Minamata Suicide Cats


 そして日本からは駅長たまや、招き猫、猫カフェ、猫にコスプレさせる流行等のペット・ビジネスが紹介されています。いずれも、どこか皮肉な視線で語られていたのが残念。映画は、猫は自由の象徴とした昔ながらの西洋的価値観の枠に留め置かれている感覚。アメリカのキャット・ホテルやカメラ猫についても同様、皮肉な語り口でした。

 私も猫に服を着せたり、爪カバーをかぶせたりするのは反対ですけどね。猫の習性である毛繕いや爪研ぎを封じ込めるような、飼い主の身勝手にしか見えないから。まあ、それを言ったら猫を家に閉じ込めて飼うことも自然な猫の姿とは言えないわけだけど。人それぞれに猫と自分の都合との妥協点を探っていけば良いのかもね。

 もう一つ、誰か日本の教授さんのインタビュー映像で「アダルトチルドレン」を間違って使ってるのが凄く気になりましたわ。これはその教授本人が間違えて覚えちゃったんでしょうね。コドモっぽい大人って意味じゃないよ!機能不全家庭(親がアル中、親に虐待・暴力を受けるなど)で育ちトラウマをもった子供が、大人になってもトラウマを抱えていることだよ。

『ネコを探して』 - British Rail Cats


 あと、“駅長たま”にはカネの匂いしかしない。猫を利用しているだけの人間が好きじゃないですわ。可愛がっている地元の人達は別として、なんていうの、仕掛け人の人が。あの人、犬好きなんだよ、だって。
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関連作品のようなもの
吾輩は猫である (岩波文庫)猫好き必読の書、かもしれない。最後は酷いけど。
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Steinlen Cats (Dover Art Library)
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