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[リミット] 【埋められる 男も事件も 真実も】

tag パニック サスペンス 犯罪 戦争 ヒューマン

『[リミット]』 BURIED
2010年・スペイン=アメリカ=フランス
生き埋めにされた男のソリッド・シチュエーション・スリラー。

 サンダンス映画祭で絶賛され、速攻買い手がついたことで話題になりました。でもサンダンスの評価はちょっと普通の観客とはズレてるような気がします。常に低予算、斬新さ、社会派な内容の三点が評価されるみたいでねえ。

ってわけで先に書いちゃうと、期待したほどの面白さはなかった(´・ω・`)。アイデアや演技はとても素晴らしかったし、終わり方も良かったよ。そこそこに面白いし、『月に囚われた男』に似た風刺も詰まっててそれなり。

原題は“埋められた”でそのまんま。男が埋められるし、真実だって葬られる。

 主役、というかスクリーンに映るのはほぼ彼だけな、埋められた男ポールにライアン・レイノルズ!オラ、『ブレイド3』のハンニバル役で超惚れた!最近じゃ、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のウェイドって言った方が通じるんかね。サンドラ・ブロックとのロマコメ『あなたは私の婿になる』でもチャーミングさを遺憾なく発揮!そう、とにかく彼はチャーミングなのだよ。そりゃスカジョー(妻:スカーレット・ヨハンソン)も惚れるわい、と。来年はアメコミ原作のアクション大作『グリーン・ランタン』公開ですよ。要チェックや~。
[リミット] コレクターズ・エディション [Blu-ray][リミット] [Blu-ray]
コレクターズ・エディション
ライアン・レイノルズ

どんな映画?


 のっけから埋められた状態なので暗いよー狭いよー怖いよー。そしてパニクってるから息づかいが荒い。なんとも居心地の悪い映画だよ!なんかこっちまで息苦しくなってくるし、映画館は真っ暗だし、自分も一緒に地下に閉じ込められている気分。

 そんで、ポールの身に何が起こったかが解き明かされていくわけですよ。あれこれ書くとネタバレになって面白くないから、観に行きたくなったら観てきてください。ハイ、以下ネタバレは書かないけど、多少は内容に触れますのでここから先は読むの自己責任ね。

劇場ロビーには棺が設置されてたよ。@シネセゾン渋谷
buried.gif


 こういう映画は極限状態下での人間の行動心理とか、パニックやその他諸々のために理性的・論理的な行動ができていなかったりするのが面白いわけだ。観客は、ただイライラと「あーすれば良いのに、こーすれば良いのに」と思いを巡らす。この映画の場合は、埋められた男ポールが軍人でも何でもない一介のトラック運転手。だから、彼はちっとも理性的な行動をしてくれない。

 バンバン火を使うポールに苛立ったのは皆も同じだよね!特に後半の火は酷いよ。いくらパニクってても、あんなことすっかよ!いや、やりかねないか、私なら。生き埋めされたら、まず酸素の確保・節約!って考えるのが普通だと思うんだけど、この男ポール・コンロイはそんなことより暗いの怖いのである。

poster_1.jpg


 重要アイテムは携帯電話。つまり通話やデータ通信が可能な、電波の届く深さに埋められているらしい。電話の相手(FBI人質対策のダン)の推測では数十センチだろうという。そのデンでいけば深くても1m程度なわけだよな。じゃあ、棺の天井を壊してバっと立ち上がれば脱出できるじゃないか!とか思っちゃうけど、そういうわけにはいきませんかね?ホラ、最大のチャンスがあったじゃないか、後半に。ベキっていったときにヤッタ!と喜んだ私( ゚д゚ )ポカーン。

 とまあ、ツッコミどころや納得いかない箇所もあるんだけど、全体的に言えば単館系映画として及第点レベル。と、偉そうな物言いをしてみる。ただ、この映画の面白さは、表面のストーリーよりもその背景にあるんじゃないかね、と思うのよ。なので、そこに面白さを感じられれば充分に良い映画に思えます。

poster_2.jpg
 

 キャメロン・ディアス主演『運命のボタン』で“箱”についての話があったけど、アレを思い出した。人は箱の中に住み、箱に乗って移動し、箱を観て余暇を過ごす、魂を肉体という箱に閉じ込めている云々。『リミット』では男が箱に閉じ込められるが、人間はいつも箱に閉じ込められている、とも言える。国も箱だし、会社も箱。箱は外敵から身を守ってくれるはず。だけど国も会社も、あなたという小さな箱を無責任にポイと放り出すことだってある。国は大いなる“善”の為に、企業は責任回避と経済的負担回避の為に。

国や企業の欺瞞を恐ろしい形で知ることになるポールは、故郷から遠く離れた地で箱の中。その箱の中は疑似アメリカ空間。働いてた会社も疑似アメリカ空間。でもそこは紛れもなく他人の土地なのだ。箱の中を信じすぎると危ない。もっと箱を取り巻く環境を見ないと!

むくり。
IMG_3497.jpg


 この映画の舞台がなぜイラクなのか。それは、地中にポイっと放り込まれたアメリカ人ポールが何のためかもわからず死線を彷徨う様子が、イラク戦争を準えてるから、と思う。イラクに土足で入り込みイラクを支配するアメリカ政府は、映画の犯人と同じ。アメリカの戦争映画には、囚われたり置き去りにされた個人を救助する美談がよくある(『プライベート・ライアン』とかな)。けど、この映画は、大いなる善の為に見捨てられる個人の悲劇を描いてるんだ。

 そんなわけで、これはソリッド・シチュエーション・スリラーであり、ライアン・レイノルズ1人芝居であり、イラク戦争批判映画ってことでよろしくお願いします。

それにしてもFBIの人、英国発音だったような…。
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