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リトル・ランボーズ 【共に観る 父を知らない 子らの夢】

tag ヒューマン コメディ 青春

『リトル・ランボーズ』 SON OF RAMBOW
2007年・イギリス=フランス=ドイツ
『ランボー』を観て映画作りを始める子ども達の友情。

 舞台は1982年英国郊外。主人公は11歳の少年ウィルとリー・カーターの二人。『ランボー』を映画泥棒したカーターと、ひょんなことから彼の家で『ランボー』を観たウィル。一緒に映画を作って育まれる絆。ランボーへの憧れは、彼らに欠けた父への憧憬。

 スタローンの『ランボー』を観ておく必要はまったくない!少年達がジャングルでサバイバルするような映画でもない!子供の友情物語をユーモアたっぷりに描いたもの。たくさん笑って、なぜだか涙も出ちゃうような、そんな素敵な映画です。

 エンディング・クレジットが流れる中、ウィルとカーターの短い会話が声だけ挟まれます。これもまたキュート!本編が終わってもすぐに席を立っちゃダメよ。ジュヴナイルものの傑作といって過言でないよ!
Son of RambowSon of Rambow
Various Artists

コトノハ
"Good morning, Lee Carter. I'm here to help you!"
(おはようございます、リー・カーター!お手伝いに来ました!)

 張り切って、映画のコスチュームを着てカーターの家の玄関に現れたウィルの台詞。躾けの良い子なので、言葉使いもとても良い。ウィルの俗世間離れしたイノセントが、ズレてて可笑しい&可愛い!抑圧されてきた子が初めて映画を観てヽ(´ー`)ノハジけちゃった感が、喜びが迸る様子を見ていると楽しい。

どんな映画?
 '80年代の英国!この雰囲気だけで素敵ですが、一貫して子どもの目線で描かれているところが素晴らしい。想像の世界はもちろん、二人の家庭の問題もあくまで子どもらしい理解でさらっと描かれている。そこが、深刻にならず笑って観れて、だけど心を揺する所以なのかも。

本家公式サイト日本公式サイトの壁紙ダウンロード画像を使用。
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 ウィルは厳しく世俗の娯楽を禁じられている教会に所属し、TVも映画もポップスもダンスも禁じられている。学校の授業でTVを観るときは廊下に出て待っていなきゃならない。リー・カーターに出会ったのも、一人廊下でTVが終わるのを待っている時だった。カーターは先生達が頭を抱える問題児!このミスマッチな少年コンビが面白い。

 ウィルの家庭が信仰しているプリマス同胞派(キリスト集会)は、英国で起こった宗教運動で牧師や聖職者を置かずに教会活動をするもの、だそうな。プリマスはこの運動が発展した土地の名前。映画で描かれたように、世俗的な娯楽を禁止し慎ましく暮らす人々。そんな同胞派の中でもいろいろ分派があり、集会によっても規範が違うようです。中にはインターネットの使用を禁じる閉鎖的な分派もあるそうな。

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 この二人の他に、ちょうどフランスからの交換留学生が来ていて、そのいつもとは違う興奮も描かれている。真面目で地味なフランス生徒が次々バスから降りてくる。でも最後に衝撃的な生徒ディディエが姿を見せる。英国の生徒達はみんな彼に夢中になる!

 ディディエのエピソードが二人の映画作りに絡んできて、話は転機を迎える。ウィルは最初、悪たれのカーターに刺激を受け、ワイルドに子どもらしく遊び、悪い事を無邪気に真似していた。次にはディディエの大人っぽいパンクな遊びを覚える。ディディエのお気に入りのウィルは、ディディエの子分達の尊敬も受けられる。対して、カーターは相変わらず悪ガキのハミダシ者扱い。生じる亀裂。

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 イングランドでは義務教育が16歳まで。そのあと大学受験に必要な勉強をするシックスス・フォームなる段階がある。映画に出てきた上級生用のコモン・ルームは、シックスス・フォームの生徒専用。授業がないときなどココで過ごすんだそうだ。詳しくは下記リンク【イングランドの教育制度】の項を参照。
イギリスの教育 (Wikipediaより)

 ウィルを演じた子はフレッシュでイノセントで天然ぽさが凄く良かった!カーターを演じた子も本当に役にピッタリの悪タレ顔で、仕草も悪ガキで素晴らしかった!カーターの家の家業が老人ホームで、その利用者である老人との触れあいが少し描かれる。これもまた、あくまで子ども目線なので重くならない。そう、子どもの頃は世界がこんな風に見えていたなあって、胸がいっぱいになるような描き方なの。

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 ユーモア分で一番笑ったのが、カーターが自分にケチャップを塗りたくって、牛に「いつか付けられるよ」と毒づくとこ。子どもらしいよね!あと、香り付き消しゴム懐かしス!私もちょっと集めたなあ!板チョコとかソフトクリームとかの。美味しい匂い、するのよね。

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 この映画、もうラストの凄い凄さは本当に凄かった!なんてことない演出なのに、みんな笑顔なのに、観てるこっちは涙が出ちゃうんだ。兄弟がいる人には特にグッとくるかも。ちなみに、どこかに英国の監督エドガー・ライトがカメオ出演している模様。チラっと出てくる先生役とか。

 終盤、帰りのバスに乗るディディエの表情が良い。英国の子ども達には彼の存在が非日常だったわけで、熱病のように浮かれてたんだろうな。子どもって、そういうものだよね。一方、彼の存在が日常であるフランスの生徒達にとっては、彼は変人・負け犬的存在なのだろうね。ディディエの顔に広がる哀しみと寂しさが味わい深く、この映画にピリリとスパイスを加えていましたよ。
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